【グー連載コラム】徹底分析中古車相場（2019年5月）

4WDとひと括りにされがちだが、その種類は多岐にわたる。しかも現代では、4輪の駆動力をコンピューターが制御することで、エンジンが発生する動力を最適かつ効率的に路面に伝えることができるようになった。4輪がすべて駆動輪となるため、アンダーステアあるいは、オーバーステア症状に陥りにくいので、あらゆる走行状況で操縦安定性を確保する能力は、2輪駆動のそれを遥かに凌駕する。今回はSUVを中心にピックアップしているが、G-RやNSX、インプレッサWRXなどのハイパワースポーツカーの駆動方式に4WDが採用されていることも、動力の伝達能力やハンドリングに優れた4WDが、いかに有効な駆動方式であるかを裏付ける要因になっていると言えるだろう。
　また、昨今は低燃費であることが強く求められているため、通常時はFFやFRなどの2輪駆動で走り、必要に応じて4輪駆動へ自動変更することで、燃料消費を抑制するシステムも増えている。SUVでもオンロードを主体とするモデルでは、このタイプを採用する車種が多い。
　クルマは4つのタイヤを使って走る乗り物だから、そのすべてを駆動させる4輪駆動車は、他の駆動方式よりもタイヤを効率よく使える。これが4輪駆動の優れたパフォーマンスの源となっているわけだ。

ロングセラーを続けている生粋のオフロードSUV
　　軽自動車で本格的な悪路走行ができる唯一無二の存在として根強い人気を維持している。4WDシステムは、舗装路では後輪駆動の2WDで走り悪路で4WDに切り替えるパートタイム式を採用する。小型のボディは日本の狭く曲がりくねった林道に最適だ。

先代型は20年以上に渡って生産されていたことから流通台数が豊富だ。趣味性が高く、山間部や降雪地域のアシとしてもニーズが多いが、中古車の相場は新型が登場したことの影響もあってか、ゆっくりと下落中だ。

スポーティな走りを誰でも安心して楽しめる
　スバル独自のアクティブトルクスプリット4WDにX-MODEを組み合わせ、ドライバーのスキルを問わず、あらゆる状況においてつねに安定した走行が可能だ。パワーユニットは2L自然吸気に加え、現行型では選べない直噴ターボもラインナップされる。

旧型になって間もないが、相場は緩やかに下降中。4WDの性能はどの年式も変わりないが、走行性能や機能性が向上し、アイサイトもver.3へと進化して安全性を飛躍的に高めた2015年以降のモデルが狙い目となる。

オン／オフを問わない走りが魅力
デフロック機構やHI-LO切り替えの副変速機などを持つ本格4WDシステムを搭載。同カテゴリーではややマイナーな存在ゆえに、高性能な4WDを手頃な価格で入手することができる。

過酷な場面でこそ真価を発揮
　4輪を常に駆動できるセンターデフ式を採用し、悪路で駆動力を高める副変速機も備えた本格派だ。悪路走行を想定して頑丈に作られているので低年式、多走行車でも不安なく使える。

カジュアルに乗れるクロスオーバー
　走行状態に合わせ、リアルタイムでトルク配分を制御するアクティブトルクスプリットAWDを採用。乗用車感覚で乗れるクロスオーバーらしい特徴を持ち、幅広いニーズに対応する。

ハイテク満載の本格クロカン
フルタイム4WDをベースに、クロールコントロールやマルチテレインセレクトといった電子制御システムを搭載する。高額なクロカンSUVとあって、中古車相場も高値をキープしている。

アウトドアレジャーに最適な1台
4WDコンピュータが走行状況に応じて前後トルク配分を切り替え、安定した走りを実現するインテリジェント4×4を採用。多彩な機能や装備を備え、中古車市場でも高い人気を誇る。

ディーゼル特有のよさを実感
シティSUVらしく、4WDシステムを構成するパーツ類を小型化することで2WD車と変わらぬ軽快感を実現している。現行型の中古車が市場に流通し、相場は下落傾向を強めている。

ハイレベルな運転支援も魅力
コーナー進入時の安定性と、滑りやすい路面での発進性を高めるアクティブトルクスプリットAWDを採用。ワゴンベースのSUVらしく安定した走りと実用性の高さで好評を博している。

オンロード志向で扱いやすい
通常はFF状態で走行し、滑りやすい路面になると4WDに切り替えるリアルタイム4WDシステムを搭載する。人気は今ひとつだが、それゆえに相場は下落傾向を強め、購入しやすい。