自動車保険
更新日:2023.07.13 / 掲載日:2019.11.07

自動車保険の等級とは?等級が上がる・下がる条件と保険料の違い

自動車保険の等級とは?等級が上がる・下がる条件と保険料の違い

グーネット編集チーム

自動車保険に関して、「等級」という言葉や「等級が上がる」「等級が下がる」という表現を耳にしますが、自動車保険の「等級」の正しい意味をご存知でしょうか。

今回は、自動車保険の等級とはなにか、そして、等級が上がる条件や下がる条件、それぞれの保険料の違いなどについて詳しく解説します。

自動車保険の等級(ノンフリート等級制度)とはどんなもの?

自動車任意保険の保険料を算出するときに使われるのが、ノンフリート等級制度です。一般的にノンフリート等級制度に関する説明の際には「等級」と省略されて呼ばれています。ノンフリート等級制度は、契約者が所有・使用するクルマの保険契約に対して、保険料の割増・割引率を等級の区分で適応する制度になります。この等級の内容について解説しましょう。10台を超えるクルマで契約をしていた場合はフリート等級となり、一般的な等級とは意味が異なりますのでご注意ください。

等級は1~20等級まで

等級は、1等級~20等級までに分かれ、新規契約の場合、基本は6等級からスタートします。ただし、2台目以降のクルマに対して、新規で保険に加入する場合に一定の条件を満たしていれば適応される「セカンドカー割引」などによって、7等級から始まる場合があります。なお、等級の数字が高くなると、保険料が割引率が増加するようになっています。

すべての自動車保険で利用

ノンフリート等級制度は、自動車保険会社が過去の事故履歴などから、契約者の事故を起こす可能性・リスクを判定して契約者の「等級」を決め、その等級の区分によって保険料の割増・割引率を決定する制度です。

等級はすべての自動車保険会社共通して適応され、通常、自動車保険に新規で加入する際は「6等級」からのスタートになるなどの仕組みも自動車保険会社で共通しています。

等級の数字が大きいほど保険料が安くなる

事故を起こした経験が少ない契約者ほど等級が大きくなり、等級の数字が大きければ大きいほど高い割引率が適用され、保険料が安くなっていきます。

保険の等級が上がる条件とは?

自動車保険は、等級が上がれば保険料が安くなり、等級が下がれば保険料が高くなる仕組みであることをご理解いただけたと思います。それでは、保険の等級が上がる具体的な条件について見ていきましょう。

無事故なら翌年1等級アップ

ノンフリート等級制度における等級は事故の履歴に応じて決められ、等級によって保険料の割引率が変化します。この制度では、1年間事故で保険を使わなければ、翌年度に1つ等級が上がります。基本的に等級が高くなれば割引率も上がります。

等級アップで保険料はこれだけ安くなる

順調に無事故を続ければ、等級が上がり、それに合わせて保険料の割引率も上がっていきます。
また、前年に事故を起こしている場合と事故を起こしていない場合では割引率が異なるため、事故ありの場合と無事故の場合での割引率を確認しておきましょう。(継続契約の場合)

・無事故の場合の等級と割引率
7等級:-30%
8等級:-40%
9等級:-43%
10等級:-45%
11等級:-47%

・事故有の場合の等級と割引率
7等級:-20%保険料
8等級:-21%保険料
9等級:-22%保険料
10等級:-23%保険料
11等級:-25%保険料

※割引・割増率の数値につきましては、改定される場合がございます。
 実際の保険料とは異なりますので、ご了承のほどお願い申し上げます。

保険の等級が下がる条件とは?

等級が上がる条件とともに等級が下がる条件もしっかり理解しておきましょう。
等級は、事故を起こしてしまった際にその補償として保険を利用すると下がっていきます。

事故でも保険不使用なら等級は下がらない

何らかの事故にあっても、保険を利用しなければ、等級に影響はありません。事故にあったとしても保険を利用せず、自己負担で修理したり、廃車にして新車を購入した場合などは等級は下がりません。

等級が下がる事故の内容

等級が下がる事故には、「1等級ダウン事故」と「3等級ダウン事故」の2つの種類があります。どの保険でも、自動車任意保険である以上、ノーカウント事故以外、自動車保険を使用すれば事故によって等級が下がります。

3等級ダウン事故の内容

事故で保険を使った場合、ほとんどの場合で翌年の契約の等級が3等級ダウンします。保険を利用することで3等級ダウンする事故のことを「3等級ダウン事故」と呼びます。3等級ダウン事故は、事故の中で1等級ダウン事故とノーカウント事故を除いた事故が対象となります。以下の事故が、3等級ダウン事故の代表的な例です。

・他人のクルマと衝突事故を起こした
・当て逃げにあった
・運転中、電柱にクルマをぶつけた
・自分のクルマで他人にケガをさせた
・自分のクルマで他人のクルマを壊した

1等級ダウン事故の内容

車両の盗難や落書き、台風などによる損害などで車両保険などを使った場合、1等級ダウン事故になります。具体的には以下のような例が1等級ダウン事故に当たります。

・飛び石でクルマにキズが付いた
・クルマに落書きなどのイタズラをされた
・盗難にあった
・台風などの自然災害による被害を受けた

保険を使っても等級が下がらないケースもある

保険を使っても等級が下がらないケースもある

グーネット編集チーム

自分が被害に遭った場合の事故は「ノーカウント事故」となります。ノーカウント事故はノンフリート等級制度の事故件数としてはカウントされないので、ノーカウント事故の場合、翌年のノンフリート等級はダウンしません。翌年の契約等級は、現在の契約等級から20等級を限度に1等級進んだ等級が適用されます。

ノーカウント事故は契約内容に準拠

対象となる保険の補償や特約は、保険会社および契約内容によって異なります。人身傷害補償特約、弁護士費用補償特約、搭乗者傷害保険、無保険車傷害特約などが代表的なものです。

自分の保険に関して確認したい方は、保険証の保険契約内容を見てみましょう。不明な点は加入保険会社に問い合わせておくと良いでしょう。

1等級ダウン事故との違いに注意

飛び石やイタズラによる被害は、「自分に非がないので等級に影響しないのでは」と考えがちです。

しかし、このような事故は1等級ダウン対象となり、ノーカウント事故として扱われることはありませんので、注意してください。人身傷害や個人賠償特約などの場合は、ノーカウント事故となります。以下がノーカウント事故の原因の被害が間違いやすいケースです。

・飛び石
・イタズラ
・火災や爆発
・盗難
・台風・洪水・竜巻・ひょうなど

保険の等級アップor等級ダウンで保険料にどれくらの差がある?

自損事故などを起こしてしまったとき、「等級が下がるので保険を使うかどうか迷う」という会話を耳にされたことのある方は多いでしょう。等級アップと等級ダウンが保険料にどの程度影響するかまでわかれば、保険を使うかどうかある程度自分で判断することができます。

ここでは、10等級・保険料が7万円の条件で事故を起こしてしまったと仮定し、翌年度の保険料を無事故の場合と比較して、具体的な事例を挙げて解説します。ただし、あくまでも概算ですから、自分の保険に関して詳細を確認したい場合は、加入保険会社に問い合わせてください。

・無事故の場合、1等級アップし、保険料が3,000円ダウン
翌年等級は11等級に上がり、保険料は70,000円から67,000円に下がります。

・事故ありの場合、3等級ダウンし、保険料が32,000円アップ
翌年等級は7等級に下がり、保険料は10,2000円となります。

このように無事故か事故あり保険使用かで、翌年の保険料は35,000円も違ってきます。さらにダウンした等級は翌々年以降の保険料にも影響を及ぼします。2年後は8等級保険料101,000円、3年後は8等級保険料99,000円となるのです。保険料が70,000円に戻るのは、無事故を続けて4年後になってしまいます。自損事故の際に「等級が下がるから安易に保険は使わない方がいい」というのは、案外正しい判断なのかもしれません。

※割引・割増率の数値につきましては、改定される場合がございます。
 実際の保険料とは異なりますので、ご了承のほどお願い申し上げます。

自動車保険の等級は保険料と連動!等級のアップ・ダウンの条件を理解しておこう

自動車任意保険のノンフリート等級制度、そして、等級が上がる条件と下がる条件についてご理解していただけたでしょうか。保険の契約期間中に保険を使わなければ等級は1等級アップ。等級ダウンは、事故の内容によって、3等級ダウン事故と1等級ダウン事故に分かれます。また、保険の補償や特約を使った等級に影響しない「ノーカウント事故」も存在します。
一度等級が下がると、その影響で上がった保険料を元の金額まで戻すには、何年もかかってしまうケースもあります。

ノンフリート等級制度の仕組みと等級アップ・ダウンの条件をしっかり理解し、自損事故などで修理が必要な場合、保険を使うかどうかを保険を利用することで上がってしまう保険料と、無事故を維持したときの保険料の差額や修理代を比較して冷静に判断しましょう。不安のある方は保険会社に問い合わせて正確な保険料を計算してもらうようにしましょう。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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