新車試乗レポート
更新日:2018.10.15 / 掲載日:2014.12.26
トヨタ ミライ 試乗レポート
トヨタ ミライ 試乗レポート
試乗
【ニューモデル】
発表/2014年11月18日
トヨタ自動車・お客様相談センター
0800-700-7700
文●森野恭行 写真●トヨタ自動車
■上質な走りと快適性で燃料電池車が一気に身近に
ミライは世界初の量産FCV(燃料電池自動車)。簡単に説明すれば、小さな水素発電所を搭載する電気自動車で、「クルマの水素社会」を切り開くエポックメイキングなモデルだ。700気圧の高圧水素タンクを2つ搭載し、満充填すれば650km(JC08モード)ものロングドライブが可能。そこが、航続距離の短いピュアEVとの最大の相違点だ。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 森野恭行
世界初のFCVと行っても、走行用のメカは基本的にEVと同じ。だが、神経を研ぎ澄ませば・・・POWERスイッチを押したあと、後部から水素ボンベのバルブ開閉やポンプ作動をイメージさせる音が聞こえるはず。さらに、「ヒューン」と発進し、きわめてスムーズかつ静かに速度を高めていくところまではEVと同じだが、右足にグイッと力を込めると異なる現象が起こる。「ヒョォーン」と響く音は、電気を作るFCスタックの作動音。これが、FCV独特の走りの世界を演出する。
車重は1850kgと重めだが、154馬力/34.2kg mの性能を持つモーターの能力は十分で、0→100km/h加速を10秒以下でこなし、最高速は175km/hに達する。POWERモードを選んだときの加速の力感や速度の伸びは、とても気持ちいい。
そしてシャシー性能。素直な回頭と、安定したコーナリングバランスが光る点だが、その要因は58対42という優れた前後重量配分と、一般的なエンジン搭載車よりも低く抑えられた重心高にある。高速レーンチェンジもピタッと決まり、さまざまな場面で走りの資質の高さを実感させてくれる。その中には上下動のゆったりした快適な乗り心地も含まれ、「リヤトーションビーム式の言い訳はしない」という、高い目標を掲げてセッティングされたサスが、いい仕事をしていることがわかる。
■インテリア/エクステリア写真[1]
未来感が魅力。ディスプレイを上方センターに配置し、センターコンソールとステアリングに操作系を配置する。内装色はホワイト、ブルーホワイト、ブルーブラックの3タイプ。
前席の下にFCスタック、後席の下には水素ボンベを配置するため、着座位置は高めの設定。見晴らしはいいが、頭上高の余裕は大きくない。2人掛け後席のニースペースは広々。
■インテリア/エクステリア写真[2]
フロントにはモーターとパワーコントロールユニットを配置。大きなラジエターを持つことが、ピュアEVとの見た目の違いと言える。
後部に水素タンク1つと駆動用バッテリーを配置。そのうえでゴルフバッグ3つが入る荷室を確保する。
ボディ形式はセダンだが、ルックスは未来的かつ個性的な仕上がり。空力のよさも自慢で、高速走行における効率向上と安定性の確保に貢献する。ランプは前後ともLED式を採用する。
トヨタ ミライ
全長×全幅×全高 | 4890×1815×1535mm |
---|---|
ホイールベース | 2780mm |
トレッド前/後 | 1535/1545mm |
車両重量 | 1850kg |
モーター | 永久磁石式同期型 |
最高出力 | 154ps |
最大トルク | 34.2kg m |
駆動用バッテリー | ニッケル水素 |
航続距離 | 約650km(JC08モード) |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 215/55R17 |