新型車比較・ライバル車対決
更新日:2019.04.17 / 掲載日:2019.04.17

最旬ライバルSUVガチ比較

2019春SUV選び 実力伯仲の名勝負をセレクト

いまやSUVは屈指の激戦区。どのモデルを狙ったとしても、キャラの近いライバル車が存在している。ここでは激しいバトルを繰り広げている6つのカテゴリーに注目。どれがベストの選択なのか? をお教えしよう。

BATTLE1 お手頃コンパクトSUV対決

icon HONDA ヴェゼル 3タイプのパワートレーンを展開 装備充実の人気コンパクトSUV

  • ●価格帯: 207万5000-290万3040円

    NA車、ハイブリッド車、ターボ車と3つのパワートレーンの中から選ぶことが可能。いずれもエンジンは1.5Lクラスだ。全グレードにホンダセンシングが標準装着されるなど、装備面の充実ぶりも見逃せない美点だ。

  • ●ヴェゼル バリエーション&価格

icon TOYOTA C-HR ガソリンターボ車にFFモデルを追加 良質の走りがコスパ良く入手可能

  • ●価格帯:229万-292万9200円

    デビュー当初は、ハイブリッド車と4WDのターボ車のみの設定だったため、比較3車の中ではやや割高な価格だったが、昨年春の商品改良でターボ車にもFFモデルを追加。ライバル勢に近い価格設定となった。

  • ●C-HR バリエーション&価格表

icon MAZDA CX-3 豪華仕様グレードも選べるマツダSUVの末っ子モデル

  • ●価格帯:212万7600-306万2080円

    デビュー当初は1.5Lディーゼルターボ車のみの設定だったが、2017年秋に2Lガソリン車を追加。ディーゼルターボも2018年に1.8Lに変更されている。本革仕様のLパッケージ車を設定するなど、豪華仕様が選べることも見所の一つ。

  • ●CX-3 バリエーション& 価格

いずれも実力モデルだが宿る個性は三車三様

 サイズも価格もお手頃という3モデル。並べてみるとSUV市場の現状がよく分かる。一昔前なら悪路走破性を第一とし、レジャー用途を狙ったモデルが大半を占めていたが、ここで比較する3車はそれを主目的として開発されたモデルではない。ヴェゼルは多用途性を高めたキャビンや、ある程度の悪路対応力を持つが、C-HRとCX-3はレジャー用途とは無縁なキャラで開発されている。

 中でもC-HRは本当に割り切ったモデルだ。最低地上高は140mm(FF車)と乗用車相応であり、グレードもFF車が中心。走りもスポーティ&ツーリング志向と、SUVをモチーフにしたスペシャリティカーとしてみるのが正解。そう考えれば実用性も納得できる。

 CX-3はレジャーワゴン的なデザインだが、キャビンスペースに余裕がなく、特にリヤシートは手狭感が否めない。最低地上高こそ160mmとわずかに余裕があるが、2名乗車を前提としたスポーティモデルに近いキャラを持つ。

 ちなみに3車とも現在のクルマに不可欠な安全&運転支援機能は標準装着が基本。インフォテイメントなどもほぼ同等レベルだ。市街地中心ならば、どれも十分すぎるほどの性能を持っている。

ポイント1 キャビン&ラゲッジ C-HRとCX-3は2BOX車レベル 設計に余裕があるヴェゼルが圧勝

C-HR 上質感の演出は巧みだが リヤシート&ラゲッジは あまり重視していない設計

  • ソフトパッドを多用するなど、上質感の演出は一番巧み。

  • 包まれ感のあるフロントシートもキャラに合った選択だ。

  • 弱点はリヤシート。スペースの余裕のなさに加えて、グラスエリアも狭い。圧迫感を感じてしまう。

  • 奥行きはこのクラスとしては平均レベルだが、車高が低いこともありラゲッジ高はかなり低く、キャビン周りの使い勝手はあまり褒められたものではない。ある程度の工夫は必要だ。

ヴェゼル 快適性や積載性も しっかりと考慮した設計 SUVらしく最も使える

  • 2018年春の改良時に内装意匠の質感向上が図られるなど、上質感の演出も巧みだ。

  • スペース面で差が出るのはリヤシート周り。頭上空間や膝回りなどもしっかりとスペースが確保される。

  • 3車の中でも最も余裕を感じる。

  • リヤシート格納にダイブダウン式を採用するなど、ラゲッジスペースはクラス最大級の広さを持つ。リヤシート座面のチップアップ機構など、多彩なアレンジも大きな見所だ。

CX-3 リヤシートは明らかに手狭 ラゲッジスペースも もう少し欲しいが本音

  • マツダ車はリヤシートの居住性を重視していないモデルが多いが、このCX-3はその典型。

  • リヤシートは比較3車で最も窮屈だ。

  • 一方、フロントシートは狭めながらも秀逸なシート形状もあり快適性は上々。前席中心は明らか。

  • リヤシート格納時はフラット床面になるなど、一定の配慮は感じるが、根本的にラゲッジスペースが狭いことは大きな弱点。通常時も格納時もラゲッジ長は比較3車の中で最小だ。

ポイント2 パワートレーン スポーティからエコモデルまでいずれも複数パワートレーンを設定

ヴェゼル 走り自慢はターボ車のみならずハイブリッド車も案外スポーティ

  • ターボ車も追加されたが、販売の主力はハイブリッド車。DCT特有の変速感や、高回転まで回りきるエンジンフィールはなかなか心地よい。燃費とファントゥドライブを使い分けられる走りも見所だ。

  • ハイブリッド車のパワーユニットは、SPORT HYBRID i-DCDを採用。変速機構に駆動と回生の役割を持つモーターを組み込むパラレル式のハイブリッドだ。

C-HR バランスの良さを求めるならばハイブリッド車がベストチョイス

  • スポーティ重視ならばターボ車だが総合力はハイブリッド車が一枚上手。THS-IIのモーター制御も極めて自然でガソリン車と同じような感覚で乗れる。エコ性能に特化していると思い込んでいてはもったいない。

  • 1.8Lハイブリッド車にはプリウス譲りのTHS-IIを搭載。モーターだけで53kW/163N・mを発揮するなど、アシストパワーも十分。ターボとは違った楽しさを体感することができる。

CX-3 ガソリン車とディーゼルターボ車どちらもマツダの最新仕様

  • 積極的な年次改良もマツダの十八番。CX-3も数回の改良が実施されておりガソリン車とディーゼルターボ車のパワーユニットも最新仕様にアップデート済み。その特性は異なるがストレスない走りを実現している。

  • 2017年に投入された2L車の直4エンジンは150PS/19.9kg・mを発揮。ディーゼルターボ車に比べると最大トルクは劣るが、伸びやかな加速はガソリン車ならではの強みだ。

ポイント3 安全&運転支援機能 いずれも重視しているが違いが出てくるのは運転支援機能だ

C-HR

ミリ波レーダー+単眼カメラで障害物検知を行うトヨタセーフティセンスを標準装着。歩行者検知機能までカバーするが、LTAなどの上級機能は省かれている。

ヴェゼル

ヴェゼルに搭載されるホンダセンシングには、強力なステアリング制御機能を持つ車線維持支援システムも備える。ロングドライブ時にあると便利な機能だ。

CX-3

ミリ波レーダーやカメラなどから得た周辺情報を元に安全&運転支援を行うI-ACTIVSENSEも標準装着。360°ビュー・モニターなど実践的な利便機能も充実している。

【結論】お手頃コンパクトSUV対決オススメはどのモデル?

幅広い状況でマルチに使えるヴェゼルが一歩リード

HONDA ヴェゼル

 個性とスペシャリティ感覚を求めるならばC-HR。ハイブリッド狙いというならプリウスの代替モデルとして選んでもいい。ロングドライブが多いユーザーならば、ディーゼルターボ車の設定があるCX-3が最有力になる。ただ、この2台がレジャー適正は明らかに低い。。そういう意味では、スペシャリティ性も走りも相応のレベルでまとまり、SUVらしいシャシー&キャビン機能を持つヴェゼルは、多くのユーザーのお眼鏡にかなうはず。NA車やハイブリッド車は高速や山岳路でやや余力感に欠けるが、ターボ車の登場でその弱みを克服することもできる。ターボ車にも4WD車の設定がないことだけが残念な点だ。

BATTLE2 レジャーギア系SUV対決

icon SUBARUフォレスター 充実装備も大きな武器 スバルが誇る新世代SUV

  • ●価格帯:280万8000-309万9600円

    300万円前後に4つのグレードが集中する価格設定。パワートレーンは2タイプ選べるが、e-BOXER車はアドバンスのみ。いずれのグレードも装備は充実しており、目玉のアイサイト・ツーリングアシストも全グレードに標準装着。

  • ●フォレスター グレードバリエーション

icon NISSAN エクストレイル アウトドア系SUVの代名詞的モデル 3列シート仕様も選択可能

  • ●価格帯:219万7800-309万8520円

    ガソリン車もハイブリッド車も2Lが基本となる排気量。比較3車の中では唯一3列シート仕様を選ぶことができるが、ガソリン車のみに限定される。目玉のプロパイロットもOP設定ということは少々残念だ。

  • ●エクストレイル グレードバリエーション

icon MITSUBISHI エクリプスクロス オン/オフ問わない高性能を武器とするコンパクトSUV

  • ●価格帯:253万9080-310万7160円

    パワートレーンは1.5Lターボのみ。4WD車に標準装備されるS-AWCがもたらす悪路走破性の高さと価格の面で1クラス上のモデルがライバルになるが、サイズ的にはコンパクトSUVクラスのモデルだ。

  • ●エクリプスクロス グレードバリエーション

レジャー用途で選ぶなら本命は2台のミドルSUV

 エクリプス クロスだけ車格が違うが、価格設定が近いこともあり予算重視でレジャー適性を持つSUVを探していくと、この3台はライバル関係になってしまう。

 レジャー用途を基準として、真っ先に検討したいモデルはエクストレイルだ。排気量や車体サイズ、キャビンスペース、悪路対応のシャシーに4WDシステムなど、レジャー用途に求められる要素がバランスよくまとまっている。気になるのは動力性能に余裕がないことくらいだ。

 フォレスターは2.5Lを標準排気量とすることもあり、エクストレイルよりも上級クラスの印象を受ける。レジャー用途を狙ったSUVとしては、機能も性能も高水準でまとまっている。

 もう一車のエクリプス クロスは、車体寸法もキャビンサイズも比較2車より一回り狭く、スポーツ&スペシャリティに振ったキャラが強い。悪路対応力やオン&ラフロードでのスポーティな走りが見所であり、その本質はスペシャリティ志向のSUVである。その中では比較的ユーティリティを配慮した設計のためレジャー用途にも対応できるが、比較する2車に比べると、明らかに1ランク下のモデルだ。

ポイント1 キャビン&ラゲッジ エクリプス クロスは明らかに手狭 車格が雄弁に優劣を物語る

フォレスター 最新設計の強みを活かした抜群の快適性とユーティリティを持つ

  • 比較3車の中では最も新しい設計が与えられていることもあり、フロントシートもリヤシートも余裕十分。

  • スバル車の泣き所だったインテリアの質感も克服している。

  • 車格に見合った快適なキャビン空間を楽しめる。

  • 開口部が広く取られた広々とした荷室も見所の一つ。余裕ある室内高に加えて、シート格納時の荷室床がフラットになるなど、使い勝手も改善。サイズのメリットも上手に活かされている。

エクストレイル 見た目は実用一辺倒だが使い勝手の良さは特筆モノ ユーティリティも優秀

  • ライバル勢に比べると高級感の演出は薄め。道具に徹したキャラはキャビンからも伺える。

  • シート周りは前後とも広々としており開放感も良好。

  • ガソリン車ならば3列シート仕様も選択できるが、これは緊急用と割り切るレベル。

  • 開口部の高さは平均的だが、横幅は相応に広い。リヤシートはシートスライド機構も備えており、荷物によって柔軟に対応することも可能。防水防汚仕様のおかげで汚れにも強い。

エクリプスクロス 質感は負けていないがサイズ的な限界は明らか 特にラゲッジは差が目立つ

  • サイズ的なゆとりはライバル2車に一歩譲るが、車格上の比較2車に比べても、質感や仕立ては負けていない。

  • インフォテイメント系は独特の癖がある。

  • 座り心地の良いシートの採用なども大きな武器になっている。

  • ラゲッジの広さは比較2車と比べるのは少々酷。車格が違うといえばそれまでだが、段差のある開口部やタイヤハウスの出っ張りに違いを感じてしまう。シートアレンジも平凡だ。

ポイント2 パワートレーン フォレスターとエクリプスクロスが優位 エクストレイルは少々物足りない

フォレスター 大排気量を活かした悠々とした走りは魅力十分

  • 2.5L・NA車と2L-HV車を選べる。2.5Lは力強さと実用域のドライバビリティ、HV車は電動ターボのような力強い加速感とキャラが異なる。悠々と走れる2.5L・NA車の方がフォレスターには似合う。

  • あまり余力感を感じるモデルではないが、ハイブリッド車ならば巡航時の力感は多少は増加する。OPで選べるプロパイロットは未だに一線級の実力を持つ先進安全装備。特に車線維持機能はかなり優秀だ。

エクストレイル OP装備になるがプロパイロットは必須装備

  • ハイブリッド車のモーターは30kW/160N・mを発揮。他社のハイブリッド車に比べるとスペック面は見劣りしてしまう。高速や山岳路が割り切れるならば、あえてNA車という選択も。

エクリプスクロス S-AWCはオン/オフで走りに貢献 狙うならばやはり4WD車だ

  • FF車もなかなかまとまったモデルだが、やはりS-AWCを採用することでオンロード性能とSUVの踏破性を高水準で両立している4WD車を積極的に狙いたい。比較3車では走りは最もスポーティだ。

  • 1.5Lターボは150PS/24.5kg・mを発揮。一見平凡に思えるが、巧みなCVT制御のおかげもあって、低速域から俊敏な加速を実現。燃費性能はそれなりだが、長く楽しめるユニットだ。

ポイント3 オフ&ラフロード性能 3モデルとも雪道&泥路は得意中の得意

  • 4輪駆動制御を行うX-MODEはスバルSUVを選ぶ理由にすらなる機能のひとつ。雪路や悪路など路面抵抗が少ない走行状況においても、安定した走りを披露する。

  • 4WD車にはS-AWCが標準で搭載。雪道や泥路など滑りやすい状況でも緻密な駆動力配分を行うことで、安定した車両挙動をサポート。走破適性の高さも見逃せない美点だ。

  • 4WD全車に搭載されるインテリジェント4×4は、走行状況に応じて駆動モードを変更できるほか、4輪の駆動&制御力を自動制御することで横滑りを防止。圧雪路でも頼れるメカニズムだ。

【結論】レジャーギア系SUV対決オススメはどのモデル?

フォレスターとエクストレイルは甲乙付け難い好敵手だ

  • フォレスター

    長距離走行やラフロード走行を考えれば、フォレスターのNAモデルが持つプラス500ccのゆとりは大きい。300万円前後の価格帯で選べるモデルの中では最大排気量でもあり、車格や装備内容からしてもフォレスターの買い得感はかなり高い。ただし、都市部での用途も多く、ラゲッジユーティリティなどの使い勝手も重視するならばエクストレイルもオススメできる1台。

  • エクストレイル

    動力性能には不満があるが、価格に対してのコストパフォーマンスの良さは、フォレスターよりも上と感じる部分が多い。車格が一つ下になるエクリプス クロスは、走行性能などでは互角に戦えるが、キャビンやユーティリティを考えると、積極的にはオススメしにくい。

BATTLE3 3列を用意する注目SUV対決

icon HONDA CR-V

●価格帯:323万280-436万1040円

日本市場にて復活を遂げた5代目CR-V。ハイブリッド車とターボ車を用意しており、7人乗り(3列仕様)車はターボ車のみに設定。

icon MAZDA CX-8

●価格帯:289万4400-446万400円

マツダSUVラインナップのトップであり、446万400円という価格から見ると全車種ラインナップのフラッグシップでもある。

ポイント1 3列目 CR-Vの方が空間に余裕ありワゴン型ミニバン並みの実力

  • CX-8

    テスターの身長は約175cm。写真を見て分かる通り、CX-8の方が3列目は窮屈。CR-Vは首を曲げずに着座できた。

  • CR-V

    なおCR-Vは燃料タンク形状の工夫などで、2列仕様の全長等を変えず3列仕様を実現。

ポイント2 パワートレーン 走りの質感や運転支援機能ではCR-Vがやや優位

  • CR-V

  • 写真のCR-Vはハイブリッド。3列仕様を選ぼうとするとターボ車に限定されてしまうのは残念。

  • CX-8

  • CX-8はディーゼルのみだったが途中で2.5LのNA&ターボ車を設定。

【結論】3列を用意する注目SUV対決オススメはどのモデル?

ユーティリティなどSUVの総合力ならCR-Vだ

  • HONDA CR-V

    キャビンユーティリティや居住性、伸びやかな加速感も含むスポーティな運転感覚をも求めるならCR-Vがいいだろう。使い方と嗜好が両車の選び分けの要点だが、レベルの高いライバル同士と言えよう。

  • MAZDA CX-8

    内外装の雰囲気や動力性能のゆとりにプレミアム性を求めるならCX-8のディーゼル車、セカンドキャプテン仕様を勧める。

BATTLE4 マツダ最新SUV同門対決

icon MAZDA CX-5

●価格帯:257万400-388万2600円

フルスカイアクティブ第一弾として生まれたCX-5も2代目。2列仕様のみのミドルSUVであり、内外装の質感は最新マツダのもの。

icon MAZDA CX-8

●価格帯:289万4400-446万400円

引き続きマツダのフラッグシップに登場してもらう。対戦するのは「弟分」にあたるCX-5。どちらも10月に改良された最新モデルだ。

ポイント1 パワートレーン 余力感はCX-5、落ち着きや重厚さではCX-8に軍配

  • CX-5

  • CX-8=ディーゼルターボだったが、最新改良で2.5LのNAとターボが追加設定された。

  • CX-8

  • 両車のユニットの違いは2L車とMT車のアリナシ位になった(どちらもCX-5にのみ設定)。

ポイント2 キャビン&ラゲッジ 素材を含めた高級感ではCX-8がリード ただ全体の質感は大きくは変わらない

どちらもデザインは最新マツダ車らしいものでシートやオーナメントの素材感が2車の相違点。ラゲッジ容量はCX-5が505L(通常時)、CX-8が572L(3列目格納時)となっている。

CX-5

CX-8

大まかな性能全般は同等 キャビンの違いがミソ

 CX-8を一言で言えばCX-5のストレッチキャビン仕様である。全長が約50cm伸びただけでなく、ホイールベースも230mm延長されている。拡大したホイールベースとリヤオーバーハングで拡がったキャビンスペースにサードシートを置いて3列シートとしている。ちなみに前席から前方の基本設計は共通である。

 搭載エンジンのラインナップは2L(FF)がCX-5に限定されるものの、他は共通している。ただし、CX-5にはディーゼルのMT仕様が設定されるが、CX-8は全車AT仕様となる。同パワートレーン車の車重ではCX-8が200kg以上重く、巡航ギヤ維持能力などの余力感はCX-5が勝っている。逆に乗り心地の落ち着きや重質な味わいは多少ながらCX-8が上。もっとも、特性が共通しているので、性能全般は大まかには同等だ。

 従って、両車の比較検討はキャビンの違いがメインになる。サードシートの実用性は緊急用程度だが、格納時の荷室容量とセカンドキャプテンシートがもたらす雰囲気がCX-8の強味。ただし、取り回し感覚が一回り大きくなるため、市街地用途が多いユーザーは考慮する必要がある。

【結論】マツダ最新SUV同門対決オススメはどのモデル?

XDプロアクティブの4WD車で比較すると両車の価格差は約58万円にもなる。プロポーションやインテリアの違いで格上の雰囲気はあるものの、多人数乗車目的で選ぶにはサードシートの居住性が不足しているし、使う機会が少なければ価格差が大きすぎる。3列シートの必要性がなければCX-5を選ぶのが一般的だろう。

3列シートの必要性で選べばよし

  • MAZDA CX-5

  • MAZDA CX-8

BATTLE5 ホンダ・ターボSUV同門対決

icon HONDA CR-V(ターボ)

  • ●価格帯:323万280-403万560円

  • 1.5Lターボが18年8月に、2L i-MMDのハイブリッド車が同年11月に発売されたCR-V。「兄弟対決」を制するのは!?

icon SUBARU ヴェゼル(ツーリング)

  • ●価格:290万3040円

  • 最近追加されたターボモデルが、ヴェゼルツーリング。これで同車は1.5L・NA、ターボ、ハイブリッドの3本立てに。

1.5Lユニットは CR-Vに最適な設定なのだ

 ホンダの1.5Lターボにはパワースペックの異なる仕様があり、この2車ではCR-V用が上回っている。もっとも、車重が大きく異なりトルクウェイトレシオはヴェゼルが勝る。つまり、CR-Vには最適、ヴェゼルには過剰なパワースペック。これは両車のコンセプトの違いでもある。

 ツーリングはヴェゼルベースのスポーツモデルといった位置付けであり、いわば一昔前のユーロR的な存在。駆動方式もFFに限定されている。一方、CR-Vは走行性能も悪路対応力もユーティリティもウェルバランスでまとめられた実践型SUV。ホンダらしいデザインや走行テイストでは共通した部分も見出せるが、適応用途はかなり異なっている。

【結論】ホンダ・ターボSUV同門対決オススメはどのモデル?

本文中でも述べたが、ホンダスポーティの期待の新作がヴェゼル・ツーリング。SUV機能や性能の発展モデルではないので、スペシャリティ派以外には勧めにくい。SUVの基本に則ってウェルバランスのCR–Vが一般的な選択である。

一般的な選択は「SUVの標準」に近いCR-Vとなる

  • HONDA CR-V(ターボ)

  • HONDA ヴェゼル(ツーリング)

BATTLE6 ハイブリッドも用意する人気コンパクトSUV対決

icon HONDA ヴェゼル

  • ●価格帯:207万5000-292万6000円

  • こちらはハイブリッド。なお搭載されているシステムはフィットなどと同じi-DCDだ。変速機はデュアルクラッチの7速。

SUBARU XV

  • ●価格帯:213万8400-282万9600円

  • フォレスターに次いで、XVにも「e-BOXER」搭載車が設定された。水平対向エンジン+モーターのハイブリッドだ。

スバルSUVは圧倒的なコスパを誇る!

 スバルSUVラインナップのひとつの特徴は買い得感の高さ。開発のベースとなったインプレッサとXVの価格差は約11万円でしかない。250万円で2Lエンジンと先進安全&運転支援装備が備わるのだ。同等装備のヴェゼルはガソリン車が約240万円、ハイブリッド車が約275万円である。燃費で大きな優位性はあるものの、動力性能ではXVの2L車に分があり、文字通りコスパではXVが上回っている。

 また、コンパクトSUVではキャビンユーティリティに優れるヴェゼルだが、居住性や後席使用時の荷室容量ではXVが勝る。居心地や内装の質感も同様である。ただし、それらはインプレッサと共通なのでSUVらしさはほどほどだ。

【結論】ハイブリッドも用意する人気コンパクトSUV対決オススメはどのモデル?

高いアイポイントやスタイル、つまりSUVらしさやスペシャリティを感じたいならヴェゼルだが、悪路対応も含めたタウン&レジャーにおける走行性能や、内外装の車格感を価格ベースで評価するなら、XVが勝っているだろう。

走りや車格感からするとスバルのXVを勧めたい

  • SUBARU XV

  • HONDA ヴェゼル

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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