新車試乗レポート[2019.03.05 UP]

【SUV最前線1】HONDA ヴェゼルツーリング 待望のターボモデルが追加!

●文/川島茂夫 ●写真/澤田和久

コンパクトSUVのベストセラー、ヴェゼルに最新ターボユニットを搭載する「ツーリング」が追加。となると、やはり気になるのは走りだろう。その実力はファンの期待に応えてくれるものなのだろうか?

●主要諸元(ツーリング Honda SENSING) ●全長×全幅×全高(mm):4340×1790×1605 ●ホイールベース(mm):2610 ●車両重量(kg):1310 ●パワーユニット:1496cc直4DOHCターボ(172PS/22.4kg・m) ●JC08モード燃費:17.6km/L ●燃料タンク容量(L):50[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.5 ●最低地上高(mm):170

この記事の目次

ヴェゼルの最終進化モデルが誕生!

関連情報

ボディタイプ:SUV・クロカン 国産車
HONDA ヴェゼル ツーリング

●発売日:2019年1月31日
●価格:290万3040円
●販売店:ホンダカーズ店
●問い合わせ先:電話:0120-112010

従来のヴェゼル像を覆す圧倒的な動力性能が魅力

フィットのハードウェアをベースに開発されたヴェゼル。スペシャリティ志向を狙った流麗なスタイリングを持ちつつも、広々としたスペースとユーティリティの高さを併せ持つことで、ファミリー&レジャーを狙った実用性に優れることが特徴だ。2013年12月のデビューから5年以上が経過しているが、効果的な商品改良を加えることで、コンパクトSUVの主力モデルとして、今なお堅調なセールスを記録し続けている。

今回投入されたツーリングは、ヴェゼルの最上位モデルに相当するグレードだ。搭載エンジンは、ステップワゴンやCR‐Vにも採用されている1.5Lターボ。さらにツーリング専用に強化された車体や防音設計、足回りなど、注がれた内容はかなり手がかかったものばかりで、単なるグレードの追加というよりも「ヴェゼル ツーリング」という名の上級モデルが投入されたと考えてもいいだろう。

ヴェゼルの魅力であるキャビンユーティリティ面は、従来モデルと同じ。専用の加飾&シートにより車格感は高まっているが、上級仕様のZ系グレードと大きな違いは感じない。だが、試乗すると、その走りは従来のヴェゼルとは明らかに違うことが分かる。

1.5Lターボがもたらす動力性能の変化は劇的と言ってもいい。ターボのトルク増は日常域での余力も増加させるが、何よりも中高速域で大きな効果を発揮する。従来の1.5L・NA車やハイブリッド車では、高速走行時に負荷がかかるシーンで物足りなさを感じることもあったが、ツーリングは勾配が続く高速道路でもアクセルを多少踏み増しする程度で、力強く加速してくれる。80km/h巡航時のおおよそのエンジン回転数は1500回転。それが加速に移行すると2000回転弱でダウンシフトが行われ、そこからは速度上昇と連携するように、穏やかに回転を上昇させる。最新ターボ車らしい、力感と小気味よいドライブフィールを上手に両立している。また、巡航ギヤ(回転数)維持に固執しない特性は、スポーティモデルとしての性格の強さでもある。ターボ車らしい伸びやかな加速感や、速度を上げていくと回転レンジを高めていく感覚は、ドライバーにエンジンを適度に回していく、爽快さや心地よさを感じさせてくれるはずだ。

ヴェゼルの最終進化モデルが誕生!

2013年12月 ガソリンNA車とハイブリッド車 2つのパワートレーンを選択可能

導入時のパワートレーンは1.5L・NA車とi-DCDハイブリッド車の2本立て。ホンダ・ハイブリッド車としては初となるスタンバイ式4WD(リアルタイムAWD)搭載車も設定されていた。

2015年4月 快適装備を強化する 一部改良を実施

4WD車の設定が拡大されたほか、FF車のリヤサス側にも振幅感応型ダンパーを採用するなど走りの質感も強化。遮熱/UVカットガラスの標準化や内装機能の改良も施された。

2016年2月 スポーティなRSを追加設定 ホンダセンシングも採用

専用エアロ&アルミやパフォーマンスダンパー、可変ステアリングギヤレシオを採用した、スポーティグレードRSを設定。装備も「ホンダセンシング」を中心に大幅強化が図られた。

衝突軽減ブレーキ止まりだった安全装備は、ACCや車線維持支援機能を備えるホンダセンシングに刷新。安全の部分においてクラスをリードする存在になった。

2018年2月 内外装の意匠変更を含む ビッグマイナーチェンジを実施

フロントバンパー&グリルの形状変更を含むフェイスリフトを実施。ハイブリッドユニットやAWDの特性が改良され走行性能も向上した。ホンダセンシングも全グレード標準装備化。

インテリア意匠の改良と快適&利便装備の強化に加えて、ボディ制振材の見直しが図られ、走行時の静粛性が高まったことも見逃せないトピックス。

2019年1月 1.5L・VTECターボを 搭載するツーリングを追加設定

CR-Vなどに設定される1.5Lターボを搭載する「ツーリング」を新規設定。剛性を高めた専用ボディやアジャイルハンドリングアシストの採用など、上位モデル相当の設計も見所だ。

1.5L直噴ターボは172PS/22.4kg・mを発揮。燃費性能も17.6km/L(JC08モード燃費)と、動力性能と省燃費性能を高い次元で両立している。巧みなCVT制御も見逃せない強みだ。

ターボに注目が集まるが、フロント周りの剛性を高めた専用ボディが採用されるなど、コストをかけた改良が施されていることも見逃せない。

減衰の効いた硬めのサスチューンを採用するため高速域で安定感はクラストップレベル。高速道路でも良質の走りを披露してくれる。

1.5L直4ターボは最新のターボらしく、NAユニットと遜色ないリニアな出力特性を発揮する。レギュラーガソリン仕様なのも嬉しい。

ターボ車らしい伸びやかな力感はツーリングならでは強み。長距離運転の際は、ホンダセンシングの優れた運転支援機能もありがたい。

やや硬めな乗り心地だが走りの質感は1ランク上だ

フットワーク面もスポーティさを優先。高速安定性を第一に、減衰を利かせて荷重変動を抑え込むサスチューンを採用する。ヴェゼルシリーズの中では最も路面当たりを強く感じる乗り心地だが、不要な揺れ返しや車軸周りの揺らぐような動きが巧みに抑えられている。低中速時の荒れた路面では突き上げが目立つが、速度が高まるにつれてしなやかさが増す。乗り味の質感は、従来車より1ランクアップしている。

RSに比べると軽快感は減少しているが、ツーリングだけに採用されたアジャイルハンドリングアシストの効果もあって操舵追従性にも優れる。姿勢変化を待たずして、狙った走行ラインに容易に乗せることができる。シャシーのポテンシャルの違いを感じると共に、緩みも揺らぎもない的確な操縦性は、RSと対照的である。

「タイプR」ほどではないにしても、6/7代目アコードに設定されていた「ユーロR」にも似たキャラは、従来のヴェゼルの走りに物足りなさを感じていたユーザーには朗報だろう。個人的にはもう少し乗り心地を高めたサスチューンのほうが好ましく思えるが、それでもこのツーリング&スポーツ性能の高さは、抗い難い魅力を持つことは間違いない。

クーペグラフィックを意識したスタイリング。

全幅は1790mmとクラス最大級だが、全長とホイールベースは、このクラスとしては平均サイズ。

ブラックヘッドライトガーニッシュやリップバンパーなどツーリング専用意匠を採用するなどで、従来モデルと差別化。

2018年のマイナーチェンジで内装質感は向上している。

ツーリングはインシュレーターを増量することで静粛性向上も図られた。

アンダー部にロワガーニッシュを配置するほか、マフラーも左右2本出しタイプを採用。スポーティさの演出も巧みだ。

通常時でもラゲッジの奥行きは十分。後席格納もダイブダウン式を採用するなど、ユーティリティの面でも同クラスのライバルをリード。

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