車種別・最新情報
更新日:2020.11.24 / 掲載日:2020.11.24

【日産 ノート】全車第2世代「e-POWER」を搭載してフルモデルチェンジ!

新型ノート

新型ノート

文と写真●ユニット・コンパス

 新しいプラットフォーム、新しいデザイン、新しい「e-POWER」、新しい「プロパイロット」。11月24日にフルモデルチェンジが発表された日産の新型ノートは、まさにオールニュー。国内向けモデルとしては最量販車種であり、事業構造改革「Nissan NEXT」においても重要モデルとして位置づけされているノートがどのような進化を遂げたのか。まずはその概要を紹介する。なお、発売開始は2020年12月23日の予定で、価格は205万4800円から218万6800円。

事業構造改革「Nissan NEXT」に基づいたニューモデルの第1弾

新型ノートを発表した日産自動車最高執行責任者のアシュワニ・グプタ氏と執行役副社長の星野朝子氏(写真:日産)

新型ノートを発表した日産自動車最高執行責任者のアシュワニ・グプタ氏と執行役副社長の星野朝子氏(写真:日産)

 新型ノートの解説に入る前に、まず日産ブランド全体の方向性について簡単に説明しよう。経営陣にまつわる一連のスキャンダルや販売モデルの高寿命化などといった問題を抱えていた日産は、2020年5月に会社再建にむけたロードマップである事業構造改革「Nissan NEXT」を発表した。そのポイントは、「電動化比率を60%まで向上」、「新型投入によるモデル寿命の若返り」、そして「日本市場の再強化」というもの。具体的には、2023年度末までにEVを2車種、e-POWERを4車種投入すること、さらに新技術をホームマーケットである日本向けモデルから導入していくと発表した。さらに、ブランドのロゴマークも刷新。まさに、会社全体が生まれ変わろうとしている。新型ノートは、その口火を切る存在であり、新しいロゴをまとった初のモデルというわけだ。

 新型ノートのコンセプトは、「コンパクトカーの常識を変える運転の快適さと楽しさが詰まった、先進コンパクト」というもの。

 ノートは、使い勝手に優れるコンパクトカーとして2004年に初代モデルが登場。2代目(2012年)は、走り、安全性、広さを強化。電動パワートレイン「e-POWER」を追加したことによってブレイクし、日産としては50年ぶりの登録車販売台数No.1を獲得したことも話題になった。8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型では、セリングポイントである「e-POWER」や先進運転支援技術も進化している。

 ボディ寸法は全長4045mm、全幅1695mm、全高1520mm、ホイールベース2580mm。先代モデルに比べて全幅が変わらないまま、全長が55mm短くなっているのが特徴的で、これは次世代上級小型車向けプラットフォームの採用によるもの。これにより、ボディ剛性は30%アップ、ステアリング剛性90%アップ、サスペンション剛性10%アップ。さらに遮音構造を最適化されている。

アリアとの関連性を持たせたデザイン

新型ノート エクステリア

新型ノート エクステリア

 デザインは、EVであるアリアとの関連性をもたせた造形で、電動車としての先進性を強調したもの。進化した「Vモーション」グリル、薄型のランプデザイン、「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」と呼ばれる日本のDNAを感じさせる面構成やディテールなど、まさしくアリアのコンパクトカー版といった仕上がりになっている。標準ホイールは、16インチ、15インチともにホイールカバーだが、いずれもアルミホイールのフェイクではなく、カバーであることを積極的にデザイン性に活かしたもの。13種類のバリエーションが用意されたボディカラーとともに、実用車であっても所有欲を満たせるように工夫がなされている。とくにテーマカラーの「ビビットブルー・スーパーブラック」は、ボディの面構成がきれいに表現される色で、新型ノートのデザインを印象的に見せる魅力的なコンビネーションだ。

新型ノート エクステリア

新型ノート エクステリア

  • 新型ノート エクステリア

    新型ノート エクステリア

  • 新型ノート エクステリア

    新型ノート エクステリア

  • 新型ノート エクステリア

    新型ノート エクステリア

先進性をアピールするインテリア。日産初の運転支援技術も採用

新型ノート インテリア

新型ノート インテリア

 インテリアも、インフォテインメント用とメーターを一体化した「モノリス」と呼ばれる統合型ディスプレイや電子制御式となったシフトデバイスで先進感をアピール。操作系を整理した結果アームレストも大型化された。「モノリス」ディスプレイは見た目だけでなく機能的にも連携していて、ナビ画面では大きく周辺地図を表示する一方で、ドライバーも目前にあるメーターディスプレイに目前の交差点情報を表示する。

 全長とホイールベースが短くなったことで気になる居住性については、従来モデルよりも後席スペース(ヘッドルーム、ニールーム)が縮小。しかしそれでも日産によれば依然としてクラストップで、さらに後席リクライニングはノートのみ(グレード別設定)と胸を張る。実車を見た印象としては、フロントシートはクッション性もよくサイドサポートも充実していて、表皮デザインも洗練されている。また、目には見えない作り込みについても力が入っていて、ドアの開閉音や各種スイッチ類の操作感、そして警告音に代表される情報表示音も新たに開発された。この辺りは、ショールームでも試すことができるので、ぜひ実際に体験してもらいたいところだ。

 運転支援装備については、レーダーを3つ、カメラを5つ、ソナーを8つ搭載することで、「360°セーフティ」を実現。「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」、「BSW(後側方車両検知警報)」、「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」を日産のコンパクトクラスとして初採用して安全性を高めた。

 注目は、高速道路での運転をサポートする「プロパイロット」に「ナビリンク」機能が加わったこと。これは、ナビの地図情報をもとに、制限速度が変わる場合には設定車速を自動で変更するほか、カーブの大きさに応じて自動的に減速、さらに高速道路上では停止後約30秒まで追従走行を継続するというもの。これら機能を組み合わせることで、従来よりも長い距離、多くのシチュエーションでプロパイロットが作動を続け、運転をサポートしてくれるようになった。

  • 新型ノート フロントシート

    新型ノート フロントシート

  • 新型ノート リヤシート

    新型ノート リヤシート

  • 新型ノート ラゲッジ

    新型ノート ラゲッジ

  • 新型ノート ラゲッジ

    新型ノート ラゲッジ

  • 新型ノート ラゲッジ

    新型ノート ラゲッジ

全車に第2世代「e-POWER」を搭載

全方位的に進化した第2世代「e-POWER」を搭載

全方位的に進化した第2世代「e-POWER」を搭載

 走りの性能については、基本骨格の進化に加えて、第2世代となった「e-POWER」に注目したい。「e-POWER」は、エンジンで発電した電力を使ってモーター駆動を行う仕組みで、ガソリン車に比べて加速が力強く、なめらかで静粛性が高いのがメリット。第1世代は、従来からあった機構を改良して使った関係で、エンジンの存在を感じるシチュエーションが多く、課題となっていた。そこで第2世代では、エンジンやプラットフォームを「e-POWER」を前提に開発することで、力強さ、なめらかさ、静かさをそれぞれ大きくレベルアップ。発進や追い越し加速の力強さに直結する最大トルクを25.9kgmから28.6kgmへと10%アップ。さらに運転のしやすさにもこだわり、クリープ走行ができるようになり、ラフなアクセル操作でもなめらかに減速するようなセッティングにしている。また、4WDモデル(発表は2020年12月を予定)も進化しており、全車速域で四輪を駆動。前輪に加えて後輪でも回生制御を行うように改良。その結果、すべりやすい路面での加速や減速、コーナリングで力強く安定した走行を実現している。

コンパクトカー市場に強力なニューモデルが投入された

3代目ノートは日産の今後を占う上でも重要なモデルとなる

3代目ノートは日産の今後を占う上でも重要なモデルとなる

 これまで厳しい逆風にさらされてきた日産だが、メカニズムのすべてを刷新し「e-POWER」に全力投球した新型ノートは、まさに風向きを変えるだけの期待が持てる力の入ったニューモデルだ。2020年は魅力的なコンパクトカーが数多く登場しているが、年末にノートという大物が登場し、ますます市場が活性化することは間違いない。

日産 ノート X(電気式CVT)

■全長×全幅×全高:4045×1695×1520mm
■ホイールベース:2580mm
■トレッド前/後:1490/1490mm
■車両重量:1220kg
■エンジン:直3DOHC+モーター
■総排気量:1198cc
■モーター最高出力:116ps/2900-10341rpm
■モーター最大トルク:28.6kgm/0-2900rpm
■サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
■ブレーキ前後:Vディスク/リーディングトレーリング
■タイヤ前・後:185/60R16

日産のカタログ情報はこちら

日産ノートの販売店情報はこちら

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ