車種別・最新情報
更新日:2021.08.30 / 掲載日:2021.08.27

今買えるワザアリモデル【2】先進安全&運転支援で選ぶ~ヤリスクロス/キックスほか~

販売中のモデルを対象に、コレ! という特徴のあるモデルをピックアップ。
パワートレーンや先進安全装備からコスパ度外視の一芸入魂モデルまで、バラエティ重視でお届けしよう。
かつて高級車向けだった先進安全装備は、もはや軽自動車でも当たり前。代表的なものを実例を挙げて紹介する。

【最新版トヨタセーフティセンスで選ぶ】TOYOTA ヤリスクロス

●車両本体価格:189万6000~281万5000円 (X Bパッケージを除く)
●発表年月(最新改良):’20年8月(未実施)

最新モデルだけあって上位カテゴリーに負けていない

 ヤリスから発展したSUVである同車の基本的な売りは、マイルド志向ながら悪路対応の走行性能、拡大した後席と荷室。SUVだから当然だが、もうひとつトヨタセーフティセンスのグレードアップも見逃せない。基本的なハードや制御は共通しているが、全車速ACCがヤリスは停止保持機能なしだが、EPBを採用するヤリスクロスは停止保持からの再発進が可能。停止保持機能は高速道路渋滞時の使い勝手の差が大きい。ACCの他にもレーダー併用の前走車追従制御付LKAなどトヨタの上級クラスと大差ない安全&運転支援機能を採用。ロングツーリングを主体とするレジャー用途中心のユーザーには頼もしく便利なシステムだ。

  • コンパクトクラスながら、夜間歩行者認識といった最新のトヨタセーフティセンスを搭載

電子制御パーキングブレーキ(EPB)で“ジッと待つ”

同系のヤリスとの差になるのがEPB。自動で停止保持が可能となるため、赤信号や坂道発進、ACCの使い勝手向上に大いに寄与してくれる。

上級クラスにも負けない!! 主な機能

  • ●レーントレーシングアシスト(LTA)

  • ●レーントレーシングアシスト(LTA)

車線中央の走行を操舵でアシスト。車線が認識できない場合も先行車の走行ラインを追従してくれる。

●レーダークルーズコントロール (全車速追従機能付)

ミリ派レーダーと単眼カメラで先行車を認識し、車間距離を保って走行。停止保持機能も備える。

●緊急時操舵支援機能

回避操舵をきっかけに作動し、車両安定性の確保と車線逸脱の抑制をサポートしてくれる。

●アダプティブハイビームシステム

LEDの点灯/消灯を制御して、先行車や対向車に対して遮光を行う。上級グレードにOP設定。

その他の安全装備

●ブラインドスポットモニター(BSM)+リヤクロストラフィックオートブレーキ

後側方の接近車両を検知。後退出庫時にはブレーキ支援も行う。最下位グレード以外にOP設定。

●S-VSC(横風対応制御付)【トヨタ初】

高速道路での強い横風を検知するとS-VSCが作動。ふらつきや車線逸脱を抑えてくれる。

●トヨタチームメイト「アドバンストパーク(パノラミックビューモニター付)」

  • ステアリング、アクセル、ブレーキを制御して駐車を支援。メモリ機能により区画線がなくても使え、狭い場所からの出庫操作の指示機能も備える。

【プロパイロットで選ぶ】NISSAN キックス

●車両本体価格:275万9900~286万9900円
●発表年月(最新改良):’20年6月(未実施)

  • OPのインテリジェントアラウンドビューモニターは、移動物を検知して警告を発してくれる。

グレード別が基本のプロパイロットを標準装備している

 ニッサンの先進安全&運転支援装備と言えばプロパイロットである。名称は同じでも機能や制御精度は新型車の登場ごとに改善され、初期型と最新型では印象も相当異なる。スカイラインに搭載されるハンズオフ機能付きのプロパイロット2.0を除けば、ノート系に採用されたナビリンク機能付きが最新型。これと比較するとピックアップしたキックスは半世代古い印象も受けるのだが、ノートが上級グレード限定のOP設定になるのに対してキックスは全車に標準装着されている。タイ生産の輸入車という事情も影響しているのだろうが、主たる安全&運転支援装備の設定に差を付けないのは好感。車両価格だけ見て割高感を覚えた人も装備内容を確認すれば納得だ。

  • 疲労低減によって遠出がもっと楽しく

  • 疲労低減によって遠出がもっと楽しく

    プレミアムコンパクト路線のため廉価版グレードがなく、日産車唯一のプロパイロット標準装備車だ。ナビ連動機能はないが、レジャー前提のSUVとしては標準装備化こそ評価したい。

ノートシリーズは高機能版

キックスより後発となるノート/ノート オーラのプロパイロットはナビリンク機能により地図情報による車速制御も可能。ただしプロパイロットはセットOP設定のみで、その価格は40万円以上だ。

  • icon ノート

    ●車両本体価格:218万6800~244万5300円 ※搭載可能車
    ●発表年月(最新改良):’20年11月(’20年12月)

  • icon ノート オーラ

    ●車両本体価格:261万300~295万7900円 ※全車搭載可能
    ●発表年月(最新改良):’21年6月(未実施)

「2.0」はハンズフリーにも対応

  • 3D高精細地図データ(アリアは準天頂衛星システムも)により、高速道路の分岐や出口なども考慮して、目的地まで運転を支援する。

  • 高速道路ではナビで設定した出口まで、追い越し支援や同一車線でのハンズオフ走行が可能。スカイラインはHVのみが搭載。

  • icon スカイライン

    ●車両本体価格:557万5900~644万4900円 ※搭載車
    ●発表年月(最新改良):’19年7月(’20年9月) ※搭載車

  • icon アリア

    ●車両本体価格:660万~790万200円 ※全車搭載
    ●発表年月(最新改良):’21年6月(未実施)

その他の搭載車

上位グレードにするかOP追加で搭載可能

 キックス以外に全車標準となる車種はなく、セレナはグレード限定で標準またはOP、エクストレイル/デイズ/ルークスはグレード限定で標準。このほか、電気自動車のリーフは上位グレードに標準またはOPで選択できる。

  • icon セレナ

    ●車両本体価格:273万6800~380万9300円 ※搭載可能車&搭載車
    ●発表年月(最新改良):’16年8月(’20年8月)

  • icon エクストレイル

    ●車両本体価格:316万1400~382万2500円 ※搭載車
    ●発表年月(最新改良):’17年6月(’20年10月) ※搭載車

  • icon デイズ

    ●車両本体価格:166万6500~191万5100円 ※搭載車
    ●発表年月(最新改良):’19年3月(’20年8月)

  • icon ルークス

    ●車両本体価格:184万3600~213万2900円 ※搭載車
    ●発表年月(最新改良):’20年2月(’20年12月)

ミツビシ車での呼称は「マイパイロット」

icon MITSUBISHI eK/eKスペース

●車両本体価格:140万8000~182万500円/154万2200~199万1000円 ※搭載可能車●発表年月(最新改良):’19年3月(’20年12月)/’20年2月(’20年12月)

  • ●eKワゴン

  • ●eKスペース

  • ●eKクロス

  • ●eKクロス スペース

「プロパイロットエディション」を設定するデイズ/ルークスに対し、eKシリーズは上位グレードへのOPのみとなる。

【ホンダセンシングで選ぶ】HONDA フィット

●車両本体価格:155万7600~259万1600円
●発表年月(最新改良):’20年2月(’21年6月)

グレードで差を付けず、先進安全機能を全車共通で搭載

 コンパクトクラス以下の安全&運転支援装備を質×量で計ればホンダが最上位だろう。何しろ商用車のN-VANでさえMT車以外はホンダセンシング全車標準なのだ。その代表モデルであり価格的にも手頃なのがフィットだ。ホンダセンシングの機能は全車共通。約156万円で最廉価となるベーシックでも渋滞で便利な停止保持機能付全車速型ACC、走行ライン制御LKA、操舵補助機能を備えた衝突回避支援、標識認識、オートハイビーム等々。BSMが設定されていないのはウイークポイントだが、機能的にもクラストップレベルである。基本的な機能や性能に差を付けずに趣味嗜好と使い方でグレード選択するのは現行フィットの特徴。それを後押しする設定である。

広角カメラの採用で検知範囲を拡大

フロントカメラをより広角なものに変更し、これまでより広い範囲の対象物を検知できるようになった。これと車体前後のソナーを組み合わせることで、近距離~遠距離、低速域~高速域をカバーする。

電子制御パーキングブレーキは運転支援にも有効

  • EPBの新採用によって、日常のオートブレーキホールド機能やACC作動時の停止保持機能など、ドライバー支援がより充実したものに。

ACCは停車中から作動、歩行者回避も搭載

  • ●渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)

    先行車との車間距離を保って走行。停止まで追従する全車速型で、停止保持機能も備える。

  • ●歩行者事故低減ステアリング

    他のホンダ車にも採用される機能。歩行者を検知して操舵支援により衝突を回避する。

AT全車に標準搭載 ※NSXを除く

●N-VAN

軽商用車のN-VANにいたるまで、MT車以外ほぼホンダセンシングが標準。なお、シビックはMT車にもACCを搭載している。

車格や価格帯を問わず、新機能を積極的に投入

Nシリーズを例に取ると、軽自動車でありながら、ホンダ初の機能を含め、より良い機能・仕様を上級車に先んじて躊躇なく採用している。

  • icon 2017 N-BOX

    ●後方誤発進抑制機能【ホンダ初】

  • ●後方誤発進抑制機能【ホンダ初】

  • icon 2018 N-VAN

    ●夜間の歩行者被害軽減 ブレーキ

  • ●夜間の歩行者被害軽減 ブレーキ

icon 2019 N-WGN

夜間や歩行者/自転車への対応強化などアップデートを欠かさない。EPBを装備すると同時に渋滞追従機能を追加。

  • ●検知機能の性能向上

  • ●渋滞追従機能追加

【最先端のアイサイトXで選ぶ】SUBARU レヴォーグ

●車両本体価格:348万7000~409万2000円 ※搭載車
●発表年月(最新改良):’20年10月(未実施)

ハンズオフ機能が目立つが、他の実用的機能も見逃せない

 自動運転化技術を示すADASのレベル設定では通常のACCやLKAがレベル2、ドライバーの即時運転復帰対応可能な状況での高速道路自動運転がレベル3。アイサイトXはその中間レベルとなる高機能化レベル2だ。高速道路での渋滞(50km/h以下)時ハンズオフアシスト、料金所やコーナーでの自動減速、自動車線変更等の機能を採用。見た目に分かりやすいのはハンズオフだが、実は他の先進機能がかなり実用的。周辺監視のストレス低減やケアレスミス防止がありがたい。しかも、ベーシックグレードから選択できるのも好感。アイサイトのリーダー的存在でもあり、フォレスターの改良ではハードや機能にレヴォーグで培った知見や技術が導入されている。

より多くの情報を集めてベースのアイサイト自体が進化

  • 準天頂衛星や3D精細地図を利用するアイサイトXを搭載するのはEXグレードのみだが、他のグレードも新型カメラやレーダー、ソナーを駆使して検知能力がアップしている。

基本となる衝突回避がグレードアップ! 「より確実に止まる!」

電動ブレーキブースターを新採用。より強く自動ブレーキを掛けられるようになり、停止可能速度は50km/hから60km/hに向上している。停止距離の短縮によって早めの作動開始が必要なくなり、例えばステアリング操作による回避時に、意図せず自動ブレーキが掛かるような状況になりにくくなっている。

  • 60→0km/h

  • 避ければ非介入

  • ●電動ブレーキブースター

作動するシチュエーションも拡大

新型カメラと前側方レーダーを活用し、交差点での歩行者や自転車、対向車との衝突回避機能が向上。また、障害物回避など緊急時の操舵支援も新搭載している。

  • ●前側方警戒アシスト

  • ●歩行者プリクラッシュブレーキ

アイサイトXならではの高次機能

  • ●渋滞時ハンズオフアシスト/渋滞時発進アシスト

高精細地図に登録された高速道路等では渋滞時ハンズオフ走行が可能。条件は50km/h以下かつ前走車追従中であること。停止後の発進も自動で行われる。

  • ●カーブ前速度制御

  • ●料金所前速度制御

ACC作動中の新機能。高精細地図データに基づき、減速が必要な急カーブや料金所の手前で自動減速。

  • ●アクティブレーンチェンジアシスト

    約70~120km/hで走行中にウインカーを出すと、システムが安全を確認&操舵を支援。

  • ●ドライバー異常時対応システム

    ドライバーが警告に反応しないような場合、周囲に警報を発しながら徐々に減速して停止。

衝突安全性能もトップレベル

  • 「ぶつからない」を追求しながら、衝突時の被害&加害低減も徹底。最新のJNCAPで最高成績を叩き出している。

新型フォレスターのアイサイトも改良版だ

  • 8月にマイナーチェンジしたフォレスターは、新型カメラなどレヴォーグと同世代の最新システムを採用する。

●文:川島茂夫

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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