新車試乗レポート[2020.05.01 UP]

ALPINE A110S インプレッション

ライトウェイトMR(ミッドエンジン/リヤ駆動)スポーツのA110に戦闘力を高めたA110Sが追加された。筑波サーキットのコース2000で開催された試乗会で、A110と乗りくらべながらその実力をチェックした。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之

この記事の目次

普通に走らせても楽しめるが性能を引き出す運転でこそ真価を発揮

関連情報

ボディタイプ:クーペ 新車 輸入車
ALPINE A110S

アルピーヌ A110S
[グレード追加]


●発売日:’19年11月21日
●価格:899万円
●輸入元:アルピーヌ・ジャポン
●問い合わせ先:0800-1238-110

主要諸元(A110S)※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):4205×1800×1250●ホイールベース(mm):2420●車両重量(kg):1110●駆動方式:MR●パワートレーン:1798cc直列4気筒DOHC直噴ターボ(292PS/32.6kg・m)●トランスミッション:7速DCT●WLTCモード燃費(km/L):12.8●燃料タンク(L):45(プレミアム)●最小回転半径(m):5.8●タイヤサイズ:前215/45R18 後245/40R18

普通に走らせても楽しめるが性能を引き出す運転でこそ真価を発揮

「S」ならではの楽しみは車任せではなく運転次第

軽快な挙動と深いスリップアングルに至ってもトラクションを失わないハンドリングはかつてWRCを席巻した名車の血統を直感させる。そんなA110に追加されたのがA110Sである。最高出力をピュア/リネージの標準系に対してプラス40PSの292PSまで強化。ただし、最大トルクや許容回転数は標準系と共通であり、極高回転域まで最大トルクを維持した結果の最高出力増である。

パワーアップに伴いサスや駆動系の電子制御も専用のチューニングが施されているのだが、許容回転数まで回してこそ活きるパワートレーンと同様に標準系とは操り心地がちょっと違っていた。

例えば、標準系のコントロールがセンチ単位なら「S」はミリ単位という具合に、操作に対する反応の細かさが異なる。それは「S」に与えられた40PSの付加分を効率よく使うためでもある。ただし、その性能を効率良く引き出すには相応の運転技量も求められる。標準系なら過渡域をクルマ側が綺麗に繋いでくれるが、「S」はそこもドライバーがコントロールする必要がある。それは集中力等々も含めて精神的な負担の増加を示すが、そこに操る楽しみもある。

誤解なきように付け加えるなら決して神経質なわけではない。普通に走らせれば“乗り心地が硬めのA110”であり、ほどほどのスポーツドライビングもかなり楽しめる。その点ではA110らしいのだが、リズミカルなファントゥドライブの標準系に対して、性能を引き出す悦びを求めたのが「S」の位置付けと考えるべきだ。

’19年のルマン24時間でお披露目された「S」。1.8L直4ターボはベースのA110から40PS向上の292PSを発生し、足回りには専用チューニングが施される。40万円高のグリ トネール マットは注文生産で、ホイールがグレーの鍛造からマットブラックの鋳造となるため、車重が10kg増。

造型はA110と同じだが、カーボンファイバーやマイクロファイバー(ディナミカ)を採用。ステッチの色は標準のブルーに対し、カーボンとの対比が鮮烈なオレンジとしている。

カーボンルーフの採用も「S」ならでは。見た目の魅力はもちろん、高いところを軽量化することで運動性能の向上にも寄与する。

積載性はスタンダードのA110と同様。前後合わせれば容量こそそこそこだが、大物/長尺物は積めない。

写真のA110専用アルミボディを踏襲しつつ、高レートのスプリングや強化されたアンチロールバーなどの専用チューンを施す。

ブレンボ製キャリパーはオレンジ仕上げ。FUCHS製鍛造18インチにミシュラン パイロットスポーツ4(専用品)を履く。

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