輸入車[2019.11.04 UP]

ジープ レネゲード/気になる中古車【試乗判定】 人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)が真剣チェック!

2019年モデル ジープ レネゲード トレイルホーク

文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド 写真●グーワールド
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年12月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

この記事の目次

ジープの歴史を継承したもっともコンパクトなSUV
ジープらしさを味わうなら4WDのトレイルホークがオススメ
試乗判定レビュー

関連情報

ボディタイプ:SUV・クロカン 輸入車
Member Profile

自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

自動車ジャーナリスト【九島辰也】
長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

ジープの歴史を継承したもっともコンパクトなSUV

イタリアの血が入った国際派のジープ

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はSUV専門メーカーであるジープからレネゲードの登場です。お借りした車両は個人所有のもので、2019年式、グレードは「トレイルホーク」、走行距離は3000kmとなります。
竹岡●雰囲気が新しいなと思ったら本当に新しかった(笑)。
編集部●ディーラーがデモカーとして展示していたものをオーナーの奥様が気に入って購入に至ったそうです。ですので今回はマイナーチェンジ前と後での変化もふまえて試乗してオススメ車をご提案していただきたいと考えています。
九島●OK、OK。
編集部●レネゲードは2015年に登場したニューモデルですが、これまでのジープとは違ったポップな雰囲気が特徴ですよね。
九島●イタリアの血が入っているからね。2009年にフィアットがクライスラーの株式を取得してから両社の関係が急速に接近して、お互いの強みを生かそうということになったのね。それでクライスラーは、フィアットが得意にしている小型車の技術を提供してもらうことで、それまで遅れていたエンジンの環境対応やコンパクトカーの開発に力を入れることができたわけ。
竹岡●そして両社は2014年にFCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)に経営統合して現在に至ると。レネゲードはフィアット500xの兄弟車で、発表・発売されたのもヨーロッパが先。グローバル化を目指すジープブランドの先駆けになったモデルなんだよね。
九島●日本ではジープといえばラングラーが圧倒的に人気があるけど、欧州ではレネゲードがジープブランドの稼ぎ頭で、販売ランキング上位の常連だったりするんだ。
編集部●そうなんですね。そんなレネゲードが日本に導入されたのは2015年で、1.4Lターボで前輪駆動の「リミテッド」(140馬力)と2.4L自然級で4輪駆動の「トレイルホーク」(175馬力)というラインアップでした。2016年にベースグレードの「ロンジチュード」(140馬力)を追加。2018年の一部改良でスマホと接続できる新型インフォテインメントが導入され、安全装備も充実。シートデザインも一部変更されました。そして2019年にマイナーチェンジでエンジンを一新。全社新開発1.3Lターボとなりました。グレードによる違いはチューニングと駆動系で、FF系は151馬力で6速DCT、4DWの「トレイルホーク」は179馬力で9速DCTとなります。
竹岡●レネゲードのデザインって1941年のウィリスをモチーフにしてるんだけど、テールランプにガソリン携行缶のバッテンを取り入れたりとか、けっこう遊んでる。前期型はそれがちょっとやりすぎ感あったんだけど、後期になって少し落ち着く方向性になって、個人的にはこっちのほうが好みかな。
九島●基本的なテーマは変わらないんだけど、室内の雰囲気も少ししっとりして大人でも乗りやすいね。
編集部●ではそろそろ、試乗のほうをよろしくお願いします。

九島「ジープブランドの歴史を大切にしたモデルだね」

竹岡「ジープに乗るなら4WD!トレイルホークがオススメ」

DETAIL CHECK

ジープらしさを味わうなら4WDのトレイルホークがオススメ

編集部●さて、おふたりに試乗の感想を伺います。いかがでしたか?
竹岡●後期モデルは、クルマとしてよくなってるね。すごくしっかりしたと思う。ボディもがっちりしたし、新エンジンになって軽快さも出た。デザインも後期のほうが好みかな。でも、トレイルホークのエンジンは、前期の2.4LNAのほうがよかったなー。いかにもジープらしくて。悩む……。
九島●クルマ選びにはそういうこと、往々にしてあるよね(笑)。まずレネゲードってデザインが魅力的だよね。女子ウケもいいんだよ。個人的には4WDのトレイルホーク一択。
竹岡●FFだったらフィアット500xでいいじゃない。「ジープ=4WD」って考え方、古いかな?
九島●日本ではとくにそうだよね。ラングラーが圧倒的人気で、最近はグラチェロも伸びてきているけど。このスタイルを見て誰もが「ジープ」だって認識できるでしょ。
編集部●クロカン・SUVのまさに代名詞ですものね。そういえば、トレイルホークってジープのなかでもオフロード走行の基準を満たしたモデルだけが名乗れるんですよね。
九島●そうだね。「どこまでも行ける、何でもできる」っていうジープブランドのDNAを体現したモデルで、それぞれに定められた基準をクリアした証でもあるんだ。
竹岡●中古車相場ってどうなの?
編集部●前期型は100万円後半から存在しますが、メインは200万前半ですね。注目のトレイルホークは全体の3割程度で、200万後半といったところです。
竹岡●男女問わず似合うクルマだし、初めてのジープとしても、個性派デイリーカーとしてもオススメです!

ポップなテイストのインテリア後期モデルは安全装備が充実

 ジープの機能性をポップな表現でまとめたインテリア。ステアリングにはクルコンなどのスイッチが配置される。2019年のマイナーチェンジで先進安全装備が充実。前面衝突警報(トレイルホークを除く)、車線逸脱警報やブラインドスポットモニターなどが標準装備となった。

小さくても安全装備は充実 素材感はグレードによって差が

 豪華装備の「リミテッド」のフロントシートは8Way電動調整式でシートヒーターも内蔵。「ロンジチュード」と「トレイルホーク」は運転席が6Way電動で助手席が4Way手動となる。一方で安全装備についてはグレードによる差はほぼなく、エアバッグも7つ標準装備される。

高さ調整機能付きフロア採用でラゲッジをもっと使いやすく

 ラゲッジルームは、「リミテッド」と「トレイルホーク」にリバーシブル高さ調整機能付きカーゴフロアを標準装備。また、リヤシートの分割可倒機構は「ロンジチュード」が6対4、「リミテッド」と「トレイルホーク」が4対2対4(トランクスルー付き)となる。

4WDは「トレイルホーク」のみ 後期型は全車1.4Lターボに

 パワートレーンは「ロンジチュード」と「リミテッド」が1.4Lターボに6速DCTで前輪駆動。前期モデルは140馬力、後期モデルは151馬力にパワーアップしている。4WDモデルの「トレイルホーク」は、前期が2.4L NA+9速DCTで175馬力、後期が1.4Lターボに9速DCTで179馬力。

試乗判定レビュー

※各項目に対して10点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

【10点】SUVブームと言われて久しいですが、どんどんクルマ達が大型化するなか、改めてよく考えるとこれくらいのコンパクトサイズのSUVって意外とないんですよね。このサイズ街中、とくに日本の交通事情ではちょうどイイサイズなんです。お買い物に出かけるにも、ママが子育てに使うにも、予想以上のジャストサイズ。アウトドアでも大活躍しちゃいます。

【10点】誕生当初はペイントボールなどの雰囲気を盛り込んだ、悪ガキ的子供っぽさがあったものの、マイナーチェンジで落ち着きを見せ、逆にユーザー層が広がった感じ。女性にもより受け入れやすくなったと思います。アメ車ではあるけれど、インテリアも欧州車系だから、使い勝手の面でもより親しみやすい感じ。安全装備もついて選びやすくなりましたね。

【9点】パワートレインが変わって軽やかな感じになりましたね。取りまわし面でも扱いやすくなったし、燃費の面でもよくなったのではないかと思います。でも個人的には2.4L NAエンジンの、いかにもという雰囲気が好みだったというのも事実。フィアット500Xの兄弟車でもあるので、レネゲードはあえて4WDのトレイルホークを選んでほしいなぁと思います。

九島辰也

【10点】アメリカを代表するSUVブランドであるジープは、これまでのような自国向け中心の商品企画からワールドワイドに向けた商品づくりへと舵を切っている。FCAとの共作となるレネゲードは、まさにその象徴的存在だ。実際に欧州ではトップセラーの常連で人気は非常に高い。日本でもヒットしたXJ型チェロキーに近いボディサイズは、日本の街中でも使いやすい。

【9点】ジープがタフでスパルタンなクルマだったのは昔の話。たとえばレネゲードにはインフォテインメントシステム「Uconnect」が採用されていて、ナビゲーションやエアコンの操作を画面上でのタッチ操作や音声認識システムによって行うことができる。シートやステアリングも欧州車的なデザインで、多くのひとにとって親しみやすいだろう。

【9点】今回試乗したのは最新スペックのエンジンを搭載した後期モデル。それだけにわずか1.3Lターボとは思えない軽快な走りを見せてくれた。そのあたりは流石、小型車の歴史を持つフィアットのノウハウなのだろう。「トレイルホーク」は4WDモデルだが、かつてのクロカンのような扱いやすさはなく、コンパクトカー感覚で乗れるのも嬉しいところ。

グーワールド 編集部

【10点】誰でも知ってるジープならではの特徴的なデザインをコンパクトなボディに凝縮させたレネゲードは、これまでジープに乗ったことのないひとにもアピールが強いモデル。最新流行のコンパクトSUVのなかで、ひととはちょっと違ったテイストを求めているひとにぴったり。年式が新しいこともあって中古車も程度のいいものが多く、選びやすいクルマです。

【9点】世界各国で販売することを前提に開発されたモデルだけあって、装備は現代的で充実しています。ベーシックモデルの「ロンジチュード」でも必要にして十分な内容ですが、中古車になればグレードの価格差が圧縮されるため「リミテッド」または「トレイルホーク」も検討したいところ。とくに4WDモデルは後々のリセールバリューも期待できます。

【10点】かつてのラングラーはいかにも重心が高く、高速道路やコーナーでスピードを出すのが得意ではありませんでした。しかしレネゲードはそうしたクセがほとんどなく、普通のコンパクトカーのような感覚で運転できます。もちろんアイポイントはSUV的に高いので、見通しもグッド。予算が許せば、走りが洗練された後期モデルを積極的に選びたいところです。

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