徹底分析中古車相場
更新日:2021.05.10 / 掲載日:2021.05.10
【グー連載コラム】徹底解明相場分析(2021年5月)
[今月のテーマ]天候に左右されずに走れる安心の4WD搭載車に乗りたい
まもなく梅雨の季節。近年のFFやFRが優秀になったとはいえ、大雨が降る路面を走ることに不安を感じる人は多いはず。そこで、優秀な4WD性能を備えた各サイズのSUVについて考察していく。(掲載されている内容はグー本誌2021年6月号の内容です)
[自動車評論家]渡辺陽一郎&[下流自動車ライター]マリオ高野 解説放談!
渡辺陽一郎
ユーザー側の視点に立ってクルマとその周辺情報を分析し、「ユーザーに損をさせない」ことを主題にジャーナリスト活動を続ける古参の自動車評論家。マリオ高野
下流生活を営む自動車ライター。その割に多くの自動車専門誌やウェブサイトに登場し、強烈なルックスと相反する腰の低さで、活動範囲を広げている。
先代型でも人気のモデルと買い得になったモデル
フォレスターに搭載される水平対向エンジンは低重心設計で、SUVでありながら高いオンロード走行性能を誇る。
マリオ いよいよ梅雨の季節がやってきます。その後は夏休みですが、新型コロナウイルスも心配です。
渡辺 なるべく混雑を避け、リラックスして自然に親しみたいね。
マリオ 梅雨や自然と親しむドライブといえば、安心感を高めてくれる4WD(4輪駆動)を備えたSUVが最適でしょう。
渡辺 たしかに。たとえばキャンプ場に出かけたとき、わずか数mの水たまりでスリップして立ち往生することがあるけど、4WDのSUVであれば、このようなトラブルを防ぎやすいからね。
マリオ まず軽自動車なら、悪路走行も得意なジムニーでしょう。現行型はとても人気が高いです。
渡辺 スズキの新車販売店では「納期は今でも長くて8ヶ月から1年」と聞いたよ。それもあって現行型は中古車価格が際立って高いので、できれば先代型を選びたいところだ。
マリオ 先代ジムニーの中古車相場を見ると、現行型ほどではないですが高値安定型ですね。3年落ちの18年式は130万から170万円、5年落ちの16年式でも120万から160万円です。
渡辺 価格は高めだけど、ジムニーは軽自動車なので、走行距離は全般的に短い。1年間に4000から7000km程度を走った車両が多く、車体の疲労も比較的少ないと思う。
マリオ ただし物件をよく見ると、ドレスアップが施されたり、悪路走破力をさらに高めるチューニングが行われた車両も少なくありません。
渡辺 普通に使うならノーマル状態の物件を推奨したいね。
マリオ ミドルサイズSUVでは先代型フォレスターがいいですね。十分な最低地上高を確保したうえで、床が低く、居住性や乗降性も優れています。
渡辺 水平対向エンジンを搭載しているから、重心も低くて、走行安定性も良好だしね。
マリオ フォレスターの中古車相場を見ると、18年式のノーマルエンジン搭載車が210万から230万円です。16年式は170万から200万円ですね。
渡辺 新車価格の70%以下に収まるし、中古車価格は妥当な水準だよ。
マリオ 最終型のパジェロも取り上げましょう。後輪駆動をベースにしたLサイズの悪路向けSUVです。
渡辺 駆動力を高める副変速機も装着していて、デコボコの激しい路面でも走破できるよ。
マリオ 18年式の価格は270万から330万円、16年式は240万から270万円です。
渡辺 パジェロの人気は、ランドクルーザーやプラドに比べると低いけど、それでも16年式の中古車価格が新車時の75%前後に達しているな。
マリオ 今では貴重な悪路向けのSUVとあって、中古車市場の流通台数の割に需要が多く、中古車価格も高まりましたね。
渡辺 サイズの異なる3車種だけど、ジムニーは軽自動車で悪路向けのSUVとあって先代型も人気が根強い。パジェロも高値安定型だけど、フォレスターは買いやすいね。
マリオ 先代型でも実用性の優れたSUVで、衝突被害軽減ブレーキと運転支援機能のアイサイトも採用されています。機能や装備と価格のバランスを見ると、推奨度の高いモデルといえるのではないでしょうか。
【エントリーNo.1】スズキ ジムニー(現行型)
どんなクルマ?
軽自動車ながら本格的な4WD性能を備えたオフロードSUV。先代型である3代目モデルは、1998年の新たな軽自動車規格に沿って開発され、以後約20年にわたって販売された。
●中古車中心相場 90万円から330万円 ●販売年月 1998年10月から2018年7月
バイヤーズガイド
約20年間販売されていたため流通台数はそれなりに多い。2018年に新型が販売されたことで相場は一時的に下がったものの、新型の納期が長期化していることも影響し、先代型ながら相場は横ばい傾向にある。
【エントリーNo.2】スバル フォレスター(先代型)
どんなクルマ?
スバル独自の水平対向エンジンとシンメトリカルAWD(4WD)を搭載したクロスオーバーSUVで、先代型は4代目モデルとなる。ターボエンジンで280馬力を達成した。
●中古車中心相場 140万円から480万円 ●販売年月 2012年11月から2018年6月
バイヤーズガイド
海外でも人気のスバル製SUVということで、相場は現在、多少の上下動はありつつも横ばい傾向。前期型でも100万円を切る物件は多くなくて、中心は150万円前後、後期型なら200万円前後で探せるだろう。
【エントリーNo.3】三菱 パジェロ(最終型)
どんなクルマ?
日本のクロスカントリー車の歴史を築いてきたフルサイズSUV。法規対応等の理由で惜しまれつつも2019年に新車販売を終了した最終型は4代目で、3列シートの設定もあり。
●中古車中心相場 80万円から230万円 ●販売年月 2006年10月から2019年8月
バイヤーズガイド
流通物件数は徐々に減り始めている。走行距離が多めの初期型であれば100万円を切っているものの、(2014年式以降の)最後の5年間の物件については流通台数も少なく、相場も200万円以上を維持している。
ちなみに……
ワシが買うならフォレスター!(マリオ)
乗用車ベースでありながら本格的なクロカンSUVに匹敵するレベルの4WD性能を備えていますし、デザインも現行型とあまり変わりません。なにより先代型にはターボやMTの設定もあります!
ワタシのオススメはフォレスター!(渡辺)
先代型といっても、後期モデルなら年式もそれほど古くない。スバルが長年磨き続けてきた4WDシステムの性能は折り紙付きだし、運転支援機能など装備も充実していて非常に買い得感が高い。