カーライフ
更新日:2023.08.18 / 掲載日:2019.08.05

卒業検定(卒検)の流れや気をつけることとは?減点項目や合格のコツを解説

卒業検定の流れや試験内容は?採点方法や合格のコツについて解説
グーネット編集チーム

 クルマの免許を取得するために、自動車教習所を利用しようと考えている人が多いのではないでしょうか。ただ教習所を卒業し免許を取得するには、卒業検定(略して「卒検」とも)に合格しなければなりません。

 そこで、今回は卒業検定の内容や流れを説明するとともに、卒検での減点項目や受かるためのコツ、気をつけることなどについてご紹介していきます。これから免許を取得しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

卒業検定とは

 卒業検定とは、自動車教習所にて最終的に受けなくてはいけない検定試験のことです。卒業検定に合格しないと、教習所を卒業できません。合格の判断基準は、どれだけ安全運転で走行できるかがポイントとなっており、教習所の教員に判断を仰ぐのではなく自分自身で状況判断し運転できるかが大切です。

 ただ、この卒業検定を合格したからといって免許が取得できるわけではありません。卒業検定に合格した後に、運転免許センターにて学科試験を合格すると、晴れて免許が取得できます。 免許の取得までに受ける必要のあるいずれの検定も大切ですが、何より運転の技術力が求められてくるのが卒業検定といってもいいでしょう。

卒業検定の内容・流れとは?

 ここでは、卒業検定の内容を説明していくとともに、卒検に至るまでの流れについて説明していきます。

卒業検定の内容と時間

 卒業検定は自動車教習所の卒業試験で、これまで教習所で学んできたことが身についているかどうかを確認するために、路上運転などで行われる技能試験のことです。

 試験は路上運転と教習所内のコースで行われます。路上運転は約20分~25分ほどで、指定のコースに沿って運転する際に安全確認や徐行運転、歩行者の保護などができているかを見られます。そして、教習所内のコースは約5分~10分ほどで、縦列駐車や、左右の方向変換ができるかなどを見られます。

卒業検定までの流れ 4つのステップ

 教習所では試験に必要な技術や運転マナーを学科教習で、実際の運転技術について技能教習で学んでいきます。そして、卒業までに必須となる学科教習、技能教習が終了すると、卒業検定を受けることができます。 教習所に入校してから卒業検定までは、大きく分けると「第一段階」「修了検定」「仮免許学科試験」「第二段階」の4つのステップがあります。

1.第一段階
 学科教習と技能教習があり、AT車とMT車でカリキュラムが変わります。学科教習はどちらも10時限ほどですが、技能教習はAT車が12時限以上、MT車が15時限以上受ける必要があります。

2.修了検定
 第一段階の全教習が終わったら、次に受けるのが修了検定です。修了検定では教習所内の指定コースを運転して、交差点に問題なく進入できるか、急発進などの危険な運転をしないかといった運転技能を見られます。

3.仮免許学科試験
 修了検定を合格したら、「仮免許」を取得するための仮免許学科試験を受けることになります。仮免許学科試験は、第一段階で学んだ基礎的な交通ルールや法令から出題され、全50問のうち45問以上が正解すれば合格です。

4.第二段階
 第二段階でも学科教習と技能教習があり、AT車・MT車ともに学科教習は16時限ほど、技能教習は19時限以上受けることになります。第二段階の技能教習からは、路上にて卒業検定に向けての運転方法を学んでいきますので、まずは仮免許取得に力を注いでいきましょう。

卒業検定に合格する点数・基準・採点方法とは?

卒検に合格する点数・基準・採点方法とは?
グーネット編集チーム

 卒業検定に合格するためにはどのような基準で採点されるのでしょうか?ここでは卒業検定に合格するための採点基準や採点方法、合格に必要な点数について説明していきます。

採点の基準

 採点は自動車教習所の教員が助手席に座り運転の様子を確認することによって判断されます。主に運転マナーをしっかりと守って運転できているか、運転技術に問題はないか、周りへの注意が散漫になっていないかなどを確認していきます。教員に判断を任されますが、基本的な技術やマナーを守って注意深く走行することが大切です。

採点方法

 検定はミスが無ければ100点になる、減点方式の採点方法となっています。減点となる項目が細かく設定されており、教習所の教員が確認した段階で減点されます。大きなミスが有った場合はその段階で失格となり、検定が終了となる場合もあります。

合格するために必要な点数

 検定終了時点で、100点中70点以上の点数を持っていれば合格となります。もし70点未満の点数になった場合は不合格となり、再検定の対象となってしまいます。

卒業検定の減点項目とは 起こりやすい12個のミス

 先述の通り、卒業検定では減点方式で採点を行っていますが、その採点基準もしっかりと設けられていますので、事前に確認しておくと安心でしょう。以下に、運転中に減点される恐れのある項目を12個ピックアップして記載していきます。

1.安全措置及び運転姿勢ができていない(安全措置不適、運転姿勢不良など)
 ドアを完全に閉めていない状態や、ルームミラーの調節をしていない状態で発進をしてしまうなど。

2.発進ができていない(アクセルムラ、エンスト、逆光、発信不能など)
 発進の段階で、アクセル操作が一定ではなく不自然にムラがある場合やエンストを繰り返してしまう場合など。

3.速度維持ができていない(指定時間過不足、速度維持、指定速度・到達不能など)
 指定された時間内に卒検を完了できなかった場合や、速度の維持ができなかった場合、指定速度を守らなかった場合など。

4.合図及び安全確認ができていない(合図不履行、安全不確認)
 左や右に曲がる際に合図を出していなかったり、安全確認を怠ってるなど。

5.制動ができていない(惰力走行、制動操作不良、前後輪ブレーキ不使用、暴走など)
 走行に危険性がある場合や、ブレーキをまったく使わずに走行をしてしまったり、暴走行為を行ってしまうと減点となる恐れがあります。

6.操向ができていない(切り返し、急ハンドル、ふらつき、転倒、通過不能など)
 ハンドル操作において、急ハンドルをしてしまったり、運転中のふらつきやあやまって転倒をしてしまった場合など。

7.車体感覚ができていない(停止位置不適、巻き込み防止、脱輪、接触など)
 前を走っている車体との感覚が近かったり、停止位置に止まることができていない場合や脱輪をしてしまった場合など。

8.通行区分ができていない(路側帯進入、追いつかれ、バス等優先、右側通行など)
 路側部分に進入をしてしまっていたり、バスなどの優先順位を守れていない場合や、右側通行していない場合など。

9.進路変更等ができていない(進路変更違反、禁止違反、後車妨害など)
 決められた進路と別の方向に進行した場合や、後続車両の進行の妨げになるような走行をしてしまった場合など。

10.直進、右左折等ができていない(右左折方法違反、信号無視、進行妨害など)
 右左折方法が間違っていたり、信号無視をしてしまったり、周りの進行を妨害してしまった場合など。

11.歩行者保護等ができていない(泥はね運転、横断者保護違反、安全間隔不保持など)
 歩行者に対しての気遣いができているかを確かめられ、水たまりをクルマではねた場合の泥はねをしてしまったり、歩行者の横断を妨げてしまったら減点となってしまいます。

12.最高速度、踏切通過及び駐車等ができていない(踏切内変速、急ブレーキ禁止違反、割込みなど)
 踏切を通過する際に、変速的な速度で走っていないか、急ブレーキをかけて線路内に止まってしまっていないかなどを確認し、減点対象かどうかを見られます。

卒業検定の合格率・難易度はどのくらい?

 教習所によって異なりますが、卒業検定の合格率は一般的にはおよそ90%といわれています。この数字から、教習所に通う大半の人が合格していることがわかりますが、その一方で合格できない人もいるのが現実です。

 もし、合格できなかった場合は、何が悪かったのかを自己分析しつつ、教員に確認を取るなどして何が足りないのかを明確にして対応すると良いでしょう。 難易度も人の考え方や運転に対する意識の持ちようで異なり、積極的に卒業検定に向けて準備をしている人が合格します。

卒業検定で落ちた場合どうなるのか?

 卒業検定に合格しなかった場合は、再度、卒業検定を受ける必要があります。 その場合の料金やスケジュールの変更点について説明していきます。

料金

 再び卒業検定を受ける場合、教習所によっては料金が発生します。金額も教習所によって異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。また、再受検の前には補習教習を1時限受けなければならず、教習所によっては補習教習の料金もかかる場合があります。

スケジュール

 卒業検定を受けるには、実施日の前日までに申し込まなければならない教習所が多く、1時限の補習教習を受けたうえでの再受検となるため、不合格となった場合は同日に再受検することができません。 そのため、卒業検定を再度受けることになった場合には、早めに補習教習を受けておくと良いでしょう。教習所によって、卒業検定を実施する曜日や週に行う回数などが異なりますが、早ければ翌日には再受検となります。

卒業検定に合格するためのコツ・ポイントとは?

 ここまで卒業検定に関する詳細を伝えていきましたが、実際に卒業検定に受かるためにはどのようなコツがあるのでしょうか? ここでは、卒業検定に合格するためのコツやポイントについて説明していきます。これから卒業検定を受けようと考えている人は、ぜひ参考にしていただき本番に向けて対策を練ってみてください。

卒業検定前に指導員に自分の運転に関しての質問をして対策をする

 卒業検定を受ける前に、自分がどの部分に気をつけるべきかなどは、自分ではなかなか気づかないものです。そんな時は、指導してくださっている指導員に聞いてみましょう。自分のこと以上に、運転に関しては知識やクセを見てくれています。卒業検定の時に、何に気をつけておけばいいかなどの質問をして対策を練っていきましょう。

卒業検定当日に向けて体調管理をしっかりとする

 体調管理がしっかりできていないと、普段できている運転もできなくなってしまいます。安全運転をしていくためには、正常な判断が必須です。卒業検定が行われる前日には、早めに寝て体調が万全の状態で臨んでいきましょう。

指導員にも伝わるように安全確認する

 卒業検定では、周囲の障害物やほかのクルマ、歩行者などを認識して安全に運転できているかを見られます。そのため、安全確認は必須となりますが、自分ではしっかりと目視で確認しているつもりでも、目や顔を少し動かして確認しただけでは指導員からはわかりません。 指導員にもきちんと確認していることがわかるよう、ややオーバーだと思われるぐらいの動きを意識して安全確認を行うと良いでしょう。

路上運転のコースを下見してイメージトレーニングを行う

 卒業検定の路上運転は、実際のコースを事前に共有されるので、何度か下見をしておきます。特に、コース中にあまり得意ではない部分があれば、入念にイメージトレーニングをしておくと苦手意識がやわらぎ、本番でも焦らず運転することができるでしょう。

卒業検定を受ける際に気をつけることとは?

 卒業検定を受ける際にはいくつか注意しておきたい点があります。先述のコツ・ポイントとあわせて知っておくと、よりリラックスして卒業検定に臨めるでしょう。

自分の運転技術を過信しすぎない

 最初は不慣れな運転も、だんだんと慣れてきて、卒業検定を受ける際にはそれなりの自信を持っている人もいるでしょう。そんな時に余裕を持って卒業検定に挑んでしまうと、大きな事故や失敗を起こしてしまう恐れがあります。 何より自分の運転を過信せず、自分は初心者だと自覚して運転していきましょう。

 また卒業検定を前にして自信がないという人は、安全運転講習を行っている教習所もあるので、自分で積極的に練習して安全運転を心がけていきましょう。

卒検中は焦らない

 何より卒業検定に落ちてしまう人でも大半の原因が「焦り」によるものです。どうしても卒業検定となると、受からなくてはいけないという緊張感からか焦ってしまいます。自分の中で焦りができてしまうと、普段できていることもできなくなってしまいます。 更に普段できていることができないとなったら、余計に焦りが生じ、更なる失敗を起こしてしまうのです。そうならないためにも、失敗をしても焦らないようにしていきましょう。誰でも初めから完璧にできるわけではありません。一度失敗しても、焦らずゆっくりと運転をしていきましょう。

 卒業検定を取得するまでには、様々な技術を教習所にて学んでいくことができます。ただ、いざ本番となったら、なかなか本来の力を発揮できないものです。減点を気にしながら運転をしていると、注意すべき部分が多すぎて戸惑ってしまう人もいることでしょう。そんな時は焦らず、いつもの教習を思い出して、安全運転を心がけていくことが大切です。卒業検定を終えて運転免許センターで学科試験合格となれば、晴れて免許取得です。最後まで気を抜かず取り組んでいくと良いでしょう。

卒業検定は実技だけ?

自動車教習所での卒業検定は実技試験のみ行われます。卒業検定に合格した後に、運転免許センターにて学科試験を合格すると運転免許が取得できます。

卒業検定の流れとは?

卒業検定は、路上運転と教習所内のコースの両方で行われます。所内では縦列駐車や方向転換、路上では指定のルートを走行し、安全確認をきちんと実施しながら運転できているかなどを見られます。

卒業検定に合格して交付される卒業証明書の有効期限は?

卒業検定合格日から1年間が卒業証明書の有効期限となっています。その間に運転免許センターでの試験を受けて合格すれば運転免許を取得できます。

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グーネットマガジン編集部

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