徹底分析中古車相場
更新日:2020.03.27 / 掲載日:2020.03.27

【オープンカー特集】オープンエアドライブを存分に楽しめる人気モデルの相場を比較してみた

 春といえばオープンカーの季節。春の陽気で、ドライブに行きたくなるひとも多いのではないだろうか。以前と比べるとオープンカーの車種数は減少傾向にあるものの、現在でも魅力的なモデルは存在する。その筆頭はマツダ ロードスターだろう。1989年の登場以来、コンパクトな2シーターオープンとして連綿と生産され続け、現在も人気の高い1台だ。また、軽自動車ではダイハツ コペンとホンダ S660が注目を集めている。軽自動車という共通点を持ちながら、FFとミッドシップという駆動方式の違いが個性となって、それぞれ魅力的なものとしている。これらのモデルは登場からおよそ5年が経過し、買いやすい価格帯にまで下がってきた。それから、輸入車のオープンカーとしてメルセデス SLKとBMW Z4にも注目。プレミアムブランドの高額モデルであるが、旧型ならば国産オープンカーよりもリーズナブルに購入可能なこともある。今回は、全5台のオープンカーの魅力と中古車相場に迫ってみたい。

新車時の半額近くにまで下がった現行型ロードスター

マツダ ロードスター

 現行型ロードスターが発表されたのは2015年8月のこと。先代からサイズダウンして約100kg軽量化し、排気量も2.0Lから1.5Lへと縮小した。初代ユーノスロードスターのような軽快な走りを、再び取り戻したのが大きな見どころだ。グレード構成は、ベーシックな「S」、ビルシュタイン社製ダンパーやレカロシートなどを装着した「RS」、モータースポーツベース車の「NR-A」に加え、今回より電動開閉式ハードトップを備えたロードスターRF(エンジンは2.0L)という新モデルも登場した。

 発売以降、年次改良を積み重ね、2017年11月にはリヤコンソールボックスの床面に遮音マットの採用や上級装備の充実化などを実施。2018年6月には安全運転支援システム「アドバンストSCBS」を導入し、1.5L/2.0Lエンジンともに改良を受けてトルクフルな特性となった。とは言えエクステリアの大掛かりな変更は行われず、現在もデビュー当時とほぼ同じ内外装となっていることも注目したい。それらを踏まえて年式別中古車平均価格を見ていこう。

年式別中古車平均価格
年式中古車平均価格
 2015年式  196万円 
 2016年式  205万円 
 2017年式  219万円 
 2018年式  245万円 
 2019年式  262万円 
※中古車平均価格はグーネット2020年3月17現在のデータによる。
※ロードスターRFは除く

軽オープンカー「コペン」と「S660」、どちらが買いやすい?

  • ダイハツ コペン

  • ホンダ S660

 軽オープンカーといえば、ダイハツ コペンとホンダS660。前者は2014年6月、後者は2015年3月とデビュー年も近く、中古車選びの際に両者が比較されることは多い。ただしクルマの設計は大きく異なり、コペンはFF、S660はMRレイアウトを採用し、走りのテイストも別物となっている。コペンの特徴は、なんと言っても「ドレスフォーメーション」と呼ばれる外観パネルの着せ替えシステム。メカニズムは共通だが、外板パネルを付け替えすることで、まったく異なるデザインにすることが可能なのだ。外観はベーシックな「ローブ」、スポーティな「エクスプレイ」、初代コペンを彷彿させる「セロ」などをラインアップする。

 それに対してS660は、専用設計のミッドシップシャシーを採用。これは90年代の軽スポーツ、ビートの再来とも呼べる1台。前後重量配分は45:55と理想的な配分で、64psの3気筒ターボを搭載。ルーフは、コペンが電動開閉式のハードトップなのに対し、S660は手動脱着式のロールトップを採用するのも大きな違い。利便性ならコペン、本格スポーツの雰囲気を味わうならS660がオススメだ。それでは両車の中古車平均価格を見てみよう。

モデル別中古車平均価格
モデル名中古車平均価格
ダイハツ コペン(現行型)155万円
ホンダ S660177万円
※中古車平均価格はグーネット2020年3月17現在のデータによる。


物件豊富で相場が低いコペンが買いやすい

 両者を比較すると、相場はコペンのほうが20万円ほど安い。さらに物件数もコペンのほうが豊富なので、コペンのほうが若干探しやすい状況ではある。具体的に見ると、コペンの中古車平均価格は155万円となっており、価格の下限はおよそ100万円。それに対しS660の価格の下限は115万円からとなっている。しかし走行距離において、コペンは多走行が目立つので一概にどちらがお買い得かの判断は難しい。

 一方MT/AT比率に注目すると、コペンは3:7、S660は4:6といずれもATのほうが多い。しかしS660のほうがMT比率が高いことは、よりピュアなスポーツカーとして捉えられている証拠だ。

輸入車オープンの代表格「Z4」と「SLK」にも注目!

  • BMW Z4(先代)

  • メルセデス・ベンツ SLK

 2019年3月に新型Z4が導入されたが、今回注目するのは2009年5月に発表された先代モデル。この世代のZ4は、電動格納式ハードトップを備えているのが特徴で、ゆったりした走りが似合うオープン2シーターである。デビュー当初は2.5L 直6の「sDrive 23i」と3.0L 直6ターボの「sDrive 35i」というエンジン構成だったが、後に新開発2.0L 直4ターボを搭載した「sDrive 20i」も加わった。

 また、Z4のライバルとしてメルセデス・ベンツSLKにも注目。デビューは2011年7月で、Z4と同じく電動格納式ハードトップを採用。全長はおよそ4.1mとZ4よりもコンパクトで、街中でも取り回しが良好。ラインアップは、当初1.8L 直4ターボの「SLK 200 ブルーエフィシェンシー」と3.5L V6の「SLK 350」が用意されたが、後に5.5L V8の「SLK 55 AMG」も登場。さらに、SLKでは珍しくMT車を導入していたことも特筆すべき点。ピュアスポーツというよりラグジュアリーな性格のクルマだが、春のオープンドライブにはうってつけの存在だ。なお、2016年6月の改良より、名称がSLCに変更されたが、こちらも含めて相場を紹介したい。

モデル別中古車平均価格
モデル名中古車平均価格
BMW Z4(先代)233万円
メルセデス・ベンツ SLK232万円
メルセデス・ベンツ SLC400万円
※中古車平均価格はグーネット2020年3月17現在のデータによる。
※AMG、Mモデルを除く

先代Z4は100万円台後半の予算で購入可能に

 先代BMW Z4の新車時価格(デビュー時)は523万円~695万円、メルセデスSLKは525万円~770万円という高額車だったが、現在の平均価格は当時の半額以下にまで下がった。高年式が中心となるSLCの相場は依然高値だが、先代Z4とSLKの相場はおよそ230万円と、ほぼ同程度となっている。ただし物件数はZ4のほうが充実しており、幾分探しやすい状況だ。

 Z4の狙い目は、デビュー当初から設定される6気筒モデル「sDrive 23i」で、走行距離5万km前後の物件ならば200万円以下の予算でも購入可能。ただし低走行にこだわるならば230万円程度の予算が必要。一方SLKは1.8Lターボの「SLK 200」が買いやすい。物件数はやや控えめだが、Z4と同じく200万円以下の物件も存在する。両者とも高年式になると相場が跳ね上がるので、ターゲットは初期型となるだろう。

まとめ

 オープンカーといえば高級・高額なイメージを抱きがちだが、モデルや年式によっては低予算でも購入可能。定番のマツダ ロードスターも安くなる頃合いだし、コペンやS660のような軽スポーツも中古車物件が豊富で買いやすい。また、プレミアムブランドのメルセデスやBMWのオープンカーも、経年でグンと相場が下がっている。今回紹介した5台以外にも、リーズナブルに買えるオープンカーは多いので、じっくり探してみてはいかがだろうか。

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グーネットマガジン編集部

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