新車試乗レポート
更新日:2021.02.25 / 掲載日:2021.02.24

MAZDA 新型CX-5 進化した走りの魅力

 5車種をラインナップするマツダのSUVシリーズだが、その中でも主役と言えるのが中堅車種となるこのCX-5だ。デビュー以来、数度の改良が行われ、これまでに熟成を重ねてきているが、このほどディーゼル車を中心にした走行性能向上とインフォテイメント関連のアップデートを実施。その見どころを早速チェックしてみた!

マツダらしい真面目なブラッシュアップだ

■CX-5 XD ブラックトーンエディション(6AT・4WD) ●車両本体価格:359万1500円 ●ボディカラー:マシーングレープレミアムメタリック(有料色5万5000円高)

 プラットフォーム、パワートレーンなどの基幹部にマツダの新世代設計概念のスカイアクティブを採用したフルスカイ車第一弾として誕生したのが初代CX‐5。現行モデルは2016年末に発表され、2018年にはパワートレーンやマツダコネクトを中心にしたMCが施された。さらに翌年には4WDの悪路対応力向上も図った。定期MCを待たずに同系ハードを用いる他モデルに適応するのはマツダの真面目さであり、最先進とは言わないまでも旧態化は防げる。
 今回のCX‐5のMCではディーゼルの動力性能、センターディスプレイのワイド化、車載ITの拡充などの改良が加えられた。
 装備面の改良点となるセンターディスプレイはインテリアのプレミアム感向上の効果が大きいものの、縦寸の短さが気になった。とくにナビをフロントアップにした表示では前方表示範囲が少々狭い。最近流行りの縦型大画面に対して実用面のメリットはなさそうだ。
 ATの変速制御も変更され、従来車よりも早い時期にダウンシフトを行う。トルク増なら巡航ギヤ維持力を強化しそうだが、ダウンシフト後の加速のノリに振り向けている訳だ。といっても、無駄に高回転まで回す感はなく、滑らかなアクセル操作では相変わらず2000回転以下で巡航や緩加速を行う。早めの変速はダウンシフトの加速の繋がりと伸びやかさを高め、加速性そのものよりドライブフィールの改善の感が強い。
 なお、アクセルペダル反力の強化も施されているが、どちらかというと不用意な深踏み予防策の印象が強い。パワートレーン制御のエコモードの役割をペダル反力強化で代替した感じである。
 その他の走りの印象は従来車と大きく変わらない。路面当たりが少々厳しいが、硬さの中にしなやかさを含ませたフットワークなど、SUVを意識させない走りは同車の大きな見所である。
 全体を俯瞰してみても小改良の印象が強い。実用性や適応用途の変化はもちろん、走行性能についても多少のブラッシュアップ程度だが、MC前車のユーザーが落胆することなく、MC後購入で満足度が少しアップが妙味。小さなステップアップにも気を配るマツダらしい真面目な改良である。

マツダSUVシリーズの中核を担うCX-5

●CX-5

■CX-5シリーズ概要
●発表(最新改良):2016年12月15日(2020年12月3日)
●価格帯:267万8500~414万1500円(特別仕様車含む)
●問い合わせ先:0120-386919(マツダコールセンター)

 マツダSUVのメイン車種であり、カテゴリーではRAV4やフォレスターなどが属するファミリー&レジャー用途向けSUVの主力クラスに分類される。MCで4WD制御を変更して悪路対応力を強化しているが、走行性能面のアドバンテージの多くはツーリングを主としたオンロード性能。ライバル車と比してキャビンもアウトドア趣味での使い勝手よりもプレミアム感を重視した設計だ。

  • ●CX-3 価格帯:189万2000~341万5800円(特別仕様車含む)

  • ●CX-30 価格帯:239万2500~406万9980円(特別仕様車含む)

  • ●MX-30 価格帯:242万~339万3500円(特別仕様車含む)

  • ●CX-8 価格帯:299万4200~510万9500円(特別仕様車含む)

CX-5 ブラックトーンエディション【特別仕様車】

■CX-5 XD ブラックトーンエディション(6AT・4WD)
●車両本体価格:359万1500円
●ボディカラー:マシーングレープレミアムメタリック
(有料色5万5000円高)
【主要諸元  CX-5 XD ブラックトーンエディション(6AT・4WD)】
●全長×全幅×全高(mm):4545×1840×1690 ●ホイールベース(mm):2700 ●車両重量(kg):1690 ●パワートレーン:2188cc直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ(200PS/45.9kg・m) ●トランスミッション:6AT ●最小回転半径(m):5.5 ●燃料タンク(L):58<軽油> ●燃料消費率(WLTCモード:km/L):16.6 ●タイヤサイズ:225/55R19

各所に施された差し色のレッドステッチがブラックトーンエディションの特徴。シンプルかつ上質なインテリアは従来モデルと同様だ。

最高出力が190PS/4500rpmから200PS/4000rpmに向上した2.2Lディーゼルターボ。アクセルペダルの反力を強化することで微妙なコントロール性も高めた。

グランリュクスと合成皮革を組み合わせた上質なシート。ステアリングやドアトリムなどに施されたレッドステッチがお洒落。

  • センターディスプレイが大型化された。ブラックトーンエディションの標準は8.8インチ。写真はメーカーOPの10.25インチ仕様。

  • ラゲッジユーティリティは従来モデル同様。後席は4:2:4分割格納式で、長尺ものを積み込むときにも便利だ。

CX-5 XD スマートエディション【特別仕様車】

●車両本体価格:302万5000円  ●ボディカラー:ポリメタルグレーメタリック

先進安全装備を強化! コスパに優れた特別仕様

ベーシックグレードの安全&運転支援装備をプロアクティブ相当にグレードアップした買い得な特別仕様。17インチホイールが少々貧弱に見えるが路面当たりが穏やかで、操安と乗り心地のバランスがいい。実質本位でCX-5を狙うユーザーにはオススメ。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

提供元:月刊自家用車

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ