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更新日:2018.10.24 / 掲載日:2017.05.29

「日本一の安全性」を衝突実験で実証! スバルの安全技術はここまで進化していた

文●ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、SUBARU

「ガシャーン」。身構えていてもなお身体が硬直するほどの大音量とともに、新型スバル XVはそのフロントを大破させた。原型を留めないほどに変形したフロントと、周囲に散乱した破片の数々が衝突エネルギーの凄まじさを物語る。

これは、スバルが主催する報道向けイベント「スバル テックツアー」で実施された「オフセット前面衝突試験」と呼ばれる衝突安全試験のひとコマ。カタパルトによって時速65km(JNCAPでは時速64km)まで加速させた試験車を、アルミハニカム製の障害物にオフセット(オーバーラップ率40%)させた状態で前面衝突させ、その時に人体ダミーが受けた衝撃や室内の変形などから乗員保護性能の度合いを評価するというものだ。

スバルのスタッフによって安全が確認され、近寄ることが許される頃になるとだいぶ冷静さが戻ってきた。改めて試験車を見ると、大破しているフロント部分に対して、乗員が乗るキャビン部分がしっかりと元の形状を維持しており、フロントガラスも割れていないことに気がついた。試験を主導したスバル 第一技術本部 車両研究実験第2部 部長の古川寿也氏は、試験車に近寄ると運転席のドアを開閉してみせる。ドアは、フロント部分の大破ぶりからは想像できないくらいスムーズに動いていた。
2016年度JNCAP予防安全性能アセスメントにて過去最高の得点を獲得し、2016年度「衝突安全評価大賞」を受賞。創設以来初めてとなる「衝突安全評価特別賞」も受賞した「インプレッサ スポーツ/G4」および「XV」の実力がまさしく実証された瞬間だった。

新型インプレッサとXVが2016年度「衝突安全評価大賞」を受賞

5月24日に群馬県太田市のスバル群馬製作所で行われた本イベントは、スバルが自社の安全思想に対する理解を深めてもらうことを目的に開催されたもの。矢島工場内に招待された一行は、まずスバルの安全思想、歴史や最新の安全技術などに関するプレゼンテーションを受講。スバルは飛行機の製造開発に携わっていたことから、乗員の安全性については高い意識を持っており、1958年に登場し、「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル 360の開発においても、当時まだ安全規制がなかったにも関わらず衝突実験を行なったというエピソードも披露された。
そして、新型インプレッサおよびXVが、2016年度JNCAP予防安全性能アセスメントにおいて「乗員保護性能評価」95.02点、「歩行者保護性能評価」96.07点、「シートベルトリマインダー評価」8.0点(満点)という過去最高の得点を獲得し、2016年度「衝突安全評価大賞」を受賞。さらに創設以来初めてとなる「衝突安全性能評価特別賞」を受賞した要因についても解説が行われた。
それによると、2025年までという長期を見据えて開発したスバル グローバルプラットフォームが持つ高いボディ剛性と衝突エネルギーを巧みに分散させる構造によって、高い安全性を生み出すことができるようになったこと。それに加え、歩行者用エアバッグを標準採用したことも、「歩行者保護性能評価」での高得点とともに、「衝突安全評価特別賞」の受賞につながったと分析していた。

自動車事故ゼロに向けて挑戦を続けるスバル

今回のツアーでは、先のオフセット全面衝突試験のほかに、歩行者保護エアバッグ展開試験についても4シチュエーションを実施。
試験では、通常の展開に加えて、歩行者エアバッグの展開部分に泥が付着したという想定の展開試験も行われ、無事にエアバッグが開くことが確認された。一方、必要なとき以外に歩行者用エアバッグが開かないという実証のための試験も公開。ペットボトルを積んだショッピングカートに試験車が衝突したり、水濠に車両が侵入して大きな衝撃がかかっても、歩行者用エアバッグは開くことがなかった。
人とそれ以外の衝突との見極めはバンパーに設置された圧力センサーに加わる数値の解析によるもので、度重なる実験によって、人と人以外を高精度で見分けることが可能になったという。
スバルによれば、正確な数字は公表できないものの、このような衝突実験は年間で500回以上行われているとのことだ。

近年の自動車技術の発達によって交通事故による死傷者数は年々下降する傾向にあり、スバル独自の安全技術である「アイサイト搭載車」では追突事故が84%低減、歩行者事故発生率についても49%低減と、最新の安全技術による成果は確実に出ている。しかし、乗客の死亡率が減る一方で、歩行者の死亡数ついてはまだまだ改善の余地があったとスバルは説明。インプレッサおよびXVに歩行者用エアバッグを標準化した背景にも、自動車事故ゼロに向けて、安全装備に重点的に力を入れていく方針があったと語った。

多くのひとが楽しめる手頃な価格、操る喜びを感じさせる優れた動力性能と動的質感、そして乗員だけでなく歩行者まで見据えた高い安全性。スバルの目指すクルマ作りの深さと想いを改めて体感したツアーであった。

スバルの取り扱いディーラーはこちら

  • スバル 第一技術本部 車両研究実験第2部 部長の古川寿也氏

  • 「オフセット前面衝突試験」

  • 「歩行者保護エアバッグ展開試験」

  • 写真提供:SUBARU

  • 写真提供:SUBARU

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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