新車試乗レポート
更新日:2019.05.24 / 掲載日:2019.01.06

新型デリカD:5試乗速報!オンロードが頼もしい上級ミニバン志向にフルモデルチェンジ!

来年の正式デビュー前に、新型デリカのプロトタイプモデルに試乗する機会に恵まれた。11年ぶりの大刷新となった新型は、フルモデルチェンジ級の大改良が加えられただけに、その進化ぶりが気になる人も多いだろう。果たして、その実力は如何に?
●文:山本シンヤ/川島茂夫/編集部 ●写真:澤田和久

新型デリカはここが進化した!

【ポイント1】オンロードの走りが劇的進化 “オフロードだけ”と思うなかれ

パジェロ譲りの本格4WDシステムの採用など、オフロード適性の高さはデリカシリーズの大きな武器だが、新型は最新パワートレーン&サブフレームの採用などで、オンロード性能も劇的に進化。街中でも強力ライバルと互角以上に戦えるモデルに変貌したのだ。

【ポイント2】キャビン周りの質感が向上 上級ミニバン 志向が高まった

  • 従来型は節々に設計年次の古さを感じる部分もあったが、中でもキャビン周りはライバル勢に見劣りする部分も多かった。だが、新型はキャビンの設計を一新。

【ポイント3】先進安全装備を大幅に強化し ライバル勢と真っ向勝負!

  • 衝突軽減ブレーキやACC、LKAなど、ライバル勢が続々と標準化を達成する中、一人蚊帳の外だった従来型だが、新型はミツビシ最新の先進安全システム「e-Assist」を標準装備化。

  • 弱点を解消しただけではなく、クラストップレベルの“安心”を手に入れている。

弱点を潰す大改良を施し上級ミニバンに大進化

 ミニバンとSUVのクロスオーバーと言う世界的にも珍しい存在であるデリカD:5。デビュー以来年間1~1.5万台と安定した販売台数を誇るロングセラーで、2回、3回と同じモデルに買い替えるユーザーも数多いそうだ。

 しかし、悪路走破性やディーゼルの力強い走りなどが評価される一方で、今や装着が当たり前となりつつある、安全運転支援システムの未採用や質感、静粛性の低さなどの改善希望も多かった。

 ただ、現在の三菱自動車の置かれている状況などを考えると全面刷新するのが困難なことは想像に難くない。そこで既存のコンポーネントを活用しつつも、これまで支持されてきたアウトドアイメージを踏襲し、さらに上質方向にシフトしたフロントマスクに刷新。新意匠のインパネや静粛性を引き上げたキャビン、よりパワフル&滑らかかつ環境性能を強化したパワートレーン、現在のモデルではデフォルトとなった安全運転支援システムの採用など、フルモデルチェンジ級と言ってもいい進化を果たした。

 正式発売は2019年だが、今回は一足お先にプロトタイプへの試乗を行なってきたので、その印象をお届けしたいと思う。

新型デリカD:5 オンロードインプレッション

従来型では否応なしに目立っていた、軸周りの甘さを完全に克服。路面にしっかりと追従する乗り味は、このクラスのミニバンとしてはトップクラスだ。

「ワインディングを走ってみたいな!そう思わせる、良質の乗り味だ」

山本シンヤ

 従来型のオンロード性能は、どちらかと言うとフレーム構造のSUVのようなテイストに近かった。その印象はよく言えば「穏やか」、悪く言えば「ハンドリングを語るクルマではない」である。

 だが、新型に乗ると、従来型の弱みであったガラガラ音やブルブル震える振動が気にならないレベルまで下がっているのだ。走り始めると軽い操舵力ながら路面状況を的確に捉えるステアフィールや、ロールスピードを上手にコントロールするハンドリング、さらにAWDの駆動力による舵角の少なさも相まって、背の高いクルマ特有の不安感は消えている。

 従来型ではワインディングを走りたいと思ったことは一度も無かったが、新型の自然かつ滑らかな走りは「気持ちいいよね」と言えるレベルに来ていると思う。

 パワートレーンは改良版2.3Lディーゼルターボ(型式以外は大きく刷新)と、8速ATの組み合わせにより、力強さとアクセルを踏んだ時の応答性の良さや、滑らかなフィーリングを実感できる。

 このようにオンロードでの走行性、乗り心地、快適性、そして質感の変化は、まさに「トラックから乗用車に変わった」くらいの進化を感じる。

「まるで別次元の走り ここまでとは、正直思っていなかった」

川島茂夫

 新型の走り、正直驚かされた。車体骨格やシャシーの基本設計を従来型から踏襲しているとは思えないほど、走りの質感が向上している。まず乗り心地が別物。従来型は車軸周りの揺動感が目立ち、曖昧な接地感や不要な揺れの多さが質感を下げていた。それが新型にはない。路面の凹凸やコーナリングの入力をサスストロークで吸収していく。揺動感も揺れ残りもわずかであり、腰の利いた粘りが好感触だった。ハンドリングも狙った走行ラインにすっきり収まる。安定はしているが、曖昧な操縦感の従来型とは対照的である。

 騒音・振動が否応に目立ってしまっていたエンジンは、音の質も音量も改善されている。最近のディーゼルらしくなったというレベルだが、世代違いの感を受ける。浅いアクセル開度でのトルクの伸びもよく、巡航ギヤを維持した状態での速度コントロールもしやすい。加速もスムーズであり、余力もドライバビリティも1BOX型ではトップレベルだ。

 従来型はディーゼルの余力感と燃費でアドバンテージがあったが、その他の部分では遅れを取っていた。しかし、新型は質感も含めて高速長距離に求められる要素の大半で、優れた性能を持っている。

icon ■主要諸元(デリカ D:5 P7人乗り) 

アクセル開度に対して俊敏なレスポンスを見せることも新型の強み。新型ディーゼルターボと新開発8速ATとのマッチングの良さも大きな見所だ。

●全長×全幅×全高(mm): 4800×1795×1875
●ホイールベース(mm):2850
●車両重量(kg):1950
●パワートレーン:2267cc直4DOHCディーゼルターボ(145PS/38.7kg・m)
●JC08モード燃費:13.6km/L ※暫定値
●燃料タンク容量(L):64[軽油]
●最小回転半径(m):5.6
●最低地上高(mm):185
●サスペンション形式(F/R):マクファーソンストラット式/マルチリンク式
●ブレーキ形式(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤサイズ:225/55R18

2.3Lの直4ディーゼルターボは、型式こそ従来型と同じだが、設計改良に加え、排ガス浄化システムを追加するなど、環境性能向上も著しい。

新型デリカD:5 オンロードインプレッション

「メカニズム設計強化の恩恵はオフロードでも強く実感」

山本シンヤ

 新型の諸元を見ると、最低地上高はフロントセクション刷新によるアンダーカバー設計変更により210→185mm、アプローチアングルは歩行者の脚部保護性能確保に準じて24→21(アーバンギアは15)度に変更。この数値が一人歩きしてしまい、ネット情報では「デリカD5はオンロードにシフトして残念」と言う意見も聞く。

 今回、約25度の傾斜斜面やモーグル形状路面などが用意された特設のオフロードコースをノーマルモデルで試乗したが、実用上は従来型との差を感じることはなかった。つまり、下手なクロスオーバーSUVを超える悪路走破性は従来型から変わっていない。

 それよりも、1速を8%ローギヤード化したことによる駆動力の高さや、1輪が浮いた状態でもミシリとも言わずそのままスライドドアも開閉可能なボディ剛性の高さ、そして4WDロックを選択すれば強化されたブレーキLSDによる対角離地でのスムーズな走破性など、従来型よりも楽に安心して走ることが可能になったことのほうが、嬉しいポイントだと思う。 ちなみに、三菱お得意の45度斜面を持つ「4WD登坂キット」は、新型でもまったく苦もなく、頂上まで登れるそうだ。

「オフロード適性の高さは健在 扱いやすさが増した印象だ」

川島茂夫

 最低地上高が従来型より低くなっているが、これはアンダーガードの強化が主たる要因。つまり、設計面で見れば、むしろ悪路での実践性能が強化されたとも言える。実際に試乗しても、デリカD:5の強さは健在だった。

 試乗コースは雨上がり後の泥濘状況。標準装着のマッド&スノータイヤでは分が悪いのだが、そんな状況だからこそAWCの威力を実感できた。まずはそこそこの勢いと強引なアクセルワークで試してみた。ホイールスピンを伴いながらも方向を乱すことなく登っていく。細かなアクセルコントロールを併用して、ホイールスピン量を調整したり、時としてアクセルを緩めてスピン輪のグリップ回復、その時の突き出しを利用して泥濘登坂の坂道発進などを試す。スタックも覚悟のトライだったが、何の問題もなく踏破。ホイールスピン量などの制御はAWCが絶妙にバランスを取ってくれるため、電子デバイス任せではなく、ドラテクも活かせるのが妙味である。

 AWCだけでなく、極低速で扱いやすいパワートレーンも大きな見所。4WDシステム/サス/パワートレーンのコンビネーションは、従来型以上の安心感のある踏破性を実感させてくれた。

ダカール・ラリーの覇者増岡氏に聞く新型デリカ D:5の実力

●聞き手:山本シンヤ

 基本設計は10年以上前ですが、オフロードをシッカリ走れる基本性能は今でも十分通用すると思っています。今回の改良で歩行者保護性能アップによるフロントマスクの変更に伴うフロントセクションの骨格変更やEPSの採用、リヤダンパーのサイズアップによりオフロード性能を犠牲にすることなくオンロードでの安定性や快適性を大きくレベルアップさせています。3列目まで大人が快適にシッカリ乗れるミニバンは世界中探してもデリカD:5だけです。

新型 デリカ D:5は アリか?ナシか?

  • 山本シンヤ

    フロント顔の違いは些細なこと中身の激変ぶりに、完全に脱帽

     大きく印象が変わったフロントマスクに賛否の声が溢れている。筆者も最初は「えっ!?」と思ったが、実際に見ると「これはこれでアリだよね」と思うようになった。

     むしろ、それ以上に激変したインパネや走りの進化にビックリ。乗る前は「いくら大幅改良と言っても……ね」と思う部分もあったが、「ちょっと良くなった」ではなく「凄く良くなった」だ。日産GT-Rやトヨタ86と同じように、「見た目を変化させなくても進化させる方法はある」を実感。また、エクリプス クロスや2019モデルのアウトランダーPHEVと同じ“三菱らしさ”がより濃厚になってきたのも嬉しいポイントだ。慌ててマイナーチェンジ前モデルを買ったユーザーにとっては、「残念」としか言いようがない。買い替える価値は十分にある。

  • 川島茂夫

    ウィークポイントを的確に潰したまさに正常進化のお手本

     内外装デザインのイメージチェンジに戸惑ったものの、デリカD:5の本質は変わっていなかった。やはりアウトドアレジャーに特化したモデルであり、長距離移動での快適性やラフ&オフロードでの扱いやすさや安心感を向上させていた。

     キャビンスペースやユーティリティが従来型と大きく変わらないのは少し残念だが、従来型が登場した時点で、すでに勘所は押さえていた設計だったので問題はない。先進安全&運転支援機能も拡充され、ミニバン系ではトップレベルとなり、致命的ウイークポイントはなくなった。結果、悪路踏破性やディーゼルが唯一無二のアドバンテージとなり、もう少し遊びの範囲を拡げたいと考えているミニバンユーザーにとって、とても魅力的なモデルである。

従来型との違いはどれほどあるのか? デリカ D:5新旧ガチンコ比較

新型デリカ D:5

来年早々にも発売されることが予想される新型デリカ。発売日が近づくにつれ、気になってきたユーザーは多いはず。特に歴代デリカを乗り継いできた熱心なファンほど、その想いは強いだろう。ここでは全貌が見えてきた新型と従来型をポイントごとに比較。その差がどれほどなのか? を赤裸々にしたいと思う。
●文:山本シンヤ

11年の歳月はやはり大きい比べるのが酷なほどの差が……

●新型デリカVS従来型デリカ 諸元比較

 新型と従来型、約11年の差はどこにあるのか? まずは公開されるや否や賛否両論が出たエクステリア。アルファード/ヴェルファイア人気から市街地や都会を意識したマスクを狙ったものだろうが、それ以外に歩行者保護性能を高めるためにボンネットフードを高くしたことで、厚みの出たフロントマスクに合った意匠に変更。大胆に変わったフロントに対して、サイドはアルミホイールデザイン変更、リヤはコンビランプの変更程度に留まるが、全体のバランスは悪くない。

 インテリアはインパネが従来のカジュアル路線から一転して洗練された質の高いデザインに変更された。ソフトパッド仕上げや10.1インチの大型タッチスクリーンモニター(OP)、電子パーキングブレーキの採用で、車格が1クラス変わったかと錯覚するほどである。また、従来型はスイッチ類の配置位置のせいで操作性も見栄えも良くなかったが、新型はこの辺りもシッカリと整えられている。シートアレンジは従来型と同様だが、新たに採用されたダイヤモンドキルディングの本革シートは、質感アップにも大きく貢献。ただし、従来型で好評だった助手席前側のアッパーボックスやロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムが廃止されたのは数少ない残念な部分でもある。

 パワートレーンは「4N14」の2.3Lディーゼルターボと型式の変更ないが、フリクション低減や燃焼室の変更、次世代インジェクターの採用などで、中身は大きくアップデート。出力は145PSと若干下がっているが、トルクは38.7kg・mにアップ。トランスミッションは6速から8速ATに変更され、ワイドかつクロスレシオ化されたギヤ比により、燃費と動力性能の両立を実現している。

 実際に乗り比べると「同じエンジン?」と言うくらいの差を感じる。アクセル操作に反応するスロットルレスポンスに、数値以上に感じる力強さ、そして巡航から加速時までシフトキープのまま走れる粘り強さなど、他社のディーゼルと比べても決して引けを取っていない。静粛性や振動も大きく改善され、ディーゼルのガラガラ音はかすかに聞こえる程度。静寂な空間に仕上がっている。

 フットワークは、トラックと乗用車くらいの差がある。ステアリングは油圧式からデュアルピニオンの電動式に変更されたことでフィーリングは格段にレベルアップ。軽めの操舵力で穏やかな特性ながらも直進性や応答性は正確でシッカリしている。

 ハンドリングも同様で隔世の感がある。新型はボディコントロール性が高まり、無駄な動きが少ない。同じコーナーを同じスピードで曲がる際に、明らかに新型のほうが舵角は少ない。また、従来型だとロールスピードが一定ではなく、いきなりグラッと来てドキッとすることもあったが、新型はロールスピードがしっかりコントロールされている。一般的に全高が高いクルマは、ロールオーバーを考慮して硬めのセットになりがちだが、新型は足もよく動いており、スッキリかつシットリした乗り味を実現している。これはフロントセクション刷新による剛性アップと、それに合わせてバランスを取ったリヤセクションとリヤダンパーのサイズアップ、ヨーレートフィードバック制御が追加された電子制御4WDの、巧みな前後の駆動力配分も貢献しているのだろう。

 そして衝突被害軽減ブレーキシステムやレーダークルーズコントロールを始めとする安全支援デバイスの充実は、従来型と比較するのは酷なほどの差がある。

 結論として、見た目が受け付けない人以外なら、新型を選ばない理由が見つからない。それくらい全方位でレベルアップしている。

【CHECK POINT1】走り

新型は全高を下げたかのような安定した走り。ロールスピードがコントロールされているので「そのまま倒れてしまうのでは?」と言う恐怖感はない。コーナリングは従来型はステアリングだけで曲がっていた印象だったのに対して、新型はAWCによる駆動力も使いながら曲がってくれるので、同じコーナーを同じ速度で曲がる際にも少ない舵角でOKだ。

【新型】ミニバンとは思えぬほどの軽いフットワーク 想像以上の進化を感じる

初めてデリカD:5に乗って「ハンドリングが気持ちいい」と感じた。背の高さは感じるがコーナリングの恐怖と戦うことはない。ディーゼルエンジンのアクセル操作に対するピックアップも良い上に、8速ATのレスポンスもいいので数値以上の力強さを感じる。

【従来型】新型とは明らかに方向性が異なる走り。音と振動も気になってしまう

旧型だけ乗っていれば「デリカD:5はこんなもんだよね」と思っていたが、新型と比べると10年以上の歳月を感じてしまう。音と振動はもちろん、走りのフィーリングも勝ち目はないが、見た目と走りのバランスは整っていると思う。

【CHECK POINT2】キャビン&ラゲッジ

今回の変更で室内スぺースやシートアレンジなどは居住性やラゲッジスペースの部分は変更されていないのでイーブン。ただ、インパネ変更に伴いシート地や加飾、イルミネーションが変更されているため、新型のほうが静的な質感と静粛性や振動と言った動的な質感は新型が圧倒的に勝る。ただ、従来型のほうが汚れを気にせず気軽に使えるかもしれない。

【新型】

新型を開発するにあたって、キャビン空間の質感向上は重要テーマの一つ。素材感アップに加えて、ソフトパッドの採用など、魅せる意匠が随所に盛り込まれていることも新型の特徴だ。

  • センターコンソールまわりのスイッチやモニターの配置は、基本的に従来型の流れを汲んだものだが、一つひとつの形状が一新され、新鮮味を感じる。特にナビの進化は著しい。

  • サードシートはスライド機構+左右跳ね上げ式を採用するなど、アレンジ面は従来型を踏襲。格納時は座面の厚みが気になるが、上級ミニバンは乗員優先の設計思想が強いため、これはこれでアリだろう。

【従来型】

従来型の後期仕様は、キャビンの上質感向上にも力を注いでいたが、改めて新型と比べると、パネルやトリム、シート地の素材感や仕立てに古さを感じてしまう。車格的に一つ落ちる印象だ。

  • シフトレバーはコンソールに配置され、その周囲にスイッチ類が配される。新型と同様の設計思想だが、ナビモニターは7インチと、一世代前のシステムであることを痛感させられる。

  • 従来型もサードシートはスライド機構+左右跳ね上げ式を採用するなど、アレンジ面は同等。フロア面も低く取られるなど、荷物を載せる際の使い勝手の良さを持つ。ここは差が少ない。

【CHECK POINT3】エクステリア&パッケージ

フロントマスクは賛否があるようだが、こればかりは好みの問題なので新旧で優劣をつけられない。ただ、新型は写真/画像のような二次元で見るより実車を見たほうが印象はいいと思っている。分かっていれば全く問題ないが、他のミニバンから乗り換える人は乗り降りのしにくさを覚悟する必要も。用品で電動ステップの設定があるといいのだが……。

  • 見比べると、その差は歴然。野性味溢れる顔つきを手に入れた新型は、少々やりすぎ?な感も否めないかも。デリカが受け継いできた実用性を愛する向きには、従来型の方が好ましく思えるかもしれない。

  • 新型も従来型もホイールベースは2850mm。車体寸法もほぼ同サイズで、最小回転半径も共に5.6mと、アッパーミドルクラスとしては平均的な数値。実用面での差はほとんど感じることはないだろう。

【CHECK POINT4】装備&メカニズム

エンジン/シャシー共に大幅にレベルアップされているので、性能面で言えば従来型を選ぶ理由は一つもない。ただ、それに伴って価格がアップしている(従来型に対して、約30万円高)のも事実である。また、実用燃費はアップしているが尿素SCRを採用するため1~1.5万kmごとにAdBlue補充が必要となる。ちなみに新型はディーゼルのみで、ガソリン車は従来型が継続販売される。

【新型】

  • 環状骨格と呼ぶリブボーンフレーム構造は健在。ただし、サブフレームは新設計され、強度はさらに高まっている。新型もオフロードを楽しめるミニバンだ。

  • デリカD:5がデビューした当時には存在しなかった、先進安全機能の採用は最大のトピックス。同クラスのライバル勢と、互角に戦える武器を手に入れた。

【従来型】

  • パジェロ譲りの本格4WDシステムを採用することは、デリカD:5のアイデンティティの一つ。雪路などの過酷な環境下でも、悠々と走れる実力は、既存のミニバンとは一線を画すものだ。

  • 装備に古さを感じることもあるが、積載性やユーティリティなど、ミニバンに求められる基本要素はなかなか優秀。新型と比べても見劣りすることはない。

最新モデル、続々とスタンバイ中

 三菱自動車の岡崎技術センターは、三菱車開発の一大拠点。近年、PHEV技術を中核とした電動化モデルに精力的に取り組んでいるが、ここでは次世代を見据えた多くの開発・検証が行われている。2019年中に新車種(フルモデルチェンジを含む)を2モデル、既存車種を5モデルの刷新を公表しているだけに、今後の動向からは目を離せない。

この秋、ミツビシ車の開発拠点 岡崎技術センターがパワーアップ!

  • 自慢のAWC技術は、センター内のテストコースで煮詰められる。取材当日は新型デリカD:5のほか、エクリプス クロスの試走も行われた。

  • 環境試験棟では、寒冷地の環境を再現したブース内で、極限状況での走行状況を再現&シャシーダイナモを用いたテスト走行を実施していた。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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