車の歴史
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.09.18

スズキジムニーの歴史 根強いファンに愛される、ジムニーのルーツは?

スズキジムニーの概要と歴史をまとめてみた

goo-net編集チーム

ジムニーは、本格的な軽自動車4WD車として1970年4月に初代モデルは誕生しました。
軽量で堅牢なボディとパートタイム4WD機構を活かし、高い走破性能や実用性から根強いファンを持つモデルです。

悪路走行や山岳地帯のパトロールなど本格的なヘビーデューティーな用途を想定して設計され、頑丈なラダーフレーム+リジットアクスル、十分なロードクリアランス、本格的な4WD機構、メンテナンス性、優れた登坂性能・走破性能、手ごろな価格帯などから、約半世紀の長きにわたり高い人気を誇るクロスカントリーモデルです。

元々のジムニーのルーツは、ホープ自動車が開発・発売する、日本初オフロード4WD軽自動車「ホープスターON型4WD」の製造権を、スズキの前身である鈴木自動車が譲り受けたことからはじまります。

戦後、三菱による「ジープ」のノックダウンモデルが官公庁などへ納入される中、日本の道路事情にマッチした本格的なオフロード4WD軽自動車として開発されました。

1970年の記念すべき初代モデルは「ホープスターON型4WD」をベースに、スズキの空冷2気筒2サイクルエンジンを搭載し、小型で軽量なボディ、走破性の高さから高い評価を得ることで量産化が進みました。

ジムニーは、日本のみならず世界の188の国と地域で活躍しており、2001年にはシリーズで世界累計販売台数200万台を達成しました。

車名は、小さなジープをイメージし「Jeep」と「Mini」「Tiny」からの造語とされていますが、現在のスズキのオフィシャルHPでは、「発音のしやすさと覚えやすさ」からの造語と記されています。

歴史を重ね、実用車として人々から信頼を得たジムニー。本格的なオフロード4WD軽自動車として世界中で愛されていることから、確固たる揺るぎないポジショニングを築いたモデルと言えるでしょう。

派生車種に1.3Lエンジンを搭載した「ジムニーシエラ」「ジムニーワイド」、街中のデイリーユースを想定した2WDモデル「ジムニーL」などがあります。

初代 ジムニー LJ/SJ10/20系(1970年~1981年)

日本の地形や風土にマッチしたコンパクトなボディサイズ、手ごろな価格帯ながら小回りの利く、本格的なオフロード4WD軽自動車として1970年4月に登場しました。

「男の相棒、ジムニー」「自然に挑戦する男のくるま」をキャッチコピーに、豪快で武骨なイメージが特徴となる屋根やドアを持たない、シンプルな幌タイプのモノグレードで発売されました。

当時の軽自動車の規格に適合した耐久性の高い360cc水冷2気筒2サイクルエンジン、低速・高速の2段切替え副変速機構を備えるフルシンクロ4MT、16インチ大径タイヤ、堅牢なラダーフレーム+前後リジットアクスルサスペンション、走行状況に応じて駆動タイプが選択できるパートタイム4WD機構、オプションで用意されるウインチなど、本格的なスペックと走破性能から、高い人気を誇りました。

シンプルなインテリアとハードな外観からも、まさに男性をターゲットとした機能性や堅牢性を重視したオフロードモデルです。

1972年5月には、初めてのマイナーチェンジが行われ、屋根を持つ耐候性に優れるバンタイプの追加、搭載されるエンジンが空冷から水冷へ置き換わることで温水式ヒーターが搭載され、降雪地帯や山岳地帯をはじめ、通年にわたり快適な移動が可能となり、人気に拍車がかかりました。

1976年には軽自動車の規格変更に伴い、より低速からドライバビリティに優れ、パワフルな排気量550ccの水冷3気筒2サイクルエンジンへ置き換わりました。

その後もボディデザイン、ボディ構造は変わらず、居住性の向上や装備を充実させるなどマイナーチェンジを繰り返し、1981年に2代目へ移行しました。

最初期を除き、1972年のマイナーチェンジ以降、ボディスタイルは幌タイプとバンタイプの2タイプです。

1977年には輸出仕様の800cc水冷4気筒4サイクルエンジンを搭載したジムニー8が追加されました。

2代目 ジムニー JA/SJ/系(1981年~1998年)

2代目 ジムニー JA/SJ/系(1981年~1998年)

goo-net編集チーム

2代目ジムニーは、「Tough & Neat」をキャッチコピーに、初代のヘビーデューティーユースを想定した開発コンセプトから、街中からオフロードまで幅広い用途に向けたスタイリッシュなボディデザインを持つ、4WDモデルとして開発され1981年5月に発売されました。

初代からの本格的なオフロード4WD軽自動車として基本コンセプトはそのままに、居住性や快適性、経済性を向上させ家族でドライブを楽しめるモデルとして生まれ変わりました。

ラインナップはオープンタイプの幌モデルと耐候性に優れる快適なバンモデルをベースに、幌タイプはスポーティなキャンバスドアモデル、スタイリッシュなロールバーを備えるハーフメタルドアタイプと、フルメタルドアタイプの3タイプが用意されました。

中低速域から粘りとパワー感のある0.55L水冷3気筒2サイクルエンジン、走行状況に応じて駆動輪を変更できるパートタイム4WD機構、悪路走行でもびくともしない堅牢なラダーフレーム、シンプルな構造ながら優れた耐久性と、走破性を誇るリーフスプリング式リジットアクスルサスペンション、不整地や雪道でも安心感の高い16インチタイヤの採用など機能面での大きな変更はなく、国内外で仕事からレジャーまで幅広い用途で活躍する人気モデルに大きく成長しました。

その後、小型車登録となる1.0L 水冷4気筒エンジンを搭載する「ジムニー1000」、1.3L水冷 4気筒エンジンを搭載する「ジムニー1300」が追加され、1986年には軽自動車モデルに搭載されるエンジンが、0.55L水冷直列3気筒4サイクルインタークーラー付ターボエンジンへ置き換わりました。

インタークーラーを備えるターボエンジンは電子式燃料噴射システム(EPI)により、レスポンス良くオフロードも高速走行も余裕でこなす走行性能と優れた燃費性能を兼ね備えました。

中でも1990年の軽自動車の規格に伴い、排気量を0.66Lへ拡大されたJA11系では、オートマッチトランスミッション、パワーステアリングを採用することで、記録的な売り上げを誇りました。

さらに1995年のJA12/22系ではサスペンションを初代からのリーフスプリング式から、3リンク式リジットアクスル式コイルスプリングへ変更し、悪路の走破性と快適性が大きく進化を遂げました。

その後もマイナーチェンジを繰り返し、17年の長きにわたって続いた2代目は1998年に3代目へ移行します。

ジムニー(JIMMY)バンHC(1990年3月モデル)

ボディタイプ:軽-RV系
乗車定員:4名
駆動方式:パートタイム4WD
ボディサイズ:3295×1395×1680mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:—-×—-×—-mm(室内長×室内幅×室内高)(詳細不明)
エンジンタイプ:F6A型 0.66L 水冷直列3気筒SOHCICターボ
排気量:657cc
最高出力:55ps(40kW)/5500rpm
最大トルク:8.7kg・m(85.3N・m)/3500rpm
10モード/10・15モード燃費:—-km/リットル(詳細不明)
車両重量:850kg
価格:1,153,000円

軽自動車税については、新規取得が2015年4月1日以前か以後かで金額が変わります。
以前の場合は7,200円、以後の場合は10,800円となります。
ご購入予定の車の新規取得の時期を販売店まで確認するようにしましょう。

参考:
ジムニー バン HC(1990年3月) のカタログ情報(5501586)|中古車の情報なら【グーネット】

・主なグレード
「バンHA」「幌CC」「フルメタルドアCC」「バンHC」「パノラミックルーフEC」、「ハードトップXB」「ハードトップXS」「ハードトップXC」「パノラミックルーフYC」など。

・主なオプション
フリーホイールハブ、ハロゲンヘッドランプ、AM/FMラジオ付オートリバースカセットステレオ、傾斜計&高度計、デジタルクロック、減衰力可変ショック・アブソーバ、MOMO製ステアリングホイール、イエローバルブハロゲンヘッドランプ、リヤ・リミテッドスリップ・デフ、ロールバー&ロールバーパッド、アルミホイール、ルーフエンドスポイラー、運転席SRSエアバッグ&4輪ABSなど。

・カラーバリエーション
アビニヨンイエロー、リッチモンドグリーン、ファンタジーブラック、フランソワホワイト、アップルレッド、クリスタルシルバーメタリック、スペリアホワイト、ネプチューンダークブルー、インビエルノブルーメタリックなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

3代目 ジムニー JB23/JB33/JB43系(1998年~)

3代目 ジムニー JB23/JB33/JB43系(1998年~)

goo-net編集チーム

3代目ジムニーは、5ナンバー登録のメタルトップの3ドアハードトップモデルに集約され、搭載されるエンジンも0.66L直列3気筒インタークーラー付ターボエンジンの1モデルとなり、1998年10月に登場しました。

「リアル4×4スポーツ」をキャッチコピーにハードなオフロード走行からアウトドアスポーツまで、幅広い用途に向けたモデルとして3代目に移行した後も安定した高い人気を維持し、2001年には「ジムニー」シリーズ全世界累計販売台数200万台を達成したモデルです。

進化した初代から続く伝統のラダーフレーム、改良された3リンク式リジットアクスル式コイルスプリング、走行中も駆動方式と相応モードが変更できるパート式4WD機構(DRIVE ACTION 4×4)、16インチタイヤなど基本スペックは先代から引き継ぎ、本格的なオフロード走行が可能です。

丸みを帯びた親しみやすいボディデザイン、新しい軽自動車規格に適合した、ゆとりの室内空間による高い安全、取り回し性能の向上をはじめ、パワーウインドウ、電磁式キーレスエントリー、リクライニング機能付リヤシートなどの快適装備、運転席&助手席SRSエアバッグ、4輪ABS、軽量衝撃吸収ボディ(TECT)採用による高い安全性から、デイリーユースでも使いやすい実用性と居住性を兼ね備えたモデルです。

スポーティでダイレクトな走行フィールが特徴の5MTと、手軽にドライブが楽しめる4ATが用意されています。

2001年2月には2WDの派生モデル「ジムニーL」の後継者として、カジュアルな「J2」がジムニーのラインナップに追加されました。

ジムニー(JIMMY)XC(1998年10月モデル)

ボディタイプ:軽-RV系
乗車定員:4名
駆動方式:パートタイム4WD
ボディサイズ:3395×1475×1715mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:1565×1220×1210mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)175/80R16 91Q(後)175/80R16 91Q
エンジンタイプ:K6A型 0.66L 水冷直列3気筒DOHC12バルブICターボ
排気量:658cc
最高出力:64ps(47kW)/6500rpm
最大トルク:10.8kg・m(106N・m)/3500rpm
10モード/10・15モード燃費:14.6km/リットル
車両重量:970kg
価格:1,416,000円

軽自動車税については、新規取得が2015年4月1日以前か以後かで金額が変わります。
以前の場合は7,200円、以後の場合は10,800円となります。
ご購入予定の車の新規取得の時期を販売店まで確認するようにしましょう。

参考:
ジムニー XC(1998年10月) のカタログ情報(5501596)|中古車の情報なら【グーネット】

・主なグレード
「XA」「XL」「XC」「J2」「XG」など

・主なオプション
アルミホイール、スペアタイヤハウジング、アンダーガードセット、ショックアブソーバセット、アルミペダルセット、センターガーニッシュ、シフトレバーガーニッシュ、シフトノブガーニッシュ、ウインドウスイッチガーニッシュ、カーナビゲーションシステムなど。

・カラーバリエーション
ノクターンブルーパール、シルキーシルバーメタリック、スペリアホワイト、キプロスブルーメタリックなど。
(発売時期・グレードにより異なります)

本格的な軽自動車4WD車として1970年に誕生以来、軽量で堅牢なボディとパートタイム4WD機構を活かし、高い走破性能や実用性からクロスカントリーモデルとして、約半世紀の長きにわたり根強いファンを持つジムニーです。

現在では3代目に移行し、オフロード走行の基本性能はそのままに快適装備や安全装備を備え、市街地走行からオフロード走行までマルチパーパスに使用できる身近な4WD駆動車の先駆けとして、エポックメイキングなモデルと言えるでしょう。

今後もユニークで革新的なクロスカントリーモデルとして、ジムニーは進化し続けることでしょう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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