新車試乗レポート
更新日:2018.11.01 / 掲載日:2018.10.31

HONDA CR-V vs ヴェゼル

国内市場にて復活を遂げた、CR-V。ハイブリッドの発売前ながら、その受注状況は好調の模様。果たしてその理由とは。弟分、ヴェゼルと比較しながら、人気のワケを探ってみよう。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/佐藤正巳

プレミアム性も実用性もミドルSUVトップレベル

新型となったCR‐Vにはふたつの注目点がある。ひとつはSUVの原点とも言えるアウトドア趣味のレジャーワゴン、もうひとつは最新技術搭載車、である。レジャーワゴンとしての魅力は3列シートの採用や落ち着きと開放感に優れた後席、同クラスではトップレベルの荷室容量など。荷室はSUVでは床面高が低く積み降ろししやすい。これ見よがしの機能ではなく、馴染みのいい使い勝手である。プレミアムやスポーティに媚びずにファミリー&レジャー用途適性を高めたのは好感が持てる。誤解なきように付け加えれば、実質本位で貧相という意味ではない。落ち着きを備えた高級感は大人っぽいプレミアムを感じさせてくれる。
最新技術はパワートレーンである。ガソリン車には1.5Lのダウンサイジングターボ、ハイブリッド車にはシリーズ式をベースに高速巡航用エンジン直動機構を備えたi‐MMDを採用。古典的なパワーユニット観ではCR‐Vに1.5Lは違和感を覚えるだろうが、最大トルクは24・5kg・mに達し、CVTならではの低く緩やかな回転変化でこなしていく。NA仕様2・5L車を上回る力感である。ハイブリッド車は一般路未試乗だが、プロト車を雪路で試乗した印象では電動モーターらしいダッシュ力と繊細なコントロールがしやすい穏やかさを備え、上級仕様に相応の動力性能だった。
走りのもうひとつの長所は乗り心地の質感だ。車軸周りの揺れが少なくなり、揺れ返しの少ないストローク制御と相まって、すっきりとした品のいい乗り心地を示す。スポーティな印象は薄いが、高速の安定性や山岳路の御しやすさなど自然体で操りやすい。同乗者にもドライバーにも優しいハンドリングだ。これも大人味である。
ホンダSUVラインナップではヴェゼルの上位に位置するが、その車格の違いはすべてに現れている。フィットから発展したヴェゼルとアコードと横並びのCR‐Vなら当然だが、ロングツーリングでもアウトドアレジャーでもユーティリティも走りもゆとりのレベルが違う。もっとも、ハイブリッド車比較で100万円を超える価格差なら当然である。プレミアム性も実用性もミドルSUVのトップレベルにあるのがCR‐Vなのだ。

icon HONDA CR-V

●発売日:8月31日(ハイブリッドは11月1日)
●価格帯:323万280~436万1040円

■主要諸元(EX マスターピース・7人乗り・4WD)
●全長×全幅×全高(mm):4605×1855×1690 ●車両重量(kg):1680 ●パワートレーン:1496cc直4DOHCターボ(190PS/24.5kg・m) ●トランスミッション:CVT ●燃料タンク容量(L):57[レギュラー] ●最小回転半径(m):5.5 ●最低地上高(mm):210

月間販売計画の4倍以上を受注!

  • 発表から1か月後の9月30日において5000台を超える受注。月間販売計画は1200台なのでなかなか好調だ。購入層は従来からSUVに乗っている人が中心、3列仕様ではミニバンから乗換えの子育てファミリー層も多い、とのこと。

【注目ポイント】相応しい動力性能と品のいい乗り心地

ガソリン車は1.5Lを搭載。と聞くと車格に対して排気量が小さすぎる気もするが、街乗りから高速までストレスなく走ってくれる。非力感はない。

【注目ポイント】実際の使用に即した、馴染みのいい使い勝手

写真は3列シート車。3列目、2列目を倒しフロアボードを上段にするとフラットで広大な空間が出現する。2列目は跳ね上げも可能。テールゲートも手の届きやすい高さだ。

すっきりとまとめられたインパネ。燃料タンク形状の工夫などで全長の変更をすることなく3列仕様を実現。2列目のスライドなどで、フレキシブルに室内空間を調整可能。

コチラが弟分ヴェゼル

フィットがベースで、外観から想像する以上に広い室内が特徴。後席チップアップなど収納力を上げる工夫も。優等生ながら、CR-Vと比べるとやはりレジャー適性は劣る。

結論:CR-Vの長所&ヴェゼルとの選び分けは?

ヴェゼルはコンパクトSUVの優等生である。スペシャリティな雰囲気のスタイルに実用的な後席居住性や多様な積載性を盛り込み、タウン&レジャーを上手に両立している。ただし、走行性能はスモール&コンパクトのレベル。ハイブリッド車も含めて全車NA1.5Lでは高速や山岳路で余裕がない。タウンユースではヴェゼルが有利だが、長距離レジャーとなればCR-Vが圧倒的。レジャー主体の選択では価格差を踏まえてもCR-Vが無難だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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