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更新日:2021.03.18 / 掲載日:2021.03.17

【試乗レポート アウディ 改良新型A5スポーツバック】ディーゼルエンジンの追加で魅力アップ

アウディ 改良新型A5スポーツバック

アウディ 改良新型A5スポーツバック

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 今年1月にアウディジャパンから発表された新型A5スポーツバックに試乗してきた。アウディのスポーツバックシリーズは、スタイリッシュで人気が高いだけに興味津々である。オーセンティックなスリーボックスセダンよりも彼ららしい4ドアの姿だと思っている。

グレード体系が整理され、スポーティな「Sライン」とエレガントな「アドバンスド」となった

改良新型A5スポーツバック。写真は「アドバンスド」

改良新型A5スポーツバック。写真は「アドバンスド」

 新型を語る上で外せないのが新たなグレード構成。今回から「Sライン」、「アドバンスド」という2つのグレード名となった。同様なタイミングで他モデルも変更され、今後これらがデフォルトになると思われる。

 両グレードの違いはフロントまわりで見分けることができる。グリルはともにハニカム構造ではあるが、「Sライン」はメッシュが荒く、かなりスポーティ。フロントバンパー下端の加飾パネルも特徴的だ。濃い色のボディカラーを選べばかなり“攻め”の印象を持つであろう。それに対し「アドバンスド」は、どちらかというと、精悍ではありつつエレガントさも加味される。こちらは明るいボディカラーと合わせればドレッシーなテイストが際立つ気がする。それぞれ異なるデザインのホイールが装着されるので、それとのマッチングも合わせて選ぶのがいいだろう。

 もちろん、こうしたデザインに繋がるボディは、相変わらずスタイリッシュでカッコイイ。リアエンドまでの流れるようなルーフラインがアーバンテイストを醸し出す。個人的に好きなのはボンネットの膨らみで、かつて海外試乗会でデザイナーはそれを「パワードーム」と呼んでいた。確かに、強靭なパワーソースを想像するような膨らみだ。

改良新型A5スポーツバック リアスタイル

改良新型A5スポーツバック リアスタイル

  • 改良新型A5スポーツバック フロント

    改良新型A5スポーツバック フロント

  • 改良新型A5スポーツバック サイド

    改良新型A5スポーツバック サイド

  • 改良新型A5スポーツバック リア

    改良新型A5スポーツバック リア

インフォテインメントは最新の「MIB3」に進化。音声入力にも対応

改良新型A5スポーツバック インテリア

改良新型A5スポーツバック インテリア

 今回はインテリアにもしっかり手が入っている。というか、そこはインターフェイスの進化で、最新のインフォテインメントシステム「MIB3」が搭載されることとなった。まさに日進月歩の世界である。タッチスクリーンタイプの大型センターモニターは、試乗した範囲では使い勝手が良さそうだ。

  • 改良新型A5スポーツバック フロントシート

    改良新型A5スポーツバック フロントシート

  • 改良新型A5スポーツバック リアシート

    改良新型A5スポーツバック リアシート

  • 改良新型A5スポーツバック ラゲッジルーム

    改良新型A5スポーツバック ラゲッジルーム

  • 補機用バッテリーはトランク床下に搭載される

    補機用バッテリーはトランク床下に搭載される

A5シリーズ初のクリーンディーゼルエンジンを用意

改良新型A5スポーツバック パワートレイン

改良新型A5スポーツバック パワートレイン

 ではエンジンに話を進めよう。試乗した2リッター直4直噴ディーゼルターボは、A5シリーズ初のクリーンディーゼルユニットとなる。しかもそれを単に載せるのではなく、12Vのマイルドハイブリッドと組み合わせている。そして駆動方式の違いで最高出力を調整。FWDを「35 TDI」とし、クワトロ(4WD)を「40 TDI クワトロ」とした。最高出力は163馬力と190馬力だ。

 一方でガソリンエンジンに関しては、2リッター直4直噴ターボを採用する「45 TFSI クワトロ」を用意。こちらも12Vマイルドハイブリッド。駆動方式はクワトロのみの設定となる。こちらの最高出力は249馬力。

走行性能は文句なしだが、車外で聞くエンジン音に若干の不満

ワインディングの走りでは、ハンドリングバランスのよさとディーゼルの力強さを実感

ワインディングの走りでは、ハンドリングバランスのよさとディーゼルの力強さを実感

 試乗した「A5スポーツバック 40 TDI クワトロ アドバンスド」は、スタートから力強かった。ディーゼルエンジンのトルクが瞬時に発生してグングン加速していく。A5とディーゼルユニットの相性は悪くないようだ。乗り込む前はこのスタイリッシュなフォルムはガソリンエンジンとのマッチングがベストだと思い込んでいたが、そうとも限らない。

 ただ、エンジンを掛けた状態で外に出ると、ガラガラというディーゼル音が気になる。SUVなら問題ないが、アーバンテイストのA5には少々不釣り合いだ。見た感じ遮音材をケチっているわけでもなさそうだから、構造的に対応した方がいいだろう。とはいえ、ヨーロッパでディーゼルエンジンが排他されている現状、ここからの進化はあまり期待できないかもしれない。

 そんなネガティブ要素もあるが、走り出せばまったく関係なくなってしまうのがさすがアウディ。箱根ターンパイクの高速下りコーナーもキレイにまわり込んでいく。アクセルオンオフで鼻先の向きを変えるところが気持ちいい。きっとバランスのいいクルマなんだろう、と後からいろいろチェックしていると、トランクの床下センターに補機用の鉛バッテリーが置いてあった。前後の重量配分を鑑みての設置だろう。この辺の細かな対策が功を奏しているに違いない。レースから培ったノウハウの一部がここにある。

歩行者検知機能付きアウディプレセンスシティや渋滞追従支援機能付きアダプティブクルーズコントロールを標準装備

試乗車のボディカラーは新色のディストリクトグリーンメタリック

試乗車のボディカラーは新色のディストリクトグリーンメタリック

 この他では、歩行者検知機能付きアウディプレセンスシティや渋滞追従支援機能付きアダプティブクルーズコントロールが標準装備されるのがニュース。今後これらの装備がどんどん標準化されることを期待したい。

 それと今回ボディカラーに新色として加わったディストリクトグリーンメタリックも嬉しい材料。撮影車がそうであったが、このカラーリングだけでこのクルマが10倍欲しくなった。

A5スポーツバック 40 TDI クワトロ アドバンスド

■全長×全幅×全高:4755×1845×1390mm
■ホイールベース:2825mm
■トレッド前/後:1585/1570mm
■車両重量:1680kg
■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ+モーター
■総排気量:1968cc
■最高出力:190ps/3800-4200rpm
■最大トルク:40.8kgm/1750-3000rpm
■サスペンション前後:ウィッシュボーン
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前・後:245/40R18

アウディ A5スポーツバックのカタログ情報はこちら

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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