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更新日:2020.09.12 / 掲載日:2020.09.12

新型レヴォーグのすべて【1】プロトタイプ試乗!

SUBARU 新型レヴォーグ STIスポーツ EX (プロトタイプ) ●ボディカラー:クリスタルホワイト・パール

遂に遂に、プロトタイプながら、待望の新型レヴォーグに触れ試乗することができた。進化した走りに、アイサイトX。今回は乗ってわかったそのすべてを、どどーんと大特集でお届けしよう。SUBARUファン、必見です!

価格は280万円台(税別)から・先行予約受付中10月15日発売予定

  • ハンドリング体験路で!

  • 「アイサイトX」体感で!

スポーツワゴンの魅力を 一切損ねず、全方位で向上



 レヴォーグはレガシィ ツーリングワゴンの実質的な後継車として開発された。ワゴンブームの火付け役となった同ツーリングワゴンだが、北米市場での競争力強化のため代を経る毎に車体も排気量も拡大。結果、日本市場との整合が難しくなり、日本市場への最適化を図った新機種を開発。それがレヴォーグである。

 日本の道路環境に適した車体寸法は開発の要点であり、全長は6代目ツーリングワゴン(アウトバック)よりも100mm短い4・7m弱。全幅は3ナンバーサイズになってしまうが、それでもツーリングワゴンより60mm狭い1780mm。ほぼ5ナンバーサイズに抑えられる。

 もうひとつの注目点はスポーツワゴンとしてのキャラ濃度である。ツーリングワゴンも時流に則してスポーティ志向を強めているが、レヴォーグはさらに一歩踏み込んだプロポーションとデザインを採用した。クーペ的ワゴンというほどではないが、ワゴンのユーティリティを優先した設計でないのは外観が雄弁である。その点ではWRXのワゴンバリエーションと考えてもいいだろう。

 新型車はこういったコンセプトをそのまま継承する。先代の築いたスポーツワゴンとしての魅力を一切損ねることなく、快適性や実用性の向上を図り、同時に運転支援や車載ITなどの乗用車の次世代規格の積極的な取り入れが開発の要点となっている。

 市場や対象ユーザータイプの拡大を狙ったFMCではないが、一般的な実用性を基礎に伝統的なクルマ趣味であるスポーツ性とファントゥドライブを上乗せしたいと考えているユーザーには見逃せないモデルである。

その走り、別次元!?

■STIスポーツ専用に開発された ドライブモードセレクト

電子制御ダンパーについてはメカニズムの頁にて解説するが、こちらが走行モード変更による各制御の詳細。なおドライブモードセレクトには、これにオーナーが各項目の組み合わせを自由に選べるインディビデュアルが加わる。

■主要諸元(STIスポーツ EX プロトタイプ)●全長×全幅×全高:4755×1795×1500(アンテナ含む。ルーフ高は1480)mm ●ホイールベース:2670mm ●車両重量:1580kg ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1.8L水平4DOHC(177PS/30.6kg・m) ●トランスミッション:CVT●モード燃費(社内測定値):16.5km/L【JC08モード】、13.6km/L【WLTCモード】 ●最小回転半径:5.5m ●乗車定員:5人 ●タイヤサイズ:225/45R18(スタッドレスタイヤ装着の場合215/50R17となる)

  • 新型と現行型を乗り比べるハンドリング体験。走行モードを替えつつ、発進加速、ブレーキング、車線変更にコーナー、スラローム、段差越えをテスト。

  • 新開発1.8L 直噴ターボのボクサー

    全車に搭載するのは新たな1.8Lエンジンで、トランスミッションはスバルお得意のリニアトロニックだ。こちらも詳しくは後述する。

もっと「気持ちいい」スポーツ ドライブが楽しめるように進化



 走りにこだわるユーザーにとって見逃せないのは、スバル車では初採用となった電子制御サスだろう。詳細は別項で述べるが、ダンパー減衰力を電子制御化する狙いは操安/ファントゥドライブと乗り心地の両立。電子制御サスでは一般的だが、装着モデルがSTIスポーツ系というのがミソ。

 電子制御サスの制御にはコンフォート/ノーマル/スポーツの3つが設定され、ドライブモードセレクターに設定された4モードと連動して選択される。また、ドライブモードセレクターではパワートレーン等のそれぞれの制御モードを組み合わせることも可能だ。

 試乗した印象だが、電子制御サスモードの違いを最も感じたのはコーナー進入時の挙動。サスモードをスポーツにセットすると初期挙動から高い減衰力でロールを抑え込み横Gの立ち上がりも早い。前輪の力で重心をコーナーに押し込んでいくような操縦性だ。

 最もソフトなコンフォート選択時は初期ロールが大きく、ロールで重心を逃がし、初期回頭性を向上。鼻先をひらりとインに向けて、間を置いて横Gが立ち上がる。ノーマル選択は硬さはコンフォート/スポーツの中間くらいだが、回頭と横Gの間を意識させられるため、操縦感覚はコンフォートに近い。スポーツはSTI味、コンフォート/ノーマルは軽快感優先のスバル標準味といった感じである。

 もっとも、中高速のスラロームなど高い負荷が連続する状況ではコンフォートもノーマルも高めの減衰力で制御されるため、スポーツと大きな違いは見られなかった。

 肝心の乗り心地の改善だが、洗濯板状配置の約1cmの乗り越えチェックでは新型車のほうが突き上げ感も収まりも良かったが、モード差よりもサス周りの改良効果と考えるべきだろう。乗り心地向上の効果は公道試乗を待つしかない。

 もうひとつの見所、新設計のパワートレーンはスポーツドライビングに心地よいパワーフィールと穏やかで力強い運転感覚を両立しているのが特徴。従来1・6L車対比では全開加速性能も向上しているが、2L車の代わりになるほどではなく、回す心地よさを失わずに実用域のドライバビリティ改善と余力向上が主眼のようだ。

 STIスポーツのイメージからすると、もう少し高回転側の上乗せが欲しくなるが、限界性能に追求するようなスポーツ性を求める時代でもなく、速さよりも気持ちよさを重視したファントゥドライブとすれば納得できる。電子制御サスの特性とも似合いのパワートレーンであり、従来車よりも大人の落ち着きを感じさせるスポーティが楽しめた。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久/SUBARU/月刊自家用車編集部

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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