徹底分析中古車相場
更新日:2020.07.08 / 掲載日:2020.07.08
【トヨタ ハリアー】100万円台の予算から探せる!? 人気高級SUVの相場を分析
先日、トヨタ ハリアーが7年ぶりにフルモデルチェンジを受けた。歴代モデルはすべてスタイリッシュなフォルムが特徴のハリアーだったが、新型はそのデザインに磨きがかかり、エレガントな佇まいが特徴。また、ハリアーでは初のTNGAプラットフォームを導入し、ボディ剛性の強化、低重心化を図ったことで走りの質感を高めているという。ガソリン、ハイブリッドという2つのパワートレーンを用意するのは従来と同様。価格は299万円~504万円と、先代とほぼ同じかやや高めとなるが、訴求力のある価格設定なのは間違いない。
そんななか、中古車として先代ハリアーを買いたいというひともいるはず。一般的に、モデルチェンジを経ると相場が下がることが多いから、今は先代モデルをよりリーズナブルに入手できるチャンスでもあるのだ。今回は昨年4月のデータと比較しつつ、先代ハリアーの相場動向を探っていきたい。
トヨタ ハリアーってどんなクルマ?
トヨタの上級SUVとして1997年12月にデビューしたハリアー。90年代後半、SUVと言えばオフロード走行を高めたクロカンが主流で、世界的に見てもラグジュアリーさを売りにしたSUVはそれほど多くなかった。この黎明期に登場したSUVは、ほかにもメルセデス・ベンツMクラス、BMW X5などがある。ハリアーはそんな高級SUVの先駆けとして登場し、北米市場ではレクサスRXという名称で販売された。
2003年2月、2代目ハリアーが登場。まさに正統進化と言ったスタイルは好評で、その後10年に及ぶロングセラーモデルとなった。全長4.6m弱だったボディは4.7m以上に拡大され、室内の居住性なども改善。上級グレードにはエアサスペンションを導入するなど、乗り心地にもこだわった。さらにハイブリッド車も設定し、大型車のウィークポイントでもある燃費性能も高められた。
2013年11月、3代目ハリアーが発表(翌月発売)された。先代からやや小型化されたボディは大きすぎないサイズで、日本の道路事情に適したパッケージ。吸遮音材の効果的な配置などで静粛性を高めたほか、走行状況に合わせて減衰力を変化させるショックアブソーバーなど、高級SUVらしい乗り心地を実現した。エンジンは2.0L 直4、2.5Lハイブリッドの2本立てで、先代にあった3.5L V6は廃止された。
トヨタ ハリアーの年式別中古車平均価格は?
まずは先代ハリアーの改良遍歴を振り返ってみたい。2013年12月発売時に設定されたパワートレーンは、前述のとおり2.0L 直4と2.4Lハイブリッドだが、それぞれ装備内容が異なる「グランド」、「エレガンス」、「プレミアム」、「プレミアム アドバンスドパッケージ」が設定される。なお、2.0L車は2WDと4WD、ハイブリッドは4WDが組み合わされる。
2014年12月にはローダウンサスペンションを装着し、専用外観が与えられた「G’s」が登場。2015年6月の改良では、最上級グレード「プレミアム アドバンスドパッケージ」にパノラミックビューモニター、TコネクトSDナビゲーションシステムが採用された。さらにエントリーモデル「グランド」にプリクラッシュセーフティをオプション設定するなど、装備を拡充。
2017年6月にはマイナーチェンジを実施。この改良における最大のトピックは、2.0L 直噴ターボを搭載したこと。従来の2.0L自然吸気の151馬力に対し、231馬力という高出力を発揮。トランスミッションは6速ATが組み合わされる。また衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」を全車標準装備したことも特筆すべきポイント。一方、外観も小変更を受けたが、もともと完成度の高いデザインゆえグリルの変更程度に留められている。さらにこのタイミングで最上級「プログレス」も加わった。これらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 2019年4月 | 2020年6月 |
2014年式 | 256万円 | 217万円 |
2015年式 | 271万円 | 232万円 |
2016年式 | 275万円 | 247万円 |
2017年式 | 316万円 | 269万円 |
2018年式 | 327万円 | 295万円 |
2019年式 | ー | 305万円 |
※ハイブリッドを除く
3年落ち(2017年式)がボリュームゾーン
1年前のデータと比較すると、各年式で20万円~50万円程度相場が下がっているのがわかる。以前は平均価格で300万円を超えていた2017年式以降の後期型も、200万円台にまで下がったのが注目点。この年式がもっとも物件豊富なので、積極的に狙いたいゾーンと言えそうだ。トヨタセーフティセンスPが標準となるのも魅力。
また、さらにリーズナブルに探すなら2014年~2015年式にも注目。平均価格は217万円まで下がり、なかには100万円台後半の物件も存在している。いずれにせよ、予算に合わせて幅広い年式から買える状況だ。
トヨタ ハリアーのグレード別中古車平均価格は?
ハリアーのグレード構成は、もっともベーシックな「グランド」、上級ファブリック+合成皮革シートが特徴の中核モデル「エレガンス」、18インチアルミホイールを装着した上位モデル「プレミアム」という構成でスタートした。2017年のマイナーチェンジでは、TコネクトSDナビやパノラミックビューモニターを標準装備する最上級モデル「プログレス」が設定され、合計4タイプ存在することになる。
また、それぞれのグレードで2.0L 直4(2017年以降は2.0L直4ターボ)、2.4Lハイブリッドのパワートレーンを選べるから、選択肢はかなり豊富。ここではグレード別の中古車平均価格を見ていきたい。
グレード | 2019年4月 | 2020年6月 |
エレガンス | 260万円 | 234万円 |
プレミアム系 | 293万円 | 259万円 |
プログレス | 361万円 | 303万円 |
ハイブリッドエレガンス | 266万円 | 237万円 |
ハイブリッドプレミアム | 310万円 | 268万円 |
上級グレード「プレミアム」が探しやすい
年式は幅広い選択肢から選べるのに対し、グレードは偏りがある。もっとも多いのは上級仕様の「プレミアム」シリーズとなっており、逆に少ないのはエントリーモデル「グランド」。パワートレーンは意外にもハイブリッドの割合が極端に少ない状況となっている。探しやすいのは2.0L直4または後期型として登場した2.0L 直4ターボの「プレミアム」となるだろう。
トヨタ ハリアーの中古車価格相場のまとめ
およそ1年前のデータと比較すると、相場が下がった先代ハリアー。中古車では高値安定のモデルゆえ、買いやすくなったのは朗報だ。以前はなかなか狙いにくかった後期型も、200万円台半ばの予算で積極的に探せるし、初期型ならば100万円台の予算で購入するのも夢ではない。
グレードは、2.0Lの「プレミアム」が豊富で買いやすい。装備が充実した上級仕様なので、購入後の満足度も高い。新型ハリアーが市場に出回れば、先代はさらなる値下がりも期待できるから、今後の動向に注目しておきたい。