新車試乗レポート
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2010.02.26
スズキ アルト 試乗レポート
スズキ アルト 試乗レポート
試乗
【フルモデルチェンジ】
発表・発売/2009年12月16日
スズキ/0120-402-253
文●竹岡圭 写真●小宮岩男
■スズキ伝統のベーシックモデルが7代目にフルモデルチェンジ
1979年5月、当時でもかなりのビックリ価格だった「47万円」で、「あるときはレジャーに、あるときは通勤に、またあるときは買い物に使える、あると便利なクルマ。それがアルトです」というユニークなキャッチフレーズで登場したアルト。7代目にあたる新型は、女性の足として活躍するというコンセプトに立ち返った1台なんだとか。
■ドライビング/ユーティリティ
初代アルトは税金を安くするため、後席よりも荷室のほうが広い商用車として登場したが、新型のベースはワゴンR。室内広々&荷物も十分のれっきとした乗用車に仕上がっている。
目を見張るのはインテリア。いわゆる軽のヒエラルキーのなかでもベーシックなクルマとは思えないほど、機能性とともに見た目から伝わる上質感がうまく演出されている。毎日使うクルマだからこそ、非常にうれしいポイントだ。
走りのほうもベーシックカーらしからぬ出来映え。メインとなるパワートレインは、NAエンジンとはいえ、パレットから採用された副変速機付きのCVT搭載という豪華仕様。低中速域が得意なスズキのエンジンがさらにパワーアップされた気分で、たとえ高速でも、料金所の出足からなんなく流れに乗っていける力強さには、少々驚かされたくらいだ。
ハンドリングも、切った分だけ素直に反応してくれるタイプ。女性向けだからといって極端なオットリ反応仕様にはしていないところがイイ。乗り心地も街なかの悪い路面でも文句ナシだ。ただし、本当に元気よく走るので、高速域の安定性がもう少しほしい。
その高速域では、一定速度キープ領域に入ると、エンジン音が予想以上に静かなのに驚く。逆にロードノイズなどが気になるくらいなので、これならば、遠乗りも快適にこなせそうだ。「あると便利なクルマ」だけあって、やはりカバー範囲は幅広いのである。
■インテリア/エクステリア写真[1]
丸と直線をうまく使い、キュートさと広さと、それでいてスッキリした雰囲気が演出されたインパネ。質感の高さは必見ポイント!
副変速機付きなので力強さが得られるのと同時に、幅広い部分で燃費のよいエコ運転ができるのも魅力。音も静か。
クッションの当たり具合がソフトに作られたシート。路面の悪い街なかのチョコチョコ乗りなどで大活躍してくれる。
■インテリア/エクステリア写真[2]
後席は5対5の左右分割可倒式なので、荷物の量と乗車人数に合わせてフレキシブルに利用可能。フル乗車でもけっこう広い。
フロアにはフタ付き/オープンタイプと、種類の違うポケッテリアがたっぷり設けられているので、使い勝手はなかなかイイ。
元気ななかにも癒し心を感じさせる、ユニセックスなデザイン。老若男女問わず乗りやすい雰囲気に仕上がっている。
アルト X(CVT) 主要諸元
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1535mm |
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ホイールベース | 2400mm |
トレッド前/後 | 1295/1290mm |
車両重量 | 760kg |
エンジン | 直3 DOHC |
総排気量 | 658cc |
最高出力 | 54ps/6500rpm |
最大トルク | 6.4kg m/3500rpm |
10・15モード燃費 | 24.5km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | トレーリングリンク |
ブレーキ前/後 | ディスク/L&Tドラム |
タイヤ前後 | 145/80R13 |
メーカー希望小売り価格
スズキ アルト | 73万2900~115万7100円 |
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