【メルセデス・ベンツ GLA】新型の登場で相場がダウン。今が買い時のコンパクトSUV

　2014年5月、メルセデス・ベンツの新型SUV、GLAが日本に導入された。車名の末尾に「A」の文字が入ることからもわかるように、Aクラスと多くのメカニズムを共有するコンパクトSUVである。全長4430mm、全幅1805mm、全高1505mmというサイズ（2014年式のGLA 250 4MATIC）は、ベースとなった先代Aクラスよりもひとまわり大型だが、先に述べたようにSUVとしては異例の低車高が特筆すべき点。見た目の印象は少し背の高いハッチバックで、SUVという言葉から連想されるイメージとは異なっている。

　しかしながら、力強いオーバーフェンダーやフロントバンパーなど、所々にSUVを感じさせるデザインがなされ、若々しい個性を引き立てている。エンジンは1.6L 直4ターボ（GLA 180）、2.0L 直4ターボ（GLA 250 4MATIC）、また360馬力にまで強化された2.0L 直4ターボ（GLA 45 AMG 4MATIC）の3機種でスタート。後に新世代直噴技術を導入した2.0L 直4ターボ（GLA 220 4MATIC）も追加されるなど、幅広いラインアップとなった。トランスミッションは、全車デュアルクラッチ式7速ATを組み合わせる。なお、デビュー当時の新車価格帯は344万円~810万円。

　先代GLAの改良遍歴を振り返ってみたい。2013年4月の上海モーターショーでお披露目されたGLAは、翌年5月に国内導入された。2017年4月にはマイナーチェンジが行われ、エクステリアを一新。メルセデスのSUVに共通のパンチドグリル、力強いデザインとなったフロントフォグランプ、新デザインの前後バンパーが特徴である。

　また、改良型では184馬力の「GLA 220 4MATIC」を新設定したこともトピック。安全面では、緊急ブレーキ機能を備える「アクティブブレーキアシスト」、ドライバーの疲労や眠気を検知して注意を促す「アテンションアシスト」を全車標準装備。そのほか、「ディスタンスパイロット・ディストロニック」、「ブラインドスポットアシスト」、「レーンキーピングアシスト」などを含む「レーダーセーフティパッケージ」を設定した。機能面では、手を使わずテールゲートを開閉できる「フットトランクオープナー」も標準装備。それを踏まえて年式別中古車平均価格を見ていこう。

　登場から6年が経ち、中古車相場はかなり下がった。とくに2014年~2017年までの前期型が顕著で、ボリュームゾーンの2015年式の平均価格は221万円。新車時は最も安いモデルでも351万円だから、より身近な存在になったと言える。より詳細に調査すると、この年式の最安値はおよそ150万円。走行距離は4~万6万km前後のものが中心だが、100万円台の予算でも探せるのは嬉しい。

　エンジン別に見ると、GLAは1.6Lターボ＋FFの「GLA 180」、2.0L ターボ+4WDの「GLA 220 4MATIC」と「GLA 250 4MATIC」、さらにAMGとして2.0Lターボ+4WDの「GLA 45 AMG 4MATIC」が存在する。また、例えば「GLA 180」と「GLA 180スポーツ」のように、同じエンジンでも装備内容が異なる場合もあり、グレード展開は豊富。今回はエンジン別に注目し、グレード別中古車平均価格を見ていこう。

　中古車物件がもっとも豊富なのは高年式の「GLA 220 4MATIC」。とくに2019年式の低走行車が多く、新車に近いコンディションのものが入手可能だ。ただし平均価格は349万円と、グレード別に見るとそれなりに高額。低予算でGLAを探すなら、「GLA 180」または「GLA 250 4MATIC」がターゲットになるだろう。

　物件が揃って探しやすいのは「GLA 180」で、100万円台後半の予算でも狙える。これには標準仕様に加え、「スポーツ」や「オフロード」など複数の仕様が存在するが、物件数が多いのは標準仕様。一方、「GLA 250 4MATIC」もほぼ同等の予算で探せるが、「GLA 180」に比べると物件は多くない。しかし、パワフルなエンジンと4WDは魅力的で自動車税も同じだから、こちらを積極的に狙うのもありだろう。

　コンパクトSUVブームが続くなか、メルセデス・ベンツGLAは依然として魅力あるモデルである。新型は車高が高く、よりSUVらしいコンセプトにシフトしたが、先代は立体駐車場を使えるなど普段使いのカジュアルさで勝る。そんな先代GLAは100万円台後半の予算から探せる状況にあり、積極的に候補に入れたい車種である。SUVに興味がなくても、個性的な実用ハッチバックが欲しいというニーズにも応えてくれるだろう。また、新型の登場で今後さらなる相場のダウンも期待できそう。これから注目していきたい1台だ。