【グー連載コラム】車両チェックマイスターへの道　（2021年7月）

国産セダンのトップモデルは市場流通台数が豊富に揃っている。エンジンやグレードなど、自分の嗜好や使用感に合うものを選びたい。

［先々代型］中古車中心相場：30万から130万円 新車販売時期：2008年2月から2012年12月
［先代型］中古車中心相場：150万から270万円 新車販売時期：2012年12月から2018年6月

　依然としてセダンの販売は不振が続いているが、クラウンだけは例外で、中古車市場においても根強い人気を維持している。日本を代表する高級車として、ユーザーを満足させる性能や上質感を有しているのが、長く愛されている理由だ。
　現行型は18年に登場した15代目で、スポーティ路線へと大胆なイメージチェンジしたことによって、新たな高級セダンのイメージを確立した。こちらも魅力的な選択だが、中古車で購入するなら、流通台数が多いうえに価格がこなれている13代目と14代目がねらい目といえる。
　また、クラウンの特徴としては、所有していたユーザーの年齢層が高く、メンテナンスや点検が定期的に行われていたケースが多い。さらに扱いが丁寧だったうえに、トヨタ車ならではの信頼性の高さも相まって、経年劣化を除けば、メカニズムや機能に不具合が生じている可能性は低い。
　中古車物件を確認する際は、コンディションはもちろん、グレードや搭載エンジンが多彩なので、それぞれの仕様や性能の違いを踏まえた選択がポイントとなる。ロイヤルとアスリートでは内外装のデザインが異なるし、ガソリン仕様とハイブリッド仕様では走りや燃費に差がある。運転感覚の違いなどを含めて検討すべきだろう。

シートはクッション性や汚れ具合はもちろん、乗り降りするときに擦れやすい座面の右側（助手席は左側）の状態もチェックしよう。

ヘッドライトやテールランプの点灯だけでなく、意外に見落としがちなハイマウントストップランプの状態も確認しておきたい。

トランクリッド開閉時にきしみ音がしたり、操作に違和感がないかどうか確認。イージークローザー付きは稼動状態も要チェックだ。

エンジンの種類は複数ラインアップされているが、燃費はもちろん、車格に対して動力性能が足りているかも選択時のポイントだ。

パワーシートが装備されている車両は、前後スライドやリクライニングだけでなく、ランバーサポートの作動具合もポイントとなる。

後輪駆動なのでリアタイヤが消耗しやすい。また、サスペンションまわりの状態を見て、カスタムされていた形跡の有無を確認すべき。