アウディA1の中古車購入の際の選び方の参考ポイント

Ａ１は、アウディのラインナップにおける最小カテゴリーのプレミアムコンパクトカーとして2011年1月に誕生しました。

キャッチフレーズは「Urban egoist（アーバンエゴイスト：自分の価値観を大切にする、高い審美眼を持つユーザー）」であり、小さなボディにアウディの誇る安全技術や質感の高いデザインや機能が凝縮された1台といえます。

3ドアモデルだからこそ成しえる大きなルーフアーチのサイドビューや、航空機をモチーフにした内装のデザインなどが特徴であり、小さなボディながらもEuro NCAPで最高の5スターを確保するなど、安全性にも定評がある1台です。

デビュー以来、前輪駆動で7速Sトロニック デュアルクラッチトランスミッションを採用していることは一貫していますが、組み合わされるエンジンについては何度かの仕様変更を受けています。

当初に設定されたのが1.4LのTFSI ガソリン直噴ターボエンジンで、気筒休止システムを備えた1.4L TFSIや直列3気筒直噴ターボ1.0L TFSIエンジンがラインナップに加わっています。それぞれに特性や燃費性能が異なるため、使い勝手や用途に応じて、最適な1台を選択することができます。

なお、A1の派生モデルには、5ドアモデルのAudi A1 Sportback（スポーツバック）が2012年6月に登場しています。

ベースグレードでも、サイドエアバッグやイモビライザー、アルミホイールが備わりますが、一部のグレードには、Slineスポーツバンパーやスポーツシート、Slineスポーツサスペンションなどがセットになった「Slineスポーツパッケージ」がオプションとして設定されており、自分好みのモデルに仕立て上げることも可能です。

また、パノラマサンルーフやヘッドライトウォッシャー、アウディパーキングシステム、オートマチックエアコンディショナーなど、快適性を向上させるオプションも多数設定されており、豊富なラインナップの中から選択できるのも大きな魅力の1台です。

ここではA1の中古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。

・1.4TFSI
2011年1月のA1デビュー当初に設定されたグレードです。アウディで初となるスタートストップシステム（アイドリングストップ機構）と、エネルギー回生システムを搭載した1.4LのTFSI ガソリン直噴ターボエンジンが採用されています。

2014年6月に「1.4TFSIシリンダーオンデマンドスポーツ」が追加設定されるまで、A1としてラインナップされた唯一のグレードです。電子制御式リミテッドスリップディファレンシャル機能付きのESP（エレクトロニックスタビリゼーションプログラム）は標準装備となる一方、スポーツサスペンション、大径アルミホイール、スポーツシートなどは、スポーツパッケージとしてセットオプションになっています。

・1.4TFSIシリンダーオンデマンドスポーツ
2014年6月に追加されたのが、気筒休止システム・シリンダーオンデマンド（cylinder on demand）を備えた「1.4TFSIシリンダーオンデマンドスポーツ」です。このエンジンは、エンジンにかかる低負荷時に、TFSIエンジンの4気筒のうち2気筒を停止させ、燃費性を向上させる仕組みを備えています。

従来モデルの1.4TFSIエンジンの最高出力が122psであったのに対し、新しい気筒休止機能付きエンジンの最高出力は140ps（2015年6月には150ps）まで向上しました。

また、2014年6月の時点において、CO2排出量の低減とJC08モード燃費20.5km/Lも達成しています。実際に2気筒が休止するのは高速道路でのクルージング走行中などであるため、ドライビングパフォーマンスへの影響はほとんどありません。

・1.0TFSI
2015年6月に発売されたグレードで、直列3気筒直噴ターボ1.0L TFSIエンジンが採用されたことが一番の特徴です。このエンジンユニットは、アウディ史上初めての3気筒で、7速Sトロニックが組み合わされます。

燃費性能としては、アウディ史上最高のJC08モードで22.9km/Lを達成しており、電動パワーステアリングを新採用したことも消費燃料削減に貢献しています。スポーツ志向の「1.0TFSIスポーツ」と比べると、アルミホイールのデザインが5アームデザインコントラストグレー6J×15になることや、185/60R15のタイヤ装着となることが大きな違いとなります。

・1.0TFSIスポーツ
ベースグレードと同じ1.0L 3気筒エンジンを搭載し、スポーツシートやスポーツサスペンションが備わるのが「1.0TFSIスポーツ」です。ほかに追加された装備としては、フロントフォグライト、ハイグロスエグゾーストテールパイプ、アルミホイール（5アームダイナミックデザイン7J×16）と215/45R16サイズのタイヤとなります。

ここでは、A1の主な世代・型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年11月時点で参照したものとなります。

・8XCAX：1.4L/7AT/FFモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：19.4km/L
年間ガソリン代：約74,742円（515.4L×145円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約109,242円 ※3

・8XCPT：1.4L/7AT/FFモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費：20.5km/L
年間ガソリン代：約70,731円（487.8L×145円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約105,231円 ※3

・8XCZE：1.4L/7AT/FFモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費：21.1km/L
年間ガソリン代：約68,720円（473.9L×145円） ※1
自動車税：年間34,500円 ※2
年間維持費：約103,220円 ※3

・8XCHZ：1.0L/7AT/FFモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費：22.9km/L
年間ガソリン代：約63,318円（436.6L×145円） ※1
自動車税：年間29,500円 ※2
年間維持費：約92,818円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年11月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

アウディA1は、人気の高い輸入車プレミアムコンパクトであり、比較的価格が安定した中古車価格を維持しています。また、流通台数が多いことも特徴であり、用途や予算、好みなどに応じて、豊富な登録台数の中から、最適な1台を選べることも大きな魅力といえるでしょう。

初代 アウディ A1 8X系：54.5～258万円
8XCAX：54.5～193万円
8XCHZ：139.8～253万円

1.4TFSI：54.5～179.8万円
1.0TFSI：139.8～238万円
1.0TFSIスポーツ：172～258万円

A1の中古車では、140万円以上の車が多く存在しています。
その中でも、平成27年式、平成28年式のA1が豊富です。
それ以外にも、平成23年式の中古車の台数も多く、価格帯も80万円から110万円台となります（上記中古価格帯については、2018年11月19日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。