徹底分析中古車相場
更新日:2020.09.28 / 掲載日:2020.08.19

【日産 ティアナ】広くて快適な上級セダンが100万円台前半で買えるってホント!?

 クルマ選びにおいて、新車時は高くて手が出にくいが、中古車ならば購入候補に入るというケースはよくある。また、同じ予算を用意できたとして、新車を買うかワンランク上の中古車を狙うか……という選択パターンもあるだろう。今回紹介する日産ティアナは、日産の上級セダン。現在は新車ラインアップから外れてしまったが、新車時(2019年10月時点)は261万1400円~357万8300円というそれなりに高価なモデルである。これはワンクラス下となる新車の日産シルフィよりも100万円以上も上の価格帯。

 そんなティアナは、登場から6年を経て相場はかなり下がってきた。しかも、その値下がり幅が大きく、いま注目すべき1台。たとえば新車のシルフィを買う予算で、ワンランク上となる中古車のティアナをチョイスするなど、相場を知っておけばクルマ選びの幅が広がるのは間違いなし。ここでは日産ティアナの魅力を紹介するとともに、年式別およびグレード別中古車平均価格をチェックしてみよう。

日産 ティアナってどんなクルマ?

 2003年2月、上級セダン「ティアナ」が登場した。全長4770mmというサイズは、同じ日産のスカイラインとほぼ同じ。駆動方式はFRのスカイラインに対し、ティアナはFFを採用する。スポーティな走りよりも、ゆったりと快適な走りを目指したティアナは、多くのユーザー(特に年配の方々)に支持された。

 とくに初代は、モダンリビングをコンセプトに掲げたオシャレな内装が特徴で、ソファのようなシートや助手席オットマンを採用したのが目玉。FFゆえリヤシートも広々しているほか、日産のセダンとして初のインテリジェントキーや安全装備の充実など、当時のセダンとしては魅力的な内容が盛り込まれていた。

 2代目が登場したのは2008年6月のこと。従来型からボディ剛性を大きく高め、静粛性もアップ。少しゆる目な走りだった先代に対し、快適性はそのままに、しっかりとした走行フィールに進化したのが見どころだ。それを象徴するかのようにつり目タイプのフロントフェイスを持つスポーティなデザインにも注目したい。

 そして今回のテーマである3代目は、2014年1月にデビューした。全長4880mm、全幅1830mm、全高1470mmというゆとりのボディサイズを持ち、快適性に軸足を置いた設計は初代から共通するもの。室内は、中折れ形状の背もたれパッドを持つ「スパイナルサポート機能付きシート」を採用し、ロングドライブ時の疲労感を軽減。エンジンは、先代は2.5Lと3.5Lが存在したが、新型は2.5L 直4+CVTのみとラインアップが整理されたのもポイント。デビュー当時の新車価格は242万9700円~304万5000円だった。

日産 ティアナの年式別平均価格から見た狙い目の年式は?

 まずは改良遍歴を振り返ってみよう。2014年1月に発表された3代目日産ティアナは、「XE」、「XL」、「XV」という3グレードでスタート。2015年2月には、「XL」と「XV」に「エマージェンシーブレーキ」と「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備。また、フロントグリルの一部をピアノブラック調に変更し、上質な外観に仕立てられた。なお、同年12月(発売は翌年1月)には、この安全装備が全グレード標準装備へと拡大されている。

 2016年4月、「XL」と「XV」に「アラウンドビューモニター」、「クルーズコントロール」、「LDW(車線逸脱警報)」、「BSW(後側方車両検知警報)」を標準装備した「ナビAVMパッケージ」を設定。これ以降、ティアナに関するプレスリリースは出ておらず、2019年の生産終了まで目立ったマイナーチェンジは行われなかった。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2014年式  110万円 
 2015年式  134万円 
 2016年式  151万円 
 2017年式  161万円 
 2018年式  203万円 
 2019年式  238万円 
※中古車平均価格はグーネット2020年8月12日現在のデータによる。


2014~2015年式なら100万円を切る物件も…

 上の表を見ると、低年式になるほど順当に価格が下がっている。デザインやメカニズムが大きく変わるマイナーチェンジもなかったため、走行距離やクルマのコンディションがそのまま車両本体価格を反映しているようだ。例えば2014年式ならば走行距離5万km~7kmの物件が多く、80万円~100万円の予算から探せる。一方、3年落ち(2017年式)だと、走行距離3万~5万kmで、140万円前後の物件が目立つ。いずれにしても100万円台前半の予算があれば、手広く探せるだろう。

日産 ティアナのグレード別平均価格から見た狙い目のグレードは?

 3代目ティアナのグレードは「XE」、「XL」、「XV」の3タイプ。「XL」以上のグレードではハロゲンヘッドランプ、インテリジェントエアコンシステム(XEは通常のオートエアコン)、運転席パワーシート、助手席パワーシート&オットマンが標準装備される。最上級の「XV」ではインテリジェントキーや17インチアルミホイールなど、装備内容はさらに豪華となる。モデルライフを通して特別仕様車も存在せず、選択肢が少ないのがティアナの特徴だ。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
XE116万円
XL148万円
XV172万円
※中古車平均価格はグーネット2020年8月12日現在のデータによる。


物件数が充実した「XL」が探しやすい

 中古車になるとグレード間の相場の差は縮まりやすい傾向にあるが、ティアナの場合、上級グレードはそのまま高値が付けられているケースが多い。上級グレードの「XV」の平均価格は172万円とそれなりに高価。逆にエントリーモデル「XE」は、116万円と手頃な平均価格となったが、物件数は全体の1割程度と少ない。装備が充実し、価格とのバランスがよい「XL」がもっとも選びやすいグレードと言えるだろう。

日産 ティアナの中古車価格相場のまとめ

 3代目ティアナの相場はかなり下がり、100万円台前半の予算があれば広く探せる。これは新車時価格と比べて半値以下。まだ十分に低走行の物件も流通するから、オススメしたい1台である。とくにクルマ選びの際、国産コンパクト一択になりがちな人は、同じ予算でティアナを検討して見るのもよいだろう。

 最後に、先代、先々代の平均価格も調査したのでお知らせしたい。先代ティアナの平均価格は49万円、先々代(初代)なら26万円とさらに安い。先々代は物件数が少なくなり、多走行の個体も目立つ。しかし先代は状態のよい物件がまだ入手可能なので、こちらを探して見るのもありだろう。

日産ティアナの中古車を探すならこちら

中古車特選記事のバックナンバーはこちら!

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ