徹底分析中古車相場
更新日:2021.02.10 / 掲載日:2021.02.10
【メルセデス・ベンツ Vクラス】300万円台前半から探せるメルセデスの高級ミニバン
トヨタ アルファード/ヴェルファイアや日産 エルグランドのオーナーが、ワンランク上のモデルに乗り換えたいなら、輸入車を検討することが多いのではないだろうか。とはいえ、輸入車には大型ミニバンのラインアップが少なく、選択肢はほとんどない。しかし、メルセデス・ベンツ Vクラスなら、国産高級ミニバンからの乗り換えでも満足度は高い。その理由は、なんと言ってもボディサイズだ。標準仕様はアルファードやエルグランドに近い全長を持つが、Vクラスには「ロング」、「エクストラロング」といった拡大バージョンが存在する。さらに2020年には、ポップアップルーフやフルフラット機能付きベンチシートなどを備えた「マルコ・ポーロ・ホライゾン」なども登場。これは車中泊にもぴったりのモデルで、新たなカーライフを提供してくれる。今回は、登場から5年以上が経過した現行型Vクラスの、年式別およびグレード別中古車平均価格をチェックしてみよう。
メルセデス・ベンツVクラスってどんなクルマ?
1998年、商用バンをベースとした乗用ミニバンとして誕生したのが初代Vクラス。エンジン横置きのフロントドライブ式(FF)を採用し、質実剛健なスタイルのボディと走りが売りだった。ボディサイズは全長4670mm、全幅1890mm、全高1850mmで、全席セパレートタイプのキャプテンシートが与えられるなど、快適性も重視されていた。2003年10月にはフルモデルチェンジを受け、車名を「ビアノ」に変更。駆動方式は、初代のFFからFRになったこともトピックだ。しかし2006年11月には、車名は再び「Vクラス」に戻る。2011年1月、2代目Vクラスはマイナーチェンジを受け、フロントまわりのデザインが大幅にリニューアルされた。
そして2015年10月、今回のテーマとなる3代目Vクラスが登場した。全体的なフォルムは先代を踏襲するものの、曲線を多用することで動的なデザインとなったのが見どころ。先代以前の日本仕様はすべてガソリンエンジンだったのに対し、新型は当初2.2L 直4ディーゼルターボ(V 220 d)を搭載。これに7速ATを組み合わせ、トルクフルでゆとりのある走りを実現している。なお、後に2.0L 直4ガソリンターボを搭載した限定車(V 260)も登場した。ボディタイプは、全長の違いで3タイプを設定。デビュー時の全長は、標準仕様が4905mm、「ロング」が5150mm、「エクストラロング」が5380mmとなる。用途に合わせたクルマ選びができるのも、Vクラスの魅力である。
メルセデス・ベンツ Vクラスの年式別中古車平均価格は?
まずは改良遍歴を振り返ってみたい。2015年10月の発表当時、「V 220 d トレンド」、「V 220 d」、「V 220 d アバンギャルド ロング」、「V 220 d アバンギャルド エクストラロング」という4グレード、3タイプのボディで展開された。全車2.2L 直4ディーゼルターボ+7速ATを搭載し、最高出力は163馬力、最大トルクは38.7kgmを発揮する。なお、安全装備のレーダーセーフティパッケージは最上級モデル「V 220 d アバンギャルド エクストラロング」に標準装備、それ以外にパッケージオプションで装着可能。新車時価格帯は535万円~730万円だった。
2016年6月、一部改良を受けた。スポーティな内外装のAMGラインを採用した新グレード「V 220 d スポーツロング」を追加すると同時に、全車で尿素水溶液(アドブルー)のタンクが大型化され、走行距離2万kmまで補充しなくても走行可能となった。2017年7月、標準ボディにAMGラインを採用した「V 220 d スポーツ」も登場。2018年2月、ポップアップルーフやフルフラット機能付きのベンチシートエディションなどを備えた「V 220 d マルコ・ポーロ・エディション」が発表された。同年11月には、現行型初のガソリンモデル「V 260 ロング」も追加されるなど、バリエーションを拡充。
2019年10月にはマイナーチェンジを受け、フロントまわりのデザインを一新。また、2列目に高級感のあるエクスクルーシブシートを備えたパッケージオプションを設定するなど、室内の快適性も高められた。そのほか、対向車を検知してヘッドライトを自動で調整する「アダプティブハイビームアシスト・プラス」も標準装備。2020年7月には、対話型インフォテイメントシステム「MBUX」と「レーダーセーフティパッケージ」も標準化され、さらに商品力をアップした。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2015年式 | 381万円 |
2016年式 | 449万円 |
2017年式 | 471万円 |
2018年式 | 543万円 |
2019年式 | 585万円 |
2020年式 | 860万円 |
ボリュームゾーンは2016年式
年式別の物件は、どの年式もそれなりに充実している。特に多いのが2016年式で、次にマイナーチェンジを受けた2019年式となっている。価格を重視するなら2016年式がターゲット。この年式の多くが300万円台と、新車価格と比べて大幅に安い物件が揃う。2016年6月にアドブルーのタンク容量が拡大されたので、可能ならば一部改良後のモデルをねらいたいところ。一方、後期型は500万円台後半の物件が中心だが、安全装備などがより充実している。なお、MBUXが導入されたのは2020年7月だが、こちらは中古車が少ない状況。
メルセデス・ベンツ Vクラスのグレード別中古車価格相場は?
グレード構成は、エンジン別に分けるとディーゼルの「V 220 d」、ガソリンの「V 260」が存在する。ボディタイプ別では、標準仕様、「ロング」、「エクストラロング」の3段階が用意される。また、特別仕様車として導入された「マルコ・ポーロ・エディション」は、前述のとおり、ポップアップルーフを装備したスペシャルモデル。ここでは、物件数が多いグレードの平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
V 220 d | 430万円 |
V 220 d スポーツ ロング | 536万円 |
V 220 d アバンギャルド ロング | 479万円 |
V 220 d アバンギャルド エクストラロング | 507万円 |
ロングボディの物件が充実する
エンジン別にみると、物件の大半がディーゼルモデルとなっており、ガソリン車はほとんど流通していない。ボディタイプで見ると、「ロング」が最も多く、次に標準仕様、そして「エクストラロング」は少ない。全長はおよそ4.9m~5.4mと、ボディによってかなり大きさが異なるため、駐車場や付近の交通環境などを考慮したクルマ選びが必要である。なお、「マルコ・ポーロ・エディション」は中古車物件がほとんど流通していない。
メルセデス・ベンツ Vクラスの中古車価格相場のまとめ
新車価格で500万円以上のプレミアムミニバンが、300万円台から探せるのは魅力的。ちなみに現行型トヨタ アルファードの中古車平均価格は403万円と、低年式Vクラスとほぼ同程度。いかにVクラスがリーズナブルになっているかが分かるはず。低予算なら2016年式がターゲットで、グレードは用途に合わせて選びたい。