新車値引き情報
更新日:2020.03.26 / 掲載日:2020.03.26

【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

前代未聞、本部が値引きを消去! 注文殺到、3月納車が危ない!! 起死回生、“一番客”作戦が炸裂!!!

【プロローグ】 「三つ子の魂百まで」とはよくいったものです。物心ついたときに「クルマ好き」となり、そのまま還暦目前となってしまいました(笑)。
 これまで購入したクルマは22台! 現在も3台(詳しくはプロフィールを参照)を所有……も~完全にビョーキであります(爆)。
 で、今回は家族で共有しているフィットがまな板の上にあがりました。購入したのは2017年7月(このときもX氏として参戦。マイチェン直後の新型から大幅な値引きを獲得して評価5でした)。つまり、まだ2年半しか経っていません。しかし「フィットがフルモデルチェンジされる」との情報をキャッチしたら、もう居ても立っても居られない(笑)。ビョーキなんだから、仕方ありませんね(爆)。
 家族には「安全機構は日進月歩だ。家族の皆で共有するクルマこそ、最新型にして安全第一に徹する必要がある!」と力説。その結果、買い替えが決定しました。
 これまでの経験から新型は発売してからより発売前に商談したほうが攻めやすいと思っています。そこで、フィットのフルチェンにタイミングを合わせて、昨年秋から臨戦態勢に入りました。ところがなんと、部品の不具合が発覚して発売が延期に……。
 結局、商談開始は大きくずれ込んでしまいました。もっとも、この遅れのおかげでヤリスとの真っ向勝負が実現したわけです。
 なお、ナビやETC、その他の付属品はインターネットで安く購入して取り付けはDIYします。したがって、購入は付属品一切なしの素の状態(車両本体のみ)。また、下取り車のフィット13Gホンダセンシング(オレンジ色という不人気色)は買い取り専門店を集めてオークション方式で売却する予定です。

【12月14日(土)】 突然、現在乗っているフィットの担当セールス氏からLINEが入りました。
「昨日、新型フィットの価格が決まりました。発売は2月ですが、本日より事前商談ができます。よろしければお越しください。今のオーダーであれば、3月中の納車が可能です。各店の割り当ては1~2台です。急いで商談をした方がいいですよ」
 このセールス氏からはこれまでフィットを2台購入しており、親類にもN-BOXを紹介したばかりです。駆け引きなしの売り方をするタイプで、いつも最初から思い切った値引きを出してくれるので、大いに期待できます。
 早速、隣県へ越境してセールス氏のいるホンダカーズA店へ。ちなみに、私の住んでいるところは東京といっても県境近くなので、越境交渉が簡単にできます。
 挨拶もそこそこに、新型フィットの内部資料を見せてもらいました。一番安いベーシックを選び、メーカーオプションはLEDライトのみを選択する。
 あれ? セールス氏、これまでとはなんだか様子が違います。
セ「Xさん、今回はかなり厳しいですよ。値引きは一律3万円と本部からのお達しなんです」
X「それって、値引きがないのと同じ感じだよねぇ」
セ「付属品を付けていただければ、多少はなんとかできるんですが……」
X「いつもの私の買い方を知っているでしょ~」
セ「やっぱり車両本体のみですよね。それだと上司から『業販と同じじゃないか』っていわれてしまいますよ」
X「う~ん……3万円かね」
セ「私の判断では5万円ならば、なんとか店長と交渉できそうです。今すぐオーダーしないと3月納車が厳しいです」
X「早いに越したことはないけど、この値引きではね、とても買う気にならないなぁ~。納車は遅れてもいいから、いい条件が出せるようなら連絡してください」
 イヤー、今回はいつになく厳しそうです。それにしても発売が遅れた上に、こんな値引きで売れるのでしょうか? なお、支払い総額は5万円引きで約177万円。

【12月15日(日)】 経営資本の異なるホンダカーズB店からも「事前商談ができる」との連絡が入ったので出向いてみました。この店からは過去に3台も購入しています。相手は入社2年目の若手で、好感の持てる可愛いタイプ。
セ「新型フィットの値引きは基本3万円ですが、お得意様は5万円と本部からの通達がありました。今すぐに決めていただければ、2月末に納車が可能です」
X「値引きが5万円じゃねぇ~」
 ここで、外回りから帰ってきた店長さんが「Xさん、お久しぶりです!」と加わってきました。
X「店長さん、5万円引きはないよねぇ~、今回で4台目なんだよぉ~。以前は新型でも15万円は引いてくれたのにさぁ~」
店長「最近は仕入れ値が厳しくて今までのように値引きができないんですよぉ~。でも、何とかしましょう」 
 いったん奥に引っ込み、しばらくして戻ってきました。
店長「Xさん、10万円引きでどうでしょうか? そのかわり下取り車を入れてもらうのが条件です」
X「え~、下取り車はいつものように買い取り専門店を集めてセリをする予定なんだけど……このやり方が一番高く売れるからね」
店長「現時点で『車両本体から10万円引き』は本部が承諾してくれないんですよね。う~ん……それでは、とりあえず『下取り車あり』と記載にしておいて、あとで変更可能にします。Xさん、決めてください!」
X「ボディカラーについて家内と相談する必要があります。明日、連絡します」
店長「明日までに契約してくれたら当社で1番だと思います。よろしくお願いします!」
 本日はこれにて終了。
 さてどうするか?「新型フィットに早く乗りたい!」という気持ちと、値引きに満足できない気持ちが複雑に交錯しています。松本さんに電話で相談すると、
松本「最近は初売りでの販売実績を重視する傾向が強いので、年明けに勝負をかけることをお勧めします、その頃にはヤリスも事前商談ができると思います。新型フィットもヤリスをぶつければ少なからず反応するでしょう」
 夜、ホンダカーズB店の店長から電話が入りました。
店長「Xさん、すみません。本部から『5万円以上の値引きは絶対にダメ』とのお達しがありました。こうなるとどうしようもありません。やはり下取りを出してください。Xさんのフィットは75万円の査定額ですが、5万円上乗せして80万円で取ります。これでなんとかお願いします!」
X「納車は急いでいないので、もう少しじっくり考えます」
 査定ゼロの下取り車なら上乗せ分の5万円は実質的な値引きと考えてもいいけれど、しっかり値段の付くクルマなので損得勘定がわかりにくい。やはりセリで売るのが一番でしょう。正直、これだけガードが固いと、フィットに対する熱意が冷めてきました。

新型フィット、取り付く島なし……基本3万円、お得意様でも5万円

【12月21日(土)】 トヨタA店に出向く。この店からは3年前にランクル200を購入しています。担当セールス氏は清潔感のあるスポーツマンタイプ。つい最近、この人から長男がランクルプラドを50万円引きで買っています。
 ライズを試乗。3気筒エンジンは意外にパワフル。室内の広さと足元のスペースも許容範囲です。
 お店に戻って商談開始。
X「なかなかいい感じですね」
セ「おかげさまで売れ行きは好調です。Xさんのご希望のグレードはなんですか?」
X「本当は一番安いグレードでいいんだけど、ACCが必須なんで、一番高いZを選ぶしかないよね」
セ「すみません。その分、値引きを頑張ります! Xさんだけの限定条件ということで25万円の値引きではどうでしょうか?」
 内心マジ、凄い!と思うが……ここは冷静にいきます。
X「雑誌には28万円引きの例が載っていたけれど……」
セ「あれはメーカーオプションやディーラーオプションをたっぷり付けていますよ。それにローンを組んでいるし、下取り車もあります。Xさんの場合、まったくなしですから……正直、厳しいです」
X「ごめん。欲しいオプションがないんだ」(笑)
セ「もしもOKならば、今年の営業日も残りわずかですし、今月はノルマをすでに達成しておりますので、来年の1番の契約でお願いしたいと思います」
X「初売りってやつですね。このときに契約すると、さらにいいことがあるのかな?」
セ「……」(黙ってニッコリうなづく)
 松本さんのいう通り、初売りならヤリスも好条件が飛び出しそうです。帰り際、試しに下取り車を査定してもらうと90万円の値が付いた。ライズは納期に3か月くらいかかるとのことだが、納車まで乗っていても下取り額は下げないとのこと。となると、ホンダの「10万円の上乗せで80万円」というのは……なんだかなあ。

【12月23日(月)】 大穴のライズが浮上。そこで、本家のロッキーを扱うダイハツA店へ。ここはひとつ単刀直入にいきます
X「ライズとロッキー、どちらにするか迷っています。ブランドにはこだわらないので、値引きしだいで決めますよ」
セ「はあ……ロッキーは値引きできませんねぇ~」
 見積書には頼みもしないフロアマットやメンテナンスパックがしっかり計上されていました。
 年末はいろいろと忙しいので、年内の商談はこれにて終了。

【1月4日(土)】 年が明けました。実は、今年は年男の厄年。そこで初詣ではいつも以上にしっかりお祓いをしてもらいました。おみくじは「大吉」。幸先がいい。
 商談開始。まずは第二希望のヤリスを扱うトヨタB店へ。この店からは過去にヴェルファイアを購入したことがあり、そのときの担当セールス氏はいまや店長に昇格しています。なお、ヤリスの発売は2月とのことですが、すでに事前商談が始まっています。
X「ヤリスは社外品のナビを付けられないんだね」
店長「昨今のトヨタ車はTコネクトのナビ専用になりまして、社外品が付かないのですよ」
X「社外品を買ってきて自分で取り付けるのが趣味という、私のようなタイプには嬉しくないね」
 ヤリスの値引きは10万円。下取りは90万円。ライズの値引きも訊いてみると、同じく10万円。
店長「今日は年始初めの1日目です。ぜひお願いします!」
X「まだ迷っているので、嫁さんとじっくり検討させてください」

令和2年営業開始日を急襲! 値引き率15%+代車の快挙!

【1月5日(日)】 初売りで賑わうマツダへ。この店からは2年前にロードスターを購入しています。担当セールス氏は温和な感じのミドルエイジ。ぱっと見は少し頼りないがロードスターの時は思い切って頑張ってくれました。
X「今回は家族で共用するクルマの買い替えです。フィットとヤリス、それにライズが有力候補なんだけど、マツダにもチャンスはありますよ。マツダ2は6速ATに魅力を感じているので、ウルトラプライスが飛び出すなら、本命に浮上してきます」
セ「Xさんにはお世話になっているので、もちろん、120%頑張りますよ」
 提示してきた値引きは20万円。松本さんから「最近のマツダは渋い」と聞いていたので、ちょっとビックリ。ただし、ACCを希望するとブラインドビューパックを選ばなければならないため、支払い総額は200万円をオーバー。
セ「いかがですか?」
X「明日、判断をします」
セ「他店で決める前にご連絡してくださいね。決めていただけるなら、さらに限界を出します」
 マツダ2は末期なので、いまひとつ魅力を感じません。
 クルマにはほとんど興味がない妻ですが「ライズの室内の広さが気になる」とのこと。そこで、我が家から一番近いトヨタC店に出向くも……お休み。働き方改革の影響でしょうか、この店は年末から9連休だそうです。
 しかたがないので、近くにあったダイハツB店に飛び込みました。ライズもロッキーも基本的に同じクルマなので、サイズの確認には問題なし。なお、先日商談したダイハツA店は隣県のディーラーで、このB店とは経営が違います。
 応対してくれたセールス氏は30代前半のイケメンで、嫌味のないスマートな感じで好感がもてます。展示してあったロッキーに乗り込んだ妻は「SUVって狭いって印象をもっていたけれど、思っていたより広いね。足元もゆったりしていて、これならいいわ」とのことです。
セ「最近のダイハツは軽自動車以外でも頑張っています。なかでもロッキーは一番売りたいクルマです。ぜひ、お願いします!」
 提示してきたフィットの下取り査定額は100万円! おおっ、これまでの最高値です。
X「で、値引きは?」
セ「発売したばかりの新型車なので5万円が限界です」
 どうやら下取り額100万円は「値引き分」を含んだ数字ということのようです。値引き+下取りではトヨタA店には及びません。

【1月6日(月)】 いよいよ最終戦です。巷では「今日から仕事始め」ですが、私は休暇をとって商談に向かいます。
 妻も気に入ってくれたようなので、気持ちはライズに傾いています。しかし、あんなに冷たくされても、まだ新型フィットをあきらめきれません(笑)。
 一縷の望みを抱いて ホンダB店に乗り込みました。「本部から5万円引き以上は絶対ダメ」といわれているお店です。
X「年が明けて、少しは状況が変わりましたか?」
セ「大変申しわけないですが、状況は変わりません」
X「下取りは買い取り専門店に売るつもりなので、5万円引きのままではとても買えません」
セ「あの後、Xさんがこれまでうちでご購入いただいたフィットの注文書を調べてみたんですが、1代目が約14万円引き、2代目が約15万円引きでした。いずれも新型発売の直後ですから、今回だけ5万円引きっていったら納得していただけませんよね……しかし、いま注文が殺到しているときなのでむちゃなことができません。もう少しお待ちいただければ上乗せできるようになると思うのですが……」
 残念ですが、今回はあきらめましょう。大げさにいえば、長年付き合ってきたホンダとの決別です。ちょっと寂しい……。
 気を取り直して、トヨタA店へ。例のスポーツマンタイプのセールス氏が「お待ちしていました!」と元気よく出迎えてくれました。
 午前中、アポをとった際に、これまでの経過を伝えて、
X「新型フィットの購入を考えていたんだけど、ここにきてライズも浮上してきたよ。難色を示していた妻も実物を見たら気に入ってくれたしね。ただ大きな問題があるんだな。ライズはフィットやヤリスより価格が高いため予算をオーバーしてしまうことです。こちらのお店は年末年始9連休だったので今日が仕事始めですよね。去年の暮れに商談したとき『来年の1番の契約でお願いしたい』っていってたから、大いに期待していますよ」
 と、しっかりあおっておきました。前回のライズの条件は車両本体から25万円引き。果たして、どこまでいけるか? 
セ「Xさんにはぜひライズに乗っていただきたいと思っています!今日は絶対に決めていただきたいということで飛び切りの条件を用意しました!」
 提示してきた見積もりには車両本体とメーカーオプション6万4900円から31万7810円引き!と記載されていた。さすがに、これには驚きました。正直なところ、付属品いっさいなしの素の状態で30万円超に成功するとは思っていませんでした。
セ「Xさん、ライズは初売りで売り上げを伸ばしています。1日でも契約が延びると納期が遅れます。でも、今日なら3月末には間に合います。決めてください!」
X「う~ん……3月末かぁSUV。そこまで引き延ばすと、下取り車の買い取り額が下がってしまうのが痛いね、買い取り専門店は3月に売り出したいということで、2月に売却すると高値になるんだよね」
セ「なるほど、わかりました。代車を用意するので、早めに売っちゃってください」
 これで決定。最後に店長さんが出てきて「ありがとうございます! Xさんが今年最初のご契約です」とのこと。もちろん、それを狙っておりました(笑)。

【追記】 下取り車は2月末に買い取り専門店を集めたセリ方式によって116万円で売却しました。



購入データ
From東京都
TOYOTA ライズ
Z
トータル値引き 31.8万円

値引き採点 5
いきなり25万円引き。新年の営業開始日に乗り込んで勝負をかけたところ車両本体とメーカーオプション6万4900円から31万7810円引きに。付属品は一切なしのため値引き率は約15%!


提供元:月刊自家用車

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