輸入車
更新日:2020.06.04 / 掲載日:2020.06.04

ベントレー|ブランドヒストリー vol.2|

文●ユニット・コンパス 写真●ベントレー
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年5月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年7月号の内容です)


世界のセレブリティが愛用するイギリスの超高級ブランド、ベントレー。なぜ、ベントレーは特別な存在となったのか。歴史とブランドの真価をひもとく。

挑戦と職人の技にこだわり続けた100年

 産業革命による劇的な発展を経験していた20世紀初頭のイギリスでは、新しい乗り物である自動車に、いち早く注目が集まっていた。
 ベントレーの創業者、W.O.ベントレーもその一人で、クルマの輸入販売からビジネスをスタートさせると、すぐに自動車の改良に取り組み始める。そこで注目したのが、取引先のオフィスで偶然見つけたアルミ製ペーパーウェイトだった。
 「これをピストンに活用すれば、もっと性能の高いクルマが作れるに違いない」。そう考えたベントレーは、独自の配合によるアルミ合金製ピストンの開発に成功する。
 アルミ合金製ピストンは、自動車レースで結果を残しただけでなく、第一次世界大戦では航空機エンジンにもその技術が転用された。この成功によってベントレーは、戦争が終わった1919年に、自動車メーカーを創業することができたのだ。
 イギリス国内で高性能を誇っていたベントレー。その名が世界中に広まるきっかけとなったのが、フランスで開催されていたル・マン24時間レースであった。
 1923年にファクトリーチームを結成したベントレーは、1930年までに5回もの総合優勝を成し遂げ、圧倒的な強さを世界に知らしめた。また、ドライバーである通称「ベントレー・ボーイズ」の存在も、その評判を大いに高めた。彼らの多くは大富豪の若き子孫で、同時にインテリ層でもあった。個性豊かで人間的魅力を備えた彼らが、命をかけて勝利に立ち向かう姿は、ベントレーの評判を不動のものとした。
 この「競争」へのこだわりとともに、ベントレーに欠かせないのが、クラフトマンシップの追求。合理化が進む現代の自動車業界において、ベントレーが1台の生産にかける時間は驚くほど長い。革や木工品にも気の遠くなるような手間ひまをかける。
 競争、そしてクラフトマンシップ。それこそがベントレーの歴史なのだ。

ベントレーというブランド、その核となるのは「競争」

 創業者であるW.O.ベントレーは、若い頃から2輪や4輪のレースにのめり込んでいた人物。それだけに、ベントレーのブランドの核となる「競争」への信念が盛り込まれている。自動車メーカーとなってからもレースを続け、ル・マン24時間レースでの連勝を経て、その名声は世界中へと轟くことになる。

[CLOSE UP]100年の歴史を次世代へと繋ぐ「EXP 100GT」コンセプト

 ブランド誕生100周年を祝って2019年に発表されたのがEXP 100GTというコンセプトカー。そのコンセプトは「ラグジュアリーとモビリティの再構築」であり、さまざまな新技術に加えて、素材の組み合わせや光沢感といったデザイン要素についても新たなる提案を行った。その存在はまさに圧倒的だ。

  • 所有者たちの華やかなストーリーがベントレーをいっそう輝かせる

     ベントレーは一般的な高価な高性能車とは一線を画す。その背景が、ベントレーを愛好してきたエスタブリッシュメントたち。歴史と伝統を重んじながら、世界に革新をもたらす名士たちの存在であった。

  • 最後の1台まで手作業にこだわり工場の閉鎖を延長している

     フラッグシップのミュルザンヌは、伝統あるクルー工場の名工によってハンドメイドで製造される。4月に生産終了予定であったが、新型コロナが収束するまで、その生産期間は延長されている。

  • 100周年を記念したミュルザンヌは創業者の名前を冠した特別な1台

     創業100周年を数える2019年に発売された特別モデル、ミュルザンヌW.O.エディション・バイ・マリナー。創業者が所有していた8Lにちなみ、そのクランクシャフトの一部を内装にあしらった。

  • 時代に合わせたモデルを開発 だがその精神は変わらない

     2016年にはブランドとして初となるSUVのベンテイガを発売している。全長5.15m、車両重量2.5トンという巨体を誇り、手作業で行われる生産には約130時間を要するという贅沢なモデルだ。

いまオススメの中古車で探せる[ベントレー]

コンチネンタルGT(先代モデル)

 初代モデルの成功を受け、そのコンセプトを守りつつ、進化した2世代目。W12に加えて4LV8ツインターボを搭載する仕様も登場。中古車市場でも台数が増え、価格もこなれつつある。
中古車参考価格帯:670万円~1500万円(11年~17年 全グレード)

コンチネンタルGT コンバーチブル(先代モデル)

 電動開閉式ソフトトップを備えるエレガントな2ドア、4シーターオープン。ラインアップにおいて唯一のオープンモデルで、それゆえに独自の人気を誇る。中古車は物件が少ないため高価傾向。
中古車参考価格帯:1100万円~1350万円(11年~17年 全グレード)

ミュルザンヌ

 ベントレーのフラッグシップ。現行モデルは2009年に登場。全長約5.6mという堂々たる体躯で、心臓部のV8ツインターボは基礎設計から60年近い歴史を持つ。そのすべてが手づくりだ。
中古車参考価格帯:900万円~3300万円(09年~20年 全グレード)

コンチネンタルGT(先々代モデル)

 排気量6LW12ツインターボを搭載する2ドアクーペ。最高出力はベーシックモデルでも560馬力と強力。それでいながら2000万円を切る新車価格もあり、世界中で大ヒットを記録した。
中古車参考価格帯:290万円~900万円(03年~10年 全グレード)

コンチネンタル フライングスパー(先々代モデル)

 スポーティなコンチネンタルから4ドアセダンを派生させるというコンセプトは、1957年の初代モデルと同様。最高速度は312km/hを誇り、世界最速セダン(当時)の称号を手に入れた。
中古車参考価格帯:270万円~1050万円(05年~13年 全グレード)

アルナージ

 親会社がBMWからVWに移り変わったことで、生産時期によってパワートレインの仕様が大きく異なる。人気があるのは、伝統のV8を搭載した2000年以降のモデル。比較的安価で流通する。
中古車参考価格帯:400万円~630万円(98年~09年 全グレード)

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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