カーライフ
更新日:2020.03.25 / 掲載日:2020.03.19

運転経歴証明書の交付条件や取得するメリットを解説!

運転経歴証明書の交付条件や取得するメリットを解説!

グーネット編集チーム

日本の運転免許証制度では、満16歳以上で原付免許や小型特殊免許・普通2輪免許、満18歳以上で自動車免許や大型2輪免許などが取得可能になります。

これら運転免許証は、自身が対象の乗り物を運転することを許可されていることを証明するものですが、国が交付しているため、無断で書き換えをすると有印公文書偽造罪として懲役刑が設けられる、公文書として取り扱われる証明書でもあります。

そういった背景もあり、運転免許証は個人を証明する事のできる重要な証と言えます。

ここでは、その運転免許証と同様に身分証明書として利用することができる「運転経歴証明書」について解説いたします。

運転経歴証明書とはなにか

運転免許証は公安委員会が交付している証明書になりますが、運転履歴証明書に関しても同様に、公安委員会が交付している証明書になります。

運転免許証は従来より、乗り物を運転する際に携帯する以外にも、銀行の口座開設や携帯電話の契約時、重要な書類を受け取る際などに本人を確認する証として使用されてきました。

更に、2010年1月より、不正利用に対する信頼性向上を目的にICチップが埋め込まれるなどして、安心して利用できる身分証明書としても認知されています。

しかし、運転免許証はそもそも、自動車を運転できることを証明するためのものです。
そのため、自動車を手放した場合などで運転免許証の更新を行わなかった場合、身分証明書として運転免許証が利用できなくなるという問題がありました。
その問題に対応するため運転免許証に代わる書類として、2001年の道路交通法の改正により運転経歴証明書の発行がされるようになりました。

運転履歴証明書は、住所・氏名・生年月日・自主返納した日付が記載されており、過去に運転免許証を所持していたことを証明するものであり、本人であるかを確認する公的な証明書としての利用が可能です。サイズも携帯しやすい運転免許証と同じ大きさです。

運転経歴証明書の交付が受けられない場合について

ただし、運転経歴証明書の交付を受けるには条件があります。以下の条件に該当する方は交付を受けることはできません。

・運転免許証の有効期限が切れている。
・行政処分を受けている。

つまり、運転経歴証明書の交付については、前提条件として所持する運転免許証が有効期間内であり、自主返納する方が対象となります。
また、交付可能な期間は自主返納日から5年以内とされています。

運転経歴証明書と運転免許証の違い

運転経歴証明書は、基本的なデザインが運転免許証と似通っており、サイズも同じです。また、運転経歴証明書は運転免許証と同じく公的な本人確認書類として利用できる点も変わりありません。
しかし、運転免許証と運転経歴証明書の記載内容には違いがあります。
運転経歴証明書では、表面に「運転経歴証明書」という字が書かれており、その下に赤字で大きく「自動車等の運転はできません」と記載されています。
また、運転経歴証明書の帯のカラーも、運転免許証と異なっています。運転経歴証明書の場合、帯の色はすべてグレーとなっています。これは、運転免許証を返納した時点において、グリーン、ブルー、ゴールドのいずれの免許であっても関係なく、すべてグレーの帯の色になります。

運転経歴証明書の記載番号の意味

運転経歴証明書にはいくつか数字が記載されていますが、交付年月日の隣にある数字は、返納までの過去5年間における、運転経歴を表しています。
例えば、運転経歴証明書に「01234-1」と書かれていた場合、最後の数字は「1」となっています。この「1」の数字が運転経歴を表しています。
最後の数字が「1」の場合は優良運転者、「2」だと一般運転者、「3」なら違反運転者を表しています。

免許証番号は運転経歴証明書にも引き継がれて記載されている

運転免許証には、免許証番号が記載されています。この免許証番号は、運転経歴証明書にも引き継がれる数字となります。
免許証番号から分かる情報は、最初に運転免許証の交付を受けた都道府県が何処か、最初に運転免許証を受けたのは西暦何年かをはじめ、紛失による再発行の回数が分かります。破損による再発行はカウントされません。

運転経歴証明書を取得しておく理由

運転経歴証明書は、運転免許証に代わる本人確認を行う公的な身分証明書として、自主返納後も使用することができます。また、2012年4月1日以降に発行された運転経歴証明書は、無期限の身分証明証として使用が可能となっていることなどから、運転経歴証明書を取得しておく人も増えているようです。

また、運転免許証を返納したことで生活に支障がでないように、鉄道やバス、タクシーなどの公共交通機関の運賃割引や交通系ICカードの交付等が受けられます。

加えて食材の宅配料金の割引や電動車いすの購入割引、所有した自動車の廃車手続き費用が無料になるなど、免許を自主返納した方々を支援する、様々なメリットがあります。


「万一の身分を証明する書類を求められた際にどうしよう。」と考え、今後車の運転をする予定がないのにもかかわらず運転免許証を更新していた方々もいるのではないでしょうか。

しかし、様々な理由により、クルマの運転を卒業した方々を支援する制度が「運転経歴証明書」です。
運転免許証を返納する方々を促進し、公共交通機関の割引や交通系ICカードの交付や買い物後の荷物を配達してもらう料金の割引など、「運転経歴証明書」を持つメリットが拡大しています。
何より運転免許証の更新手続きの煩わしさから解放されることも大きなメリットと言えるでしょう。

運転経歴証明書で受けられる特典

運転経歴証明書で受けられる特典

グーネット編集チーム

運転経歴証明書は身分証明書としての役割もありますが、それ以外にも、特典を受けられるというメリットもあります。運転免許証の返納に躊躇している方は、特典内容をチェックして判断するのも良いでしょう。

特典は大きく、自治体主催の特典と民間主催の特典の2種類に区分されています。各都道府県や民間団体により、特典を受けることのできる条件が異なるため、特典を利用する際には事前に確認をしておきましょう。

自治体が主催する特典では交通機関関係が多い

自治体が主催する特典の特徴としては、自動車が運転できなくなり、生活における移動の不便を想定した、交通関連での特典が多く設けられています。

例えば、市や県で運行される電車やバス等を利用する場合に、割引券や優待券を出して経済的な負担をカバーする特典があります。また、指定タクシー業者を利用することで、運賃の割引等の特典を設けているのもあります。

自動車を持っていてもあまり運転しておらず、普段から公共の電車やタクシーを利用している人もいるでしょう。そのような場合には、運転経歴証明書の交付を受けて特典を活用することで、経済的にお得に交通機関を利用することができるでしょう。

民間が主催する特典は幅広く多種多様

民間が主催する特典では、商品やサービスの割引など、特典内容が多様に存在することが特徴的です。
家具や家電を購入する時の割引や、宅配料金や配送と設置料金の割引などをはじめ、商店街で買い物をすると商品が割引される特典や、粗品や記念品を提供しているお店もあります。また、レジャー施設やホテル等の割引サービスはもちろん、宅配ピザのようなデリバリー会社やファッション関係の割引サービスなど、多種多様な特典があります。
日常生活を送るうえで、商品購入等の際にさまざまな割引サービスを受けられるのは、長期的に見ると、経済的な面でもお得といえます。

運転経歴証明書の交付場所

運転経歴証明書の交付場所は、居住地を管轄する警察署や運転免許センターが窓口となります。また、運転免許証の自主返納と同時に交付申請が可能となっています。

なお、運転履歴証明書の発行にかかる期間については、運転免許センターでは即日交付となりますが、警察署では申請手続き後、交付までに約1ヶ月要するため注意が必要です。

運転経歴証明書交付に必要なものと申請方法

運転経歴証明書交付に必要なものと申請方法

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運転経歴証明書の交付申請手続きには以下が必要となります。
自主返納及び運転経歴証明書の交付申請は本人が窓口で行うのが原則ですが、申請人が病気療養中であったり、施設等に入所していたりなど、やむを得ない事情がある場合は、代理人が交付申請手続きを行うことも可能です。

・運転免許証(自主返納と同時に交付申請を行う場合)
・印鑑
・交付手数料1,100円
・申請による運転免許の取消通知書(既に自主返納手続きをしている方)
・申請用写真(警察書で手続きをする方、もしくは既に自主返納した方)
・本人が確認できる書類(既に自主返納した方)

代理人申請の場合は、申請手続きが可能なのは、親族、申請人本人が入所・通院・入院している施設の方、福祉関連の業務に従事する有資格者の方、成年後見人の方などが対象となります。また、申請人本人の意思が確認できる必要があります。

まとめ

運転経歴証明書は、運転免許証と同様に公的な本人確認書類として利用できる証明書です。
運転経歴証明書の発行に関しては、運転免許証の自主返納と併せて、運転免許センターや警察署で交付申請を行うことで取得することができます。

なお、運転経歴証明書の取得者は、各都道府県や民間団体が主催する特典を活用することが可能です。特典には、市や県で運行される電車やバス等の割引をはじめ、各民間会社の商品やサービスの割引などがあります。
特に、高齢になり自動車の運転をあまりしなくなったという方や、自動車の運転に不安な方などは、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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