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更新日:2019.10.16 / 掲載日:2019.10.16

【トヨタ 新型ヤリス ワールドプレミア】20年目の大刷新! 新生ヤリスの全容が明らかに!

トヨタ 新型ヤリス

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 トヨタは、2019年10月16日、コンパクトハッチバックの「ヤリス」をメディア向けに世界初公開をおこなった。豊田章男代表取締役社長の「良いクルマ作りの原点は、コンパクトカーにあり」という強い想いから生まれた新生ヤリスは、TNGAを全面的に取り入れて開発。全方位で進化を果たし、従来の車格という枠組みを超えた新時代のコンパクトカーに仕立てられているという。「ヤリス」シリーズのリスタートの思いを示すべく、新型より名称も輸出名であった「ヤリス」に統一することにしたという。早速、明かされた詳細について紹介したい。

新型ヤリスのデザインコンセプトは「B-Dash!」。イメージカラーは赤系の「コーラルクリスタルシャイン」

トヨタ 新型ヤリスのリヤスタイル

 走りの良さを強くアピールする新型のデザインコンセプトは、「B-Dash!」。これは、有名TVゲームでお馴染みのキャラクターを加速させるボタン操作のことだが、この「B」には、大胆(BOLD)、活発(BRISK)、美しく(BEAUTY)の意味が含まれる。もちろん、新生ヤリスの魅力をより前面に押し出すという意思でもあるが、見た目からも鋭い加速で、弾丸のようにダッシュするというヤリスの元気な走りを連想させるものを目指したという。このため、スタイルはコンパクトさを強調しつつ、走りの良さを予感される躍動感あるものに仕立てられている。特にリヤスタイルは、従来型のようなボクシーなものではなく、テールゲートを傾斜されることで、軽快さを演出。さらにリヤフェンダーを大きく張り出すことで、安定感ある走りを連想させるものとした。そのボディサイズは、全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm。ホイールベースは、2550mmに。現行型比較だと全長-5mm、ホイールベースは+40mmなので、ほぼ同等サイズといえるが、ホイールベースを拡大することで、シャープなスタイルでも、キャビン内の広さを犠牲にしない工夫が凝らされたようだ。ボディカラーは、モノトーン12色と2トーン6種類を設定。イメージカラーの赤系の「コーラルクリスタルシャイン」とピンク系の「アイスピンクメタリック」の2色が新規採用されている。

質感を高めた新型ヤリスのインテリア。全車に車載通信機とディスプレイオーディオを標準装備

トヨタ 新型ヤリスのインテリア。インパネは上下それぞれが異なる弧を描く

 インテリアは、無駄をそぎ落とすことで広さと快適さを確保。視界の良さも重視し、運転し易い空間を目指している。ダッシュボートもコンパクトにまとめられ、メーターパネルは、フードレス双眼デジタルTFTメーターを採用。ソフトタッチ素材や収納を拡大するなど、ワンクラス上の室内空間が目指されている。またカローラシリーズに続き、スマートフォン連携が可能なディスプレイオーディオとDCM(車載通信機)を全車に標準化。現代ではマストであるナビゲーションやミュージックサーバーなどの機能は、スマートフォンアプリを活用できるようになった。この機能は、オプションとはなるものの、「Apple CarPlay」や「Android Auto」にも適用する。もちろん、従来の専用ハードによる車載ナビゲーションシステムを追加することも可能だ。この他にも、DCMを活用した様々なコネクテッドサービスが提供される。またハイブリッド車には、ヤリスとして初の1500Wの外部給電機能もオプション設定され、アウトドアや非常時の家電利用を可能としている。

  • トヨタ 新型ヤリスのステアリングは従来の小型車用に比べて小径化されている

  • トヨタ 新型ヤリスのシフトレバー。サイドブレーキはレバータイプ

  • トヨタ 新型ヤリスのフロントシート

  • トヨタ 新型ヤリスのリヤシート

コンパクトカー用の新型TNGAプラットフォーム「GA-B」を全面採用。優れた基本性能が自慢。4WDの「E-Four」も設定

 新型ヤリスでは、TNGAによる全面刷新も大きな特徴だ。TNGA初のコンパクトカー向けプラットフォーム「GA-B」を採用することで、軽量かつ高剛性、低重心化を可能とした。具体的には、車両重量は最大50kg軽量となり、ねじり剛性は30%以上向上、重心は15mm下げることで、優れた操縦安定性と上質な乗り心地を両立させたという。パワートレインは、主力となる1.5L車は、新開発の「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」を採用。1.5Lのガソリン車は、直噴仕様となり、ローギア付きの「Direct Shift-CVT」と6速MTを設定。1.5Lのハイブリッド車は、小型・軽量化と高出力・高効率化を図った新開発のハイブリッドユニットを組み合わせることで性能を向上。さらに待望のハイブリッド4WD車「E-Four」も新設された。エントリーとなる1.0Lエンジンは、従来型の3気筒エンジンを改良。ただCVTは、新開発とすることで、性能向上を図った。1.5Lの新エンジンは、3気筒化されたが、これはパワー向上を狙ったものであり、新ヤリスの走りを支える一つの柱となっている。サスペンション形状は、フロントは、マクファーソンストラット、リヤは、トーションビーム(FF車)と形式こそ従来同様だが、ゼロの見直しを図ったもの。さらに4WD車(E-Fourを含む)には、従来型とは異なる新開発の2リンク・ダブルウィッシュボーン式とした。また走りについてのチューニングは徹底的に行われ、快適なだけでなく、運転して楽しいコンパクトカーが目指された。

  • トヨタ 新型ヤリスのエンジンは3タイプ。ガソリン車用1.5LとHV用1.5Lは新規開発

  • トヨタ 新型ヤリス。HVにはリチウムイオンバッテリーを採用

ニーズの高まる先進安全機能も強化。「Toyota Safety Sense」を全車に標準化

トヨタ 新型ヤリス

 トヨタでも先進の安全運転支援機能も標準化が進められているが、新生ヤリスでは、上級車と混色ない最新世代の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準化。衝突被害軽減ブレーキの「プリクラッシュセーフティ」、車線中央維持支援機能の「レーントレーシングアシスト」、アダクティブクルーズコントロールである「レーダークルーズコントロール」、自動的にハイビーム切替を行う「オートマチックハイビーム」、標識認識機能の「ロードサインアシスト」などを備える。なかでもプリクラッシュセーフティ機能は、強化されており、トヨタ初の交差点シーン対応となる。これは交差点右折時に、前方から来る対向直進車や交差点右折後の横断歩行者の検知が可能なもので、衝突の危険が高いと判断すると自動的にブレーキが作動し、衝突回避または被害軽減を図る。さらにトヨタ初の先進機能として高度駐車支援システム「Advanced Park」を採用。これは、駐車時のハンドル・アクセル・ブレーキ制御をクルマが自動で行うもの。ドライバーは、駐車システム開始の1回のボタン操作と前後発進を切り替えるシフト操作のみで済むので、周囲の安全確認に集中できるというわけだ。もちろん、ソナーとカメラが障害物を検知すると、警告と共に自動的にブレーキを作動させる。また世界初の機能として白線の無い駐車場のメモリ機能があり、白線の無い自宅や職場駐車場でも駐車支援機能が簡単に使えるようになっている。

新型ヤリスのグレード構成は? 国内での発売は2020年2月中旬を予定

トヨタ 新型ヤリス

 グレード構成も公表されているので、ご紹介したい。1.5Lは、ガソリン車とハイブリッド車共に、エントリーの「X」、スタンダードの「X」、上級仕様の「G」の3タイプを用意。1.5Lのガソリン車では、全グレードで、CVTと6MTの選択が可能。CVT車では、4WDも用意。先にも述べたが、ハイブリッド車は、シリーズ初の電気式4WD「E-Four」が選べるようになる。法人需要を担う1.0L車は、エントリーの「X」、その装備を簡素化するとみられる「X Mパッケージ」、スタンダードの「G」となり、こちらは全てFFとCVTの組み合わせとなる。

 全面刷新を受けた新型ヤリスの価格は、現時点では非公表。国内販売は、2020年2月中旬を予定している。ただ年内から一般公開が開始される。東京モーターショー期間中となる2019年10月23日(水)~11月4日(月・祝)の東京・お台場のショッピングモール「ヴィーナスフォート」を皮切りに、全国各地の展示会を行うという。

 豊田章男社長の肝入りのコンパクトカーである新生ヤリスは、既にマスタードライバーである章男社長自身も試乗済みで、「ずっと運転したくなるドライバーズカー」や「ファーストカーとしても十分な活躍可能」であることが確認されている。我々が、その走りを体感できるのは、もう少し先となるが、まずは、新型ヤリスの進化を知るべく、実車チェックに、各地のイベントへ出向いてみよう。



 

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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