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更新日:2019.10.29 / 掲載日:2019.10.29

SUZUKI 新型ハスラー(ハスラーコンセプト)超解剖

6年ぶりの全面刷新となった大人気軽SUVハスラー。パッと見は現行型踏襲に見えるが、その中身はどう進化しているのか? 今分かっている情報から先取り比較してみよう。

全面刷新でライバルを置き去りに!?

icon ハスラーコンセプト

●主要諸元
全長:3395mm、全幅:1475mm、全高:1680mm、ホイールベース:2460mm、パワーユニット:658cc直列3気筒 吸気VVT マイルドハイブリッド/658cc直列3気筒ターボ 吸気VVT マイルドハイブリッド、駆動方式:4WD

icon ハスラーコンセプト(アーバンアウトドアスタイル)

●主要諸元
全長:3395mm、全幅:1475mm、全高:1910mm(ルーフラック含む)、ホイールベース:2460mm、パワーユニット:658cc直列3気筒ターボ 吸気VVT マイルドハイブリッド、駆動方式:4WD

初代にそっくりの顔立ちに進化した遊び心を満載する

 スズキというメーカーは、ありそうでなかった商品企画を当てるのが上手だ。’13年暮れに発表され、’14年新春に発売するや、想像を上回るスマッシュヒットとなったハスラーも、その代表例だった。
 同時代の5代目ワゴンRをベースにした、軽クロスオーバーSUV。という商品企画は、すでに小型車以上ではクロスオーバーSUVが人気を呼んでいた当時、まさにありそうでなかった。
 しかも、その出来栄えも素晴らしく、デザイン、走り、使い勝手ともに、老若男女の幅広い層に支持されたのだ。発売初年に早くも10万台超を販売した人気ぶりは、それがウケ狙いのキワ物ではなく、誰もが求めていた商品だったことを物語っていた。
 東モに出展されるコンセプトカーは、おそらく年内には正式発表となる新型の、ほぼ完成形だ。
 パッと見の印象は、「ふーん、ハスラーか」と、つい通り過ぎてしまいそうなほど似ている。メッキの丸型ベゼルの傍らにターンランプをセットしたヘッドランプの造形やグリル回りは、現行型そっくり。デザイナーがそれを完全に狙っていることがうかがえる。
 それでも、目ざとい人なら抑揚の強くなったボンネットやグンと凝った印象になったバンパーなどに気づくだろう。新旧の2台を並べれば、その違いはより明確に分かるはずだ。
 一方、サイドに回り込むと、新旧の違いははっきりと分かる。あえて抑揚を抑え、ウインドウ回りをサッシュではなくプレスドアとしてSUVらしいワイルドさを盛り込んだボディサイドの造形や、三角窓をなくし、ウインドウ前端からドア直付けに変更したドアミラーなど、印象が大きく違うのだ。
 リヤクオーターに四角いウインドーが加えられているのも、初代とは違う。よりアクティブに見えるそうした変更を加えながらも、ひと目で「あ、ハスラーだ」と分かるように仕上げているところが、デザイナーの腕の見せ所なのだ。
 一方、見えないメカニズムも、しっかりと進化させている。
 ベースとなるプラットフォームは、8代目アルトから採用されて現行ワゴンRにも使われている最新世代のHERTECT(ハーテクト)で間違いないだろう。初代の登場当時はレーダー式だった衝突被害軽減ブレーキも、最新のデュアルカメラブレーキサポートとなり、夜間歩行者検知機能や後退時ブレーキサポートも搭載可能。ターボ車には、全車速での追従機能を備えたアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能まで備わることになる。

クロスカントリー感を全面に打ち出した新型ハスラーのインパネデザイン。これまでのライトSUVイメージからは一変しているのが特徴だ。

新型ハスラーは、ここに注目!

プラットフォームが新世代に

軽量、高剛性の新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」がいよいよ新型ハスラーに採用される。サスペンション部品を骨格の一部として利用し基本性能を向上させる。さらに室内空間もよりゆとりのあるものになるはず。

運転支援もアップデート

衝突軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」の夜間歩行者検知や後退時サポートを搭載。ターボ車には、全車速での追従機能を装備したアダプティブクルーズコントロールや車線逸脱抑制機能も採用され最新安全装備にアップデートされる。

デザインのアクティブ感アップ

基本的なデザインモチーフは現行型の延長線上に見えるが、外観では樹脂パネルの面積が広がり、骨格も“角形感”が増している。一番変わったのはインパネまわり。曲面と直線を組み合わせ、アクティブでタフなイメージを全面に押し出している。

現行型ハスラー(写真)のプラットフォームは先代ワゴンRがベースとなっている。今回、新世代プラットフォームに進化し、すべてがブラッシュアップされる。走りの質がどれくらい向上しているか楽しみだ。

新型 VS 現行型

※現行型の写真は一部改良前の物を含む

icon 新型ハスラー

2019年10月23日 東京モーターショーデビュー

icon 現行型ハスラー

●価格:112万900~176万6600円

2013年12月発売/2015年12月一部改良

最新世代のシャシーは上質で快適な走りに実績

 HERTECTを採用して以降のスズキの軽自動車は、いずれも小型車並みの安定した走りや乗り心地を高く評価されている。現行ハスラーもオンロードでのハンドリングや乗り心地は好評だったが、最新プラットフォームを手に入れた新型は、さらに走りと乗り心地を洗練させてくるはずだ。
 オフロード性能は、当初から本格オフローダーのジムニーにはかなわないとはいえ、初代ハスラーも十分なアプローチアングルやデパーチャーアングルを備え、急な下り坂を一定速で下れるヒルディセントコントロールや、滑りやすい路面での発進をアシストするグリップコントロールも用意されていた。新型でも、十分なオフロードの走破性が期待できるだろう。
 防汚機能の付いたラゲッジルームや荷物が固定しやすい多数のアンカーなど、アウトドアでの使い勝手の良さも、初代から好評だったポイントだ。
 新型でも、荷室側からスライド可能なリヤシートや防汚性をさらに高めたラゲッジルームが謳われており、街乗りだけでなく、本格的に遊び倒せるギアとしての機能に手抜かりはないだろう。アーバンアウトドアスタイルで提案する充実した用品類も必見だ。

エクステリア/パッケージング

軽自動車規格いっぱいの全長と全幅は不変だが、ホイールベースは35mm延ばされる。全高1680mmは、現行より15mmのプラスだ。パッケージング的には初代と同様に、ベースとなるワゴンRに準じたものになるだろう。つまり誰にでも運転しやすく、視界も良好だ。

インテリア

ボディ同色パネルをインパネ全面に貼り付けている現行型ハスラーに対し、ボディ同色の範囲は小さくなっているが、ヘキサゴンのモチーフを3つ置いてアクティブ感を高めている新型。新世代プラットフォームの採用で、室内長も伸び、現行型以上にキャビンのゆとりが拡大しているはずだ。

icon 新型

icon 現行型

ユーティリティ

現行ハスラーも左右独立後席スライドやワンタッチダブルフォールディング機構を備え、汚れをふき取りやすいラゲッジフロアなどを採用していた。新型はさらに後席スライドが荷室側からできるようになり、フロアの防汚性もさらに高められているという。

icon 新型

icon 現行型

ライバル仮想対決

ガチライバル不在だが強いて挙げればキャストアクティバがライバル

キャストアクティバ

 ハスラーには、登場から丸5年を経た今も、直接的なライバルがいない。商品戦略的には、ダイハツがキャストのバリエーションとして設定しているSUVテイストのアクティバが競合している。しかし、遊びのツールとして、デザインだけでなく、走破性や使い勝手も本気で作り込んだハスラーと比べると、キャストアクティバは樹脂製のフェンダーガードや大径タイヤでそれらしく装っただけの乗用車だ。デザインが気に入り、SUV風の街乗り車として使う分には問題ないが、オフロードや雪道などの走破性では、ハスラーの完封勝ち。それは新型でも変わらないだろう。もっとも、ダイハツではかつてのビーゴの後継となる小型SUVの登場が予想されており、そちらが出ると情勢は変わるかもしれない。

icon DAIHATSU キャスト

●価格:124万8500~180万4000円

●主要諸元
(Gターボ“プライムコレクション SA III”)
全長:3395mm、全幅:1475mm、全高:1630mm、ホイールベース:2455mm、パワーユニット:658cc直3DOHCターボ、最高出力:64PS/6400rpm、最大トルク:9.4kg・m、JC08モード燃費:27.0km/L

  • キャストはセダンタイプとスポーツセダンタイプもラインナップしているため、SUVテイストのアクティバでもオーソドックスな乗用車デザインを流用する。

  • ラゲッジ床下には大容量の収納スペースを用意。ボードを跳ね上げて固定すると背の高い荷物も積み込むことができる。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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