ホンダNSXの中古車購入の際の選び方の参考ポイント

ＮＳＸは日本が好景気で湧くバブル期の最中だった、1990年9月に発売されました。
世界中のサーキットで熟成を重ね、世界に通用する2人乗りピュアスポーツモデルとしてホンダよりリリースされました。圧倒的な性能はもとより、伸びやかなスタイリングや戦闘機のキャノピーをイメージさせる個性なボディデザインにより、瞬く間に人気モデルとなりました。

ショートストロークのVTEC機構付3.0 L V型6気筒DOHC自然吸気エンジンを横置きミッドシップに搭載し、軽量・高剛性を誇るオールアルミモノコックボディ、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、5速マニュアルトランスミッションと相まって、卓越したハンドリング性能となっています。ほかにもパワーバンドを積極的に使ったメリハリのある走行性能を実現しました。

その後のマイナーチェンジや仕様変更では、クロスレシオ化された6速マニュアルトランスミッションを搭載する3.2Lエンジン搭載モデルをはじめ、クーペ並みの剛性感を維持しながらオープンエアが楽しめるタルガトップ、ボディの軽量化やエンジン・足回りの専用チューニングなど、ポテンシャルの高い走りを提供するモデルなど、ラインナップの拡充がなされました。

また、インテリアや外装色をオーナー好みに合わせて自由にコーディネイトできるカスタムオーダープランが用意されるなど、スポーツスペシャリティとしての魅力を高めます。

2005年12月まで販売された初代モデルは、リトラクタブルヘッドライト仕様の1990年リリース時の前期型と固定型のプロジェクター式ディスチャージヘッドランプへと変更された2001年以降の後期型に大別されます。

初代モデルの販売終了から約11年後の2017年2月には、3.5L V型6気筒DOHCツインターボエンジンに3基のモーターを備える独自のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD（Super Handling-All Wheel Drive）」を採用した、4WDハイブリッドスポーツモデルとしてリリースされました。
ショーモデルがそのまま市販化されたような、ワイド＆ローの未来的なフォルムが印象的なモデルです。

ここではNSX古車購入の際の選び方の参考ポイントとして、主なグレードの特徴、維持費と燃費、中古車の価格相場や価格帯を取り上げてご紹介します。　

・NSX
搭載するトランスミッションにより、エンジンの排気量・特性が異なります。
手元でシフトチェンジが可能なFマチックを備える4ATモデルは265psを発揮する3.0Lエンジン、6MTモデルは280psの3.2Lエンジンの組み合わせとなります。

ベースグレードながら、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプをはじめ、インテグレーテッドリアスポイラー+フロントロアスカート+アルミメッシュ・サイドエアインテークガード＆フロントダクトカバーに加え、BBS製鍛造アルミホイール、デュアルエキゾーストパイプなどの他グレードと共通した外観を備えています。

室内には電動リクライニング＆スライド機構付本革シートや本革巻ステアリングホイール＆シフトノブ、チタンカラーパネルなどの豪華なインテリアをはじめ、クルーズコントロールやフルオートエアコン、Bose製サラウンドシステムが装備されます。

また、運転席＆助手席SRSエアバッグシステム、ABS（アンチロックブレーキシステム）などの安全装備が施されています。

・NSX タイプT
タルガトップを備えるオープンモデルです。
基本装備はほぼ「NSX」に準じ、4ATもしくは6MTが用意されます。
6MTにも電動パワーステアリングが装備されます。

・NSX タイプS
リクライニング機構を持たないレカロ社製バケットシートやMOMO社製本革巻ステアリングホイールを備えるスポーツグレードです。

トランスミッションは6MTのみの設定です。
シフトノブはチタン削り出しへ、フロアマットは軽量タイプへ置き換わります。
ステアリングホイールを介して路面状況がダイレクトに感じられるよう電動パワーステアリングは非装備となります。また、トラクションコントロールも同様にレス仕様となります。

・NSX タイプR
ベースグレードの「NSX」に対して、専用カーボンフード＆カーボンリアスポイラー、軽量ホイールの採用をはじめ、バッテリー小型化やフロアアンダーコートを廃止するなど、徹底した軽量化が図られ、走りに特化したホットグレードです。

ほかにも専用セッティングABS＆DBWの装備に加え、減衰力を高めた専用サスペンション、スリット入り4輪ベンチレーテッドディスクブレーキやボディ剛性強化などが図られています。

室内には軽量で剛性の高い専用カーボンアラミドバケットシートや随所にカーボン加飾が施され、イエロー指針＆300km/hフルスケールメーター装備など、レーシーな雰囲気を醸し出しています。　

ここでは、NSXの型式ごとの燃費の違いと、燃費に基づく年間の燃料代と自動車税からなる年間維持費用をまとめます。
同じ型式でも車両重量などにより若干の差異が生じることがあります。

なお、年間の走行距離は年間1万km、ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しています。また、自動車税は2018年7月時点で参照したものとなります。

・NA1：3.0L/4AT/ミッドシップモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：8.4km/L
年間ガソリン代：約172,619円（1190.4L x 145円） ※1
自動車税：年間51,000円 ※2
年間維持費：約226,619円 ※3

・NA2：3.0L/6MT/ミッドシップモデル
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費：9.0km/L
年間ガソリン代：約161,111円（1111.1L x 145円） ※1
自動車税：年間51,000円 ※2
年間維持費：約212,111円 ※3

・NC1：3.5L/CVT/フルタイム4WDモデル/ハイブリッド
使用燃料：無鉛プレミアムガソリン
JC08モード燃費：12.4km/L
年間ガソリン代：約116,935円（806.4L x 145円） ※1
自動車税：年間58,000円 ※2
年間維持費：約174,935円 ※3

※1．ガソリン単価は無鉛レギュラーガソリン135円/L、無鉛プレミアムガソリン145円/Lと仮定しております。
※2．自動車税は2018年7月時点で参照したものとなります。
※3．年間の走行距離は年間1万kmと仮定して1年間のガソリン代を算出し、自動車税を合算して、年間維持費として計算をしております。

NSXは、ミッドシップエンジン・リアドライブの質の高い本格的なスポーツ走行を可能にする2人乗りフラッグシップクーペモデルであり、比較的価格が安定した中古車価格を維持しています。
しかしながら、趣味性の高いクルマであることや販売終了から年数が経過していることがあり、流通台数がやや少ないことがあげられます。用途や予算、好みなどに応じて、じっくりと最適な1台を選ぶことをおすすめします。

初代 ホンダNSX NA系：298～2760万円
NA1：298～2760万円

2代目 NSX NC系：2,398～2,950万円
NC1：2,455～2,950万円

ベースグレード：298～2950万円

1990年9月から2005年12月まで販売された初代モデルは、最終モデルの販売終了から約12年経過した現在も高値で取引される人気モデルです。

走行距離の少ない車両では希少性から、当時の新車価格を上回るプライスタグが掲げられて車両も見受けられます。ほとんど大切にガレージで保管されていたような1000km未満の車両から年式相応とも言える10万kmを超える車両まで様々ですが、その大半が未だ300万円以上の販売価格が提示されています。

2017年2月にリリースされた2代目モデルは、元々の車両本体価格も2370万円と高額でその希少性からも、中古車登録はごく少数です。登録されている車両をみても、そのほとんどがデモカーとして使用されていたと思われるほど、1000km未満の低走行車が大半を占めます（上記中古価格帯については、2018年7月26日時点での数値となっています）。

年式やグレード、オプション装備をはじめ、走行距離や程度、ボディカラーなどで個々の中古車販売価格が異なりますので、中古車を価格で選ぶ際には、最新の価格をチェックするようにしましょう。