新車試乗レポート[2020.11.19 UP]

【試乗レポート マツダ CX-30】ロングドライブで見えた本当の魅力

マツダ CX-30 マツダ CX-30

文と写真●ユニット・コンパス

 走り慣れた道も、その魅力を増す。
それがマツダが満を持して投入した新たなクロスオーバーモデルを駆って、日本アルプスの山々を仰ぎながら高原をクルージングしたときの素直な感想だ。

 発表以来大きな注目を集める「CX-30」だが、今回はディーゼル(6速AT)とスカイアクティブX(6速MT)の2台を往路/復路でロングドライブする機会に恵まれたが、どちらも有意義な試乗体験となった。その印象を簡単にまとめてみた。

この記事の目次

磨きがかかるスタイリング
ハイレベルなエンジニアリング
快適な室内空間
スカイアクティブ「D」か「X」か
ビーナスライン
松本民芸家具
人生の幅を広げてくれる、自然体の親しみやすさ

関連情報

ボディタイプ:コンパクトカー 新車

磨きがかかるスタイリング

CX-30のスタイリングは街中や自然でよく映える CX-30のスタイリングは街中や自然でよく映える

 いわずもがな、「CX-30」はひと目見るだけで惹きつけられるダイナミックなスタイリングが魅力。「CX-30」はマツダ3セダンをベースとしたクロスオーバーSUVであり、マツダのSUVラインアップのなかでは、「CX-3」と「CX-5」の間に位置する。大きく傾斜するリアピラーなどクーペのように流麗なラインを持ちながら、マツダ2(旧デミオ)のような凝縮感がある。さらには、CX-5のSUVとしての力強さも感じさせるCX-30のエモーショナルな造形は、都会でも自然のなかでもよく映える。

ハイレベルなエンジニアリング

アイポイントは高いが、状況を問わず一体感があるため、運転がとてもしやすい アイポイントは高いが、状況を問わず一体感があるため、運転がとてもしやすい

 クロスオーバーモデルということで、アイポイントが適度に高く周囲の状況を把握しやすいのは長所。また、ほどよく締まった足まわりのため、SUVにありがちな高重心でボディが揺さぶられることもなく、状況を問わず一体感のある走りが楽しめるのは素晴らしい。走行した長野の山道は起伏に富んでいるので、そのバランスの良さが手に取るように感じられた。かなりスポーティに走ったが、荷重移動がナチュラルで、同乗者からも「クルマとの一体感」についてのポジティブな感想があった。フロントの見切りも十分良く、リアもバックモニターが感覚的にわかりやすいタイプで、クルマの運転があまり得意ではないというドライバーでも安心感を覚えるはずだ。マツダがこだわる自然なドライビングポジションもしかり、長時間のクルージングでも疲労感を覚えることはなかった。レジャーの相棒としての活躍も期待されるCX-30にとって、クルージング性能の高さは大切な資質だ。

 派手さはないが、マツダのエンジニアリングの優秀さ、地に足のついたクルマづくりを目指していることが深く印象に残った。

快適な室内空間

CX-30 インテリア CX-30 インテリア

 スペース的には大人4人がゆったりと座れ、ベビーカーやスーツケースもしっかりと積める余裕のパッケージングは、ファミリー層などからも高い評価を得るだろう。またマツダ3に続いて、インテリアの質感が高いのもCX-30の大きな魅力だ。機能的でシックにまとめられていながら、どこか安らぎを感じさせるインテリアデザインは主張しすぎないところに好感が持てる。遮音対策も抜かりがなく急勾配などでエンジン音が多少聞こえるが、それとて不快ではない。全体的に静かで、前後席間の会話も自然に楽しめる。まるで移動式のサロンといった快適さで、閉じこもりがちな生活様式を強いられる現在の我々には計り知れない心の充足感をもたらしてくれる存在だ。

CX-30 後席 CX-30 後席

CX-30 ラゲッジルーム CX-30 ラゲッジルーム

スカイアクティブ「D」か「X」か

SKYACTIV-D SKYACTIV-D

 パワーユニットの注目はやはり「SKYACTIV-X」。一般的なガソリンエンジンのような火花点火ではなく、基本的にディーゼルエンジンのような圧縮着火となる新世代エンジンだ。これに24Vのマイルドハイブリッドシステムが組み合わさる。パワーユニットでもクロスオーバーしているのだ。

 行きはディーゼルの「SKYACTIV-D」、帰りは「SKYACTIV-X」で、全長約80kmのビーナスラインを走りながら、ゆったりとそれぞれの個性を堪能できた。CX-30にはガソリンエンジンモデルも設定されているが、多くの購入希望者の関心は、ディーゼルか、最新の「SKYACTIV-X」かの二択ではないだろうか。どちらもオールラウンドな頼もしさを見せるスグレモノではあるが、以下が乗り比べてみて感じたことだ。


SKYACTIV-D

 高低差1000mを超えるワインディングをエアコンをONにしながら走るというタフな状況で、ディーゼルエンジンは無類の力強さを見せる。スペック以上にトルクフルな印象で、急な登り坂も静々とこなしてしまう。ただ、連続するコーナーをスポーティに攻めてみようと思うときにはフロントの重さが感じられた。だが、ゆったりとクルージングしたいユーザーにとっては、それもまったく問題とならないはずだ。


SKYACTIV-X

 アクセルワークに対するレスポンスがよく、爽快感に優れていることがすぐに感じられる。試乗車はMT仕様であったため、スポーティなドライビングフィールが一層素晴らしかった。「SKYACTIV-X」に裏付けされた正確な挙動と手応えのあるドライビングによってもたらされる安心感と爽快感は卓越したものだ。驚くべきはシフトフィールのよさで、マツダロードスターのように「まるで吸い込まれる」ようなシフト操作は病みつきになること必至だ。このシフトフィールだけでも、「SKYACTIV-X」のMT仕様を選ぶ価値があるとお薦めしたい。

ビーナスライン

「ビーナスライン」は観光はもちろんのこと、クルマの素性を確かめるのにぴったりだ 「ビーナスライン」は観光はもちろんのこと、クルマの素性を確かめるのにぴったりだ

 白樺湖をはじめ車山高原、霧ヶ峰、美ヶ原高原などのスポットを縫うように走る「ビーナスライン」は景色の美しさに加え、緩急様々なコーナーや急勾配など、クルマのボディや足まわり、パワートレインなどを総合的に見定めることのできるコースでもある。

松本民芸家具

松本民芸家具 松本民芸家具

 今回の取材では、イベントとして松本民芸家具に立ち寄らせてもらった。素材と作りにこだわる姿勢は、マツダが掲げる「匠」思想との親和性の高さがアピールされた。300年以上の歴史を誇る松本の家具は、3代に渡って使うことができるといった高品質を謳っている。

人生の幅を広げてくれる、自然体の親しみやすさ

CX-30には気負うことなく自然体で付き合える親しみやすさがある CX-30には気負うことなく自然体で付き合える親しみやすさがある

 今日では、もうすっかりスタンダードとなってしまったクロスオーバーモデル。単なる移動手段ではなく、ライフスタイルに深く関わってくる存在というのが、その目指すところだ。そんななかでこのCX-30は、ドライバーや乗員に新たなアクティビティや生活体験を自然に提案してくれるような存在となりそうだ。

 マツダ3 セダンをベースとするが、まさに人馬一体という抜群のフィット感、一体感を誇るセダンボディと比べて、気負うことなく普段着の感覚で乗りこめるCX-30の魅力はまさに「親しみやすさ」。これこそが行き先やドライビングスタイルを限定されることなく、自由に活動の幅を広げていけるモデルなのではないかと思う。「人生の幅が広がる・世界が広がる」が開発コンセプトのCX-30だが、そのとおりのクルマといえば、褒めすぎだろうか。

マツダ CX-30 XD Lパッケージ(6速AT 4WD)

■全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm
■ホイールベース:2655mm
■トレッド前/後:1565/1565mm
■車両重量:1530kg
■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
■総排気量:1756cc
■最高出力:116ps/4000rpm
■最大トルク:27.5kgm/1600-2600rpm
■サスペンション前/後:マクファーソンストラット/トーションビーム
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:215/55R18

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