NISSAN キックスを選ぶべき理由 -電動 Unlimited-

電気モーターで走る「e-POWER」専用車として激戦のコンパクトSUVカテゴリーにインパクトを与えた日産・キックス。安価なガソリンエンジン搭載グレードを持たないにもかかわらず、好調なセールスを記録している。カーライフジャーナリスト・まるも亜希子が実感した、その人気の理由とは。

後席は6:4分割可倒式。荷室は高さも十分、スクエアな開口部で積み降ろしも楽ちん。

パワートレーンはe-POWERのみ。先代ノートから静粛性とパワフルさがさらに向上。

　ダーククロームやメタル調フィニッシュを利かせたエクステリアのほか、シグネチャーLED、ドアミラー、17インチアルミホイール、青×黒のインテリアなど専用装備を満載する。

日常のこまごまとした用事をスマートにこなしながら、休日になれば思いっきりアクティブな気持ちに応えてくれる相棒といえば、やっぱりコンパクトSUVだ。市街地でも取り回しが良く、少しくらいの荒地や雪道も安心して走れる頼もしさが、「次の休みはどこへ行こう」と考えられる豊かさをくれる。中でもキックスは、コンパクトなエンジンを発電専用に搭載し、貯めた電気を使った100%モータードライブの「e‐POWER」を採用した唯一のコンパクトSUV。その魅力を再確認したくて、ドライブに出かけてみた。

まずは、乗る前からワクワクさせてくれる、洗練されたスタイル。日産のデザインランゲージであるVモーショングリルは上質なブラックライナー＋メッキラインのダブルタイプ、加えてキリリとしたLEDヘッドライトが精悍で都会的な顔立ちを創る。一方、最低地上高が170mm確保され、大径タイヤを履く足もとはワイルドな頼もしさも感じさせる。

室内は先進的でシンプル。座り心地の良さと疲れにくさを追求したゼログラビティシートが、心地よく身体を支えてくれる。四隅まで大きなフロントガラスからはボンネットも確認でき、それほど車高の高さを感じないのに、遠くまで見通せる視界にリラックス。シートポジション調整もしっかりできるので、これなら小柄な女性でも運転しやすいはずだ。

スタートボタンを押すと、静かに出発の準備が整う。アクセルペダルに少し力を込めると、瞬時になめらかで余裕たっぷりの加速に気分もアップ。スルスルと伸びやかに走っていく、この気持ちよさはさすがモータードライブ。SUVでも安定感がしっかりありながら、ハンドリングはキビキビとして爽快そのものだ。

高速道路に入り、ドライブモードのスイッチを押すと「Sモード」に切り替わる。ノーマルよりも減速力が強くなり、アクセルペダルだけで加速・減速・停止まで操作可能な「e‐POWERドライブ」が楽しめて、さらに軽やかに、パワフルに。燃費と走りの楽しさを両立してくれるから、もっともっと遠くへ行きたくなってくる。

そしてもう一度スイッチを押せば、今度は「ECOモード」になる。減速力は同等で、加速レスポンスが控えめに。Sモードよりもっと燃費重視で走りたい時のモードで、最初はアクセルを踏んだ感覚が鈍く感じるが、慣れてくれば普通に快適。これは市街地やノロノロ渋滞にもちょうどいい。

バッテリーが減ってきたら、チャージモードにすれば優先的に発電してくれる。深夜や早朝など、周囲に音を響かせたくない時には、マナーモードにすればエンジンを回さずに静かに走ることもできる。そしてロングドライブに頼もしいプロパイロットをはじめ、SOSコールなど先進の運転支援技術も充実。こうした賢さと優しさが溢れるキックスで、私たちの毎日はもっと自由になる。