車のニュース
更新日:2019.07.09 / 掲載日:2019.07.09

ダイハツ、元祖スーパーハイト系軽乗用車「タント」をフルモデルチェンジ

この記事の目次

ダイハツ工業は7月9日、軽乗用車「タント」をフルモデルチェンジし発売した。このモデルは、2003年に発売した初代がスーパーハイト系という今では大人気ジャンルを開拓し、2007年に発売した2代目では当時としては軽初の助手席側にセンターピラーレスとスライドドアを組み合わせたピラーインドア「ミラクルオープンドア」を実現、2013年に発売した3代目では両側パワースライドドア、先進装備を採用して、子育てママ世代を中心に支持されている。6年ぶりにフルモデルチェンジした4代目となる新型は、ダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」による第1弾で、新開発のプラットフォーム、新CVT、大幅に改良したエンジンなど、メカニズムを一新して高い基本性能を備えるとともに、「新時代のライフパートナー」をキーワードに、すべての世代のニーズに応えるべく開発し、引き続き搭載した「ミラクルオープンドア」を最大限に生かして使い勝手を進化させた「ミラクルウォークスルーパッケージ」、機能を強化した予防安全運転支援システム「スマートアシスト」などを採用している。

デザイン

エクステリアは、標準系がシンプルで愛着のあるフロントマスクなど、親しみやすいスタイルで、初代から続くほのぼのとさせる楕円形のヘッドランプ、リヤコンビネーションランプはともにLEDを採用している。カスタム系は、厚みを持たせた存在感のあるフロントマスクなど、スポーティかつ上質なスタイルで、LEDリヤコンビネーションランプはクリアクリスタルの特徴的なデザインとなっている。

インテリアは、視界の良さと見やすさを両立したワイド&ローのデジタルメーターなど、手や目が動く軌道上に表示を集約させたドライバー中心のコクピットを採用し、フロントピラーは従来モデルよりも細くして(極細ピラー)、左折、右折時の視認性を高めている。カラーは、標準系はグレー基調、カスタム系はブラック基調で、エアコン吹き出し口などにグリーンまたはネイビーのアクセントカラー、カスタム系は随所にメッキ加飾やプレミアムシャインブラックを施して、上質で高級感のある空間を演出している。シートは、骨盤を確実にサポートし、シート座面のクッションの硬さを最適化することで、ホールド性、フィット感、座り心地を向上させて、長時間座っても疲れにくくなっている。

【標準系】

【カスタム系】

各部品の配置を最適化したドライバー中心のコクピット

フロントの極細ピラー

メカニズム

ボディは、ダイハツの新世代のクルマづくり「DNGA」による新開発のプラットフォームを採用した。このプラットフォームは、操縦安定性、乗り心地の性能を最大限引き出すために、サスペンション部分を最優先で設計してボディ骨格を最適に配置し、衝突安全性、ボディ強度、曲げ剛性などを大幅に向上させるとともに、ハイテン鋼材の使用や構造合理化により、プラットフォームを含むボディ骨格全体で約40kgの軽量化を実現している。

パワートレーンは、国内初となる複数回点火(マルチスパーク)の技術、燃料噴射方法(スワール噴霧)など、大幅に改良した658cc直3DOHCエンジン(NA、ターボ)を搭載し、NAエンジンは軽初の平成30年排出ガス基準75%低減レベル☆5を取得している。

トランスミッションは、より伝達効率のいい「ベルト+ギヤ駆動」ができる世界初の「スプリットギヤ」の新技術を採用した新CVT「D-CVT」を搭載し、低速域ではパワフルでスムーズな加速、高速域では「ベルト+ギヤ駆動」により、伝達効率を約8%向上し、低燃費で静かな走りを実現している。

足回りは、急なステアリング操作でも安定して走行できる操縦安定性、凸凹道でもソフトでフラットな乗り心地、踏力が少ない方でも楽に踏むことができるブレーキ性能を備えている。また、シームレスなボディなどにより風切り音を低減して、静粛性を高めた。

新開発のプラットフォーム

  • NAエンジン

  • ターボエンジン

トランスミッション「D-CVT」

ユーティリティ

全高を先代の1750mmから1755mm(2WD車)に拡大して室内ウォークスルーをよりしやすくするとともに、先代から16mm低床化したことで、乗降性と荷物の積載性も向上させた。運転席シートは、世界初の後席まで最大540mmスライドできる機構を備えた運転席ロングスライドシートを採用(グレード別設定)し、ミラクルオープンドアから運転席への乗降性が向上したほか、運転席に座ったまま後席にいる子どもの世話をしたり、荷物を取ることができる。助手席シートは、フルフラット化、リクライニング角度を拡大し、後席シートは左右それぞれワンモーションで格納できるように改良するとともに、後席ドア側、バックドア側のどちらからでもレバー操作で格納を行うことができる。

収納スペースは、メガネケースなどが収納できる運転席アッパーボックス(グレード別設定でUSBソケット1個付き)、ティッシュボックスなどが置ける助手席大型インパネトレイ、500mlの紙パックも入る運転席カップホルダー、小物や500mlのペットボトルなどが置ける後席クォータートレイ&ボトルホルダーなどのほか、子ども用マグカップなどが入るカップホルダー、左右マルチフック、タブレット立てかけ機能などを備えた格納式シートバックテーブル(運転席/助手席)、携帯用ウェットティッシュなどが入る運転席シートバックポケットなどをセットにしたメーカーパッケージオプションを用意する。

主な寸法(前後乗員間距離、ステップ高の数値は社内測定値、「L」「カスタム L」グレードの室内長は2060mm)

バックドア寸法(開口幅、開口高、荷室フロア高の数値は社内測定値)

  • 運転席ロングスライドシート

  • 室内ウォークスルー(イメージ)

  • 運転席ロングスライドシート(イメージ1)

  • 運転席ロングスライドシート(イメージ2)

シートアレンジ(助手席フルフラット)

後席を格納した状態

【収納スペース】

  • 運転席アッパーボックス(USBソケット1個付き)

  • 前席プルハンドル

  • 助手席大型インパネトレイ

  • グローブボックス

  • 運転席カップホルダー

  • 助手席カップホルダー

  • 前席ドアポケット&ボトルホルダー

  • 後席クォータートレイ&ボトルホルダー

  • 格納式シートバックテーブル(運転席/助手席)

  • 運転席シートバックポケット

先進安全装備

予防安全運転支援システム「スマートアシスト」を強化し、従来からの「衝突警報機能」「衝突回避支援ブレーキ機能」「車線逸脱警報機能」「先行車発進お知らせ機能」「オートハイビーム」に、車線逸脱しそうな時にステアリング操作を支援する「車線逸脱抑制制御機能」、ハイビームで走行中に対向車を検知すると、対向車の部分のみ自動で遮光してくれる軽初の「ADB(アダプティブドライビングビーム)、カスタム系のみ設定」、進入禁止の標識をメーター内に表示してくれる「標識認識機能(進入禁止)、グレード別設定」、前進、後進時の衝突回避をサポートする「ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)」の機能を追加した。

さらに、速度に応じて車間距離を自動で調整する「全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)」、車線の中央を走行するようにステアリング操作を支援する「LKC(レーンキープコントロール)」、ステアリング操作もアシストする軽初の駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」の運転支援機能をメーカーパッケージオプションで用意する。また、全車標準装備のフルLEDヘッドランプは、左折、右折時にはステアリングを切った方向、後退時には左右両側を明るく照らしてくれる夜間の安全性を高める「サイドビューランプ」を採用している。

ADB(アダプティブドライビングビーム)

スマートパノラマパーキングアシスト

快適装備・その他装備

軽初の快適装備(グレード別設定)として、半ドア時に自動で閉めてくれる「助手席イージークローザー」、パワースライドドアが閉まる前に、フロントドアハンドルのタッチ式リクエストスイッチに触れることで、ドアロックを事前に予約することができる「タッチ&ゴーロック機能」、降車の際にインパネに設置したスイッチを押すことで、クルマに戻った時に開錠操作をすることなく、パワースライドドアを自動で開けることができる「ウェルカムオープン機能」のほか、紫外線(UV)を約99%、赤外線(IR)を約50%カット(ダイハツ調べ)することができる「360°スーパーUV&IRカットガラス(フロントクォーター/フロントドア/リヤドア/リヤクォーター/バックドアウインドウ)」をメーカーパッケージオプションで用意する。

高齢者の乗り降りをサポートする装備として、理学療法士などとの「産学共同研究」で開発した、助手席フロントピラー、運転席&助手席シートバックに取り付けられるラクスマグリップ(助手席フロントピラーはメーカーオプション、運転席&助手席シートバックはディーラーオプション)、「ミラクルオープンドア」の開口広さを活用できる1170mmのロングステップ「ミラクルオートステップ(ディーラーオプション)」を用意する。

  • タッチ式リクエストスイッチ

  • 360°スーパーUV&IRカットガラス(フロントクォーター/フロントドア/リヤドア/リヤクォーター/バックドアウインドウ)

  • ラクスマグリップ(助手席フロントピラー)

  • ラクスマグリップ(運転席シートバック)

  • ラクスマグリップ(助手席シートバック)

  • ミラクルオートステップ

ラインナップ

icon L

icon X

icon X ターボ

icon カスタム L

icon カスタム X

icon カスタム RS

ボディカラー

標準系には全9色、カスタム系には全8色、2トーンカラーを全3色(「カスタム X」「カスタム RS」グレードが選択可能)設定する。また、カスタム系の2トーンカラーを選択すると、ブラックのサイドガーニッシュを装着する。

  • アイスグリーン(新色・標準系のみ)

  • マスタードイエローマイカメタリック(新色)

  • ブルーミングピンクメタリック(標準系のみ)

  • シャイニングホワイトパール(新色)※1

  • ホワイト(標準系のみ)

  • ブラックマイカメタリック

  • ブライトシルバーメタリック

  • レーザーブルークリスタルシャイン ※1

  • ファイアークォーツレッドメタリック

  • パールブラック(新色・カスタム系のみ)※1

  • プラムブラウンクリスタルマイカ(カスタム系のみ)※1

  • ブラックマイカメタリック×シャイニングホワイトパール(2トーンカラー・カスタム系のみ)※2

  • ブラックマイカメタリック×レーザーブルークリスタルシャイン(2トーンカラー・カスタム系のみ)※2

  • ブラックマイカメタリック×ファイアークォーツレッドメタリック(2トーンカラー・カスタム系のみ)※3

※はメーカーオプション。価格は※1が2万7000円、※2が7万5600円、※3が6万4800円。

フレンドシップ(福祉車両)

回転後にシート部分が車外に出ないため、助手席のドアが全開できないような狭い駐車場スペースでも乗り降りができる新設定の「ウェルカムターンシート(回転シート車)」、シートと昇降ユニットを一新し昇降性と操作性が向上した「ウェルカムシートリフト(昇降シート車)」、ワンタッチでスロープの前倒しができる機能を追加した新開発のリトラクタブルスロープの採用などで、車いすの乗降性、固定操作が向上した「スローパー(車いす移動車)」の3モデルをラインナップ。

ウェルカムターンシート(回転シート車)

ウェルカムシートリフト(昇降シート車)

スローパー(車いす移動車)

主要諸元・車両本体価格

【主要諸元】

X
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1755<全高は1775mm>●ホイールベース(mm):2460●車両重量(kg):900<950>●駆動方式:FF/4WD●パワートレーン:658cc直3DOHCエンジン(52PS/6.1kg・m)●トランスミッション:CVT●WLTCモード燃費 (km/L):21.2<20.2>●燃料タンク容量(L):30[レギュラー]●最小回転半径(m):4.4

カスタム RS
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1755<全高は1775mm>●ホイールベース(mm):2460●車両重量(kg):920<970>●駆動方式:FF/4WD●パワートレーン:658cc直3DOHCターボエンジン(64PS/10.2kg・m)●トランスミッション:CVT●WLTCモード燃費 (km/L):20.0<18.8>●燃料タンク容量(L):30[レギュラー]●最小回転半径(m):4.7

※<>の数値は4WD車。

【車両本体価格】

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ