新車試乗レポート[2018.10.30 UP]

(左)C200アバンギャルド、(右)クラウン2.0RSアドバンス

片やCクラス、片やクラウン。ともにプレミアムカーのアイコンとも言えるネームバリューを誇る存在だが、オーナーが後席におさまってラグジュアリー感を満喫……というのとは違う。本分はドライバーズカーであり、日常用途にも目配りの利いた実用セダンだ。また、FFの大型セダンも珍しくない中、FRパッケージを堅持するのも共通項。ともに新型となったばかりで価格帯もほぼ重なる、そんな二台を改めて比較してみた。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/佐藤正巳

この記事の目次

比較試乗インプレッション
ベンツCクラスvsクラウン、スペック比較
日本流スポーティセダンか、ドイツ流「小さな高級車」か
MERCEDES-BENZ C-Class Sedan メルセデス・ベンツ Cクラスセダン

ビッグマイナーチェンジでパワートレーンも刷新したセグメントリーダー

Cクラスは欧州Dセグメントをリードする車種であり、世界中のメーカーがベンチマークに据える存在でもある。かつて5ナンバーサイズのベンツとして国内でもヒットした190シリーズの後継で、現在もFR車としては最小のメルセデスだ。直近の改良では約6500か所、構成部品の半分程度に手を入れるとともに、48V電気システム+マイルドハイブリッドの新型直4エンジンを一部に採用。安全性と快適性を高める「インテリジェントドライブ」はSクラスと同等となっている。

●発売日:'18年7月25日(受注開始/納車は9月より)
●価格帯:449万〜1379万円
●販売店:メルセデス・ベンツ正規店

新型 C-Class バリエーション、セダンを含む4タイプでニーズに応える
■カブリオレ ●価格帯:615万〜1483万円

開放感を楽しめる電動ソフトトップ仕様。C180とAMG×2の3グレード設定だ。

■クーペ ●価格帯:564万〜1424万円

スポーティなスタイルでディーゼル仕様はなく、全4グレードのうち3つがAMGだ。

TOYOTA CROWN トヨタ・クラウン

日本流プレミアムのベンチマーク

「いつかはクラウン」というかつてのキャッチコピーが示す通り、いつの時代も憧れであり続ける、国産プレミアムセダンのベンチマーク車。15代目となる現行型はTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づいて開発され、車載DCM(通信機)を標準搭載する初代コネクティッドカーとして登場。従来のロイヤル/アスリート/マジェスタを統合し、スタンダードとRSの2系統となった。パワートレーンは2Lターボと2タイプのハイブリッドが設定される。

●発売日:'18年6月25日
●価格帯:460万6200〜718万7400円
●販売店:トヨタ店、東京トヨペット店

CROWN バリエーション、スタンダード系とRS系の2本立て
ハイブリッド2.5G

RS系はホイールなどが専用デザインとなるスポーティ仕様。全体のフォルムなどはスタンダード系(左)と同様だ。

らしさ追求のクラウンと何でも来いのCクラス

 今ではA/Bクラスがあるため中堅車種となったが、初代Aクラスが登場するまではベンツの実質的なエントリーモデルだったのがCクラスである。ただ、A/BクラスがFF車となるため、今なおFRベンツ車のエントリーとして位置付けられる。

 一方、マジェスタ系も統合したクラウンは別格のセンチュリーを除けばトヨタ車の頂点モデルであり、全長もホイールベースもCクラスよりひと回り大きい。車格設定ではEクラスに相当する。

 興味深いのはパワートレーン展開である。クラウンは4気筒の2Lターボと2.5Lのハイブリッド、3.5LのV6ハイブリッドの3タイプで、NA仕様の2.5〜4.5Lに相当する。Cクラスは日本導入モデルだけでも1.5Lターボから4Lターボまで5タイプ用意され、ディーゼル車もラインナップ。NA仕様の1.8L級から6L超級相当の設定だ。

 言い換えるなら車格やコンセプトにふさわしいモデルに絞ったクラウンに対して、予算や使い方に合わせた多様性を求めたのがCクラス。排気量主義と車体主義の相違ともいえ、それは両車の「プレミアム」の楽しみ方や予算配分、ニーズの違いにも現れている。

比較試乗インプレッション

プレミアムの王道ならCクラス

C200アバンギャルド<AMGライン装着車>

■主要諸元
●全長×全幅×全高:4690<4705>×1810×1425<1430>mm
●ホイールベース:2840mm
●車両重量:1550<1600>kg
●駆動方式:FR
●パワートレーン:1496cc直4直噴ターボ(184PS/28.6kg・m)
●トランスミッション:9速AT
●JC08モード燃費:13.6km/L
●燃料タンク:66L(プレミアム)
●最小回転半径:5.2m
●タイヤサイズ:前=225/50R17 後=225/45R18<245/40R18>

操る楽しさならクラウン

クラウン 2.0 RS アドバンス

■主要諸元
●全長×全幅×全高:4910×1800×1455mm
●ホイールベース:2920mm
●車両重量:1730kg
●駆動方式:FR
●パワートレーン:1998cc直4直噴ターボ(245PS/35.7kg・m)
●トランスミッション:8速AT
●JC08モード燃費:12.8km/L
●燃料タンク:66L(プレミアム)
●最小回転半径:5.5m
●タイヤサイズ:225/45R18 ※オプションを含まず

どちらをよしとするかは乗り手の価値感による

 先代の前期型まではスポーティ志向が強い乗り味だったCクラスだが、先代後期型からE/Sクラスと似た乗り味となり、現行車はFRベンツの末弟という印象が濃くなった。何がそう感じさせるかと言えば重質な味わいである。一部モデル以外はランフラットタイヤを廃止し、乗り心地と操安のバランスがいい標準型ラジアルタイヤに変更したことで、しっとりした重み感が増している。

 車軸の揺動や揺り返しの抑えのよさも特筆すべき出来だが、沈み込みストロークを意識させるストローク制御が格別だ。伸縮のストローク量は同じなので、ストローク速度制御の巧みさということなのだが、荷重が抜けてもポンと伸び上がるような感じが極めて少ない。プレミアムセダンとしてはコンパクトサイズにもかかわらず、大きく重いクルマの「どっしり」を感じさせる。しかも、悪い部分なしでだ。試乗車がOPのAMGラインに含まれる電子制御エアサスを装着していたことも車格を超えた重質な味わいに繋がっている。ちなみにアバンギャルドは全てAMGラインが選択可能である。

 クラウンは5代目マジェスタまで電子制御エアサスを設定していたが、現行車はコイルサス仕様のみで、RS系には電子制御ダンパーのAVSが採用される。

 新世代プラットフォーム採用の走りは現行型の魅力のひとつ。ただし、主な訴求点は高速安定性とファントゥドライブである。加減速によるアレンジが利いて限界付近まで高いコントロール性を維持し、破綻を抑えた操縦性は、歴代クラウンだけでなくレクサス車も含めたトヨタ系モデルで最高水準にある。FR車を操る醍醐味はCクラス以上と言ってもいい。ただし、「何事も起こらない」という懐深さではCクラスに分がある。

 この操縦性からすれば、相対的に優れた乗り心地と言えないこともないが、Cクラスのような「どっしり」は得られない。細かな揺り返しや突き上げられる感覚が目立つ。よく言えばスポーティだが、質感や洗練感は物足りない。

 パワートレーンは国産車の強味を発揮しコスパで圧倒。同じ予算で1クラス以上勝るパワーとトルクを得られる。とくに3.5Lハイブリッドは高性能エンジンとしても魅力的なパワーフィールを備え、動力性能と燃費の両立が大きなアドバンテージとなっている。

 どちらの走りをよしとするかは走りに対する価値感にもより、FR車のファントゥドライブを求めればクラウンが魅力的だが、プレミアムセダンの王道主義ならCクラスが一枚上手だ。

新型Cクラス、タイプ別ショートインプレッション

Cabriolet カブリオレ

Cクラスの長所そのままのオープンカー
 国産車の空白地帯だけにCクラスの存在感は突出している。フルオープンボディながら、狭いながらも実用的な後席を備えているのが見所。クローズドボディと同等とは言えないまでもオープンカーとしては車体剛性が高く、車体を揺するような振動も少ない。要するにセダンほどではないがCクラスの走りの質感を十分に味わえるわけだ。車種設定はCクラスでは最も少なく3モデルのみとなるが、C180スポーツから設定。ただし、C180スポーツでもエアサス等のパッケージOPを充実させると700万円を超えてしまう。

C180 カブリオレ スポーツ
■主要諸元

●全長×全幅×全高:4700×1810×1410mm
●ホイールベース:2840mm
●パワートレーン:1595cc直4直噴ターボ(156PS/25.5kg・m)
●価格:615万円
※オプションを含まず

Coupe クーペ

見た目はスポーティでも中身は真面目
 クーペというとスポーツ性が強いマニアックなモデルを想像する。しかも試乗車はAMGのC43である。C200/220d系は設定されず、C180かAMG車の設定というのも高いハードルになるが、クルマの印象はクーペになってもCクラスそのもの。C43はAMG車としてはエントリーグレードだが、その動力性能は圧倒的。高速操安性も非常に高い。性能相応のハードさはあるが、重質な味わいや御しやすさはそのまま。超高速ツアラーならではの頼もしさが印象的で、マニア臭は薄い。また、クーペにしては実用的な後席も見所だ。

AMG C43 4マティック クーペ
■主要諸元

●全長×全幅×全高:4700×1810×1410mm
●ホイールベース:2840mm
●パワートレーン:2996ccV6直噴ツインターボ(390PS/53.0kg・m)
●価格:950万円
※オプションを含まず

Stationwagon ステーションワゴン

国産ラインナップに不満のワゴン派必見
 同サイズのFFワゴンと比較するとスペース効率は劣るが、座り疲れしにくいシートなどで居心地は良好。また、モデル展開がセダンと共通しているのもユーザーにはありがたい。試乗した220dアバンギャルドはAMG車を除く最上級仕様。2000回転以下でも力強く、穏やかでコントロールしやすい。また、中高回転域の加速の伸びやかさも兼ね備え、ガソリン車からの乗り換えでも違和感なく馴染める運転感覚だ。重質な乗り味とともにゆったりしたツーリングを楽しめる。国産ライバル不在ということもあり、ワゴン派必見だ。

C220d ステーションワゴン アバンギャルド
■主要諸元

●全長×全幅×全高:4705×1810×1440mm
●ホイールベース:2840mm
●パワートレーン:1949cc直4直噴ディーゼルターボ(194PS/40.8kg・m)
●価格:602万円
※オプションを含まず

ベンツCクラスvsクラウン、スペック比較

Cクラス セダン【パワートレーン&シャシー比較】
【1497cc直4ターボ:184PS/28.6kg・m+BSG】

【1950cc直4ディーゼルターボ:194PS/40.8kg・m】

【2996ccV6ツインターボ:390PS/53.0kg・m】

BMGを採用したマイルドハイブリッドが登場

ハイライトはC200系の1.5Lターボ。BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)+48V電気システムを新採用し、モーターアシストによる力強い加速と環境性能を両立。ほかにC200dは新世代ディーゼルを、C43は出力向上を果たしたV6ツインターボを搭載。C180系の1.6L直4ターボやC63系のV8ツインターボは従来通り。ミッションはすべて9速ATを採用している。

【1595cc直4ターボ:156PS/25.5kg・m】
【3982ccV8ツインターボ:476PS/66.3kg・m】
【3982ccV8ツインターボ:510PS/71.4kg・m】

スターター・ジェネレーターと高効率な48V電気システムによりエネルギー回生やトルクアシスト、変速時の回転数合わせなどを行う。バッテリーは1kWhのリチウムイオンでモーターの最大トルクは160N・mだ。

C180セダン/ワゴンなど一部を除きランフラットタイヤを廃止して乗り心地が向上。日本の道路事情により適した仕様となった。

クラウン【パワートレーン&シャシー比較】
【1998cc直4ターボ:245PS/35.7kg・m】

【2487cc直4:184PS/22.5kg・m +モーター:105kW/300N・m】

【3456ccV6:299PS/36.3kg・m +モーター:132kW/300N・m】

新世代シャシーで走行性能が向上

V8のマジェスタがなくなり、2L直4ターボと2.5L直4ハイブリッド、3.5L・V6ハイブリッドがラインナップ。2.5LはTNGAに基づいて開発されたダイナミックフォースエンジン+電気式無段変速で、3.5Lはトヨタ初のマルチステージハイブリッドシステムを採用。2Lターボのミッションは8速ATだ。

FR用のTNGAプラットフォームであるGA-Lプラットフォームが低重心化やねじれ剛性の向上などをもたらしている。ハイブリッドシステムは3.5がレクサスLS系、2.5がカムリ系の最新ユニットベースだ。

全グレードでアルミホイールを装着。サイズはグレードにより16/17/18/19インチで、タイヤは前後同サイズだ。

Cクラス セダン【エクステリア比較】
C200 アバンギャルド(AMGライン装着車)■ホイールベース:2840mm ■全長:4705mm

■全高:1430mm

■全幅:1810mm

外観は前後ビュー中心に変更

ボディサイドのキャラクターラインが印象的な、王道のセダンシルエット。全体のフォルムは従来型を踏襲しながら、灯火類やバンパー、フェンダーなど、前後パートの変更で新味を加え、フロントフェンダーのエアアウトレットなどにより空力性能の向上も図っている。片側84個のLEDを制御するマルチビームLED(C200以上に装着)は、650m届くウルトラハイビーム等の機能を備える。

クラウン【エクステリア比較】
2.0 RS アドバンス ■ホイールベース:2920mm ■全長:4910mm

■全高:1455mm

■全幅:1800mm

よりファストバック的なフォルムに

新プラットフォームで生まれ変わったが、押し出しの強いフロントグリルをはじめクラウンらしさは健在。ルーフのリヤエンドはトランク後端に向かってなだらかな傾斜を描く。リヤクォーターガラスの傾斜角でその印象を補強しつつ、後席のヘッドルームはしっかり確保されている。外形寸法は全幅を除いてすべてCクラスより大きく、特にリヤオーバーハングの長さが目を引く。

Cクラス セダン【インテリア・ユーティリティ比較】
ラウンドシェイプが穏やかなくつろぎを演出。多彩な情報表示が可能な12.3インチコックピットディスプレイやHUDをC200以上に標準またはOPで設定。中央の10.25インチワイドティスプレイは全車装着。

大人の落ち着きを重視
後席は4:2:4分割可倒で、トランクスルーにより長尺物にも対応。C200以上はハンズフリーのトランク開閉機能を設定する。

C200以上には本革シートがOPまたは標準で設定される。

今回加わった新しいインテリアカラーはシルクベージュ、マグマグレー、サドルブラウン(写真)の3色だ。

クラウン【インテリア・ユーティリティ比較】
高級感をベースにスポーティさを加えたコックピット。大型ツインモニターを備えるセンターコンソールがコネクティッドカーらしい先進感をもたらしている。オプティトロン2眼メーターはメーターリング照明付きだ。

ツインモニターが先進感をもたらす
トランクスルーはないが、平均的なゴルフバッグが4個積める十分な容量を確保。グレード別設定でイージークローザーを用意する。

キャビンは広々。多くのグレードに前席ベンチレーションや後席電動リクライニング付きの本革シートを設定。

RS系はこがね色などの和テイストなカラーパッケージも選べる。

Cクラス セダン【先進装備比較】
前方約250m、側方約40m、後方約80mを検知するレーダー、約90mの3D視を含む約500m前方を見るステレオカメラを搭載。

周辺状況をより早くより詳細に検知する。

“自動運転”的な機能も用意、緊急停止や半自動の車線変更も

 フラッグシップのSクラスと同等の安全運転支援システムを設定。条件が整えばウインカー操作だけで車線変更をしたり、ドライバーが運転できない状態だと判断した場合には自動で安全に停止するなど、自動運転を思わせる機能が用意されているのが特徴だ。

アクティブエマージェンシーストップアシストはもしもの場合に、クルマを安全に停止させるシステム。一定時間ステアリングに触れずにいて警告にも反応しない場合、自動的に緩やかに減速し、完全に停止する。

操舵支援を積極的に活用。例えば、高速道路での車線変更はウインカーを軽く操作するだけ。

歩行者との衝突回避時には走行車線への復帰までドライバーの操作を補助する。

クラウン【先進装備比較】
夜間の歩行者も検知できる、トヨタ最新の安全運転支援機能を搭載。また、オプションの路車間/車車間通信によって、見通し外の情報や信号等の情報も利用可能だ。

つながる「T-Connect」に注力、今後の発展をにらんだ常時接続がスタート
緊急コールなどの従来機能を統合するとともに、安全運転連動の保険といった新サービスも。オペレーターを呼び出して走行中にナビの目的地を設定したりもできる。

 クラウンはトヨタのフラッグシップ。当然、先進安全&運転支援装備「トヨタセーフティセンス」は最高機能版となる。注目なのは常時ネット接続前提の「T-Connect」への対応だ。現在は従来機能の統合+αといった観があるが、今後の多様な展開が期待できる。

寸法の余裕ならクラウン、加飾を抑えたCクラス

 車体サイズの違いはキャビンに大きく影響する。ひとつは居住性だ。ひと回り大きなクラウンの方が寸法的な余裕に勝るのは言うまでもない。クラウンはVIPカー用途までカバーする。ただし、居住性で差があるのはレッグスペースが大半となる。後席ヘッドルームは同等。後席乗降時の脚さばきもCクラスの方が窮屈だが、頭抜けは同等。寸法の余裕のなさをカバーすべく後席の形状は深い着座姿勢を取りやすく、収まりもいい。身動きしにくい感もあるが、長時間走行で疲れにくいシートだ。

 インパネ等の内装の造り込みは、パネル合わせ等の精度感に大きな隔たりはない。ただ、パッと見た感じではCクラスのほうが上質な印象を受ける。凝縮感と言うべきかもしれないが、継ぎ目が少ないパネルやトリムに機能部品を填め込むような仕立て。クラウンは加飾を目立たせるような感が強く、その分だけ分割線も目立つ。もっとも、この辺りは「高級」に対する価値感の相違とも言える。

 装備面は同等。ともに先進の安全&運転支援や車載ITシステムを採用。輸入車は国内事情との整合性が気になるが、ベンツ車は日本市場対応も巧みで、国産車からの乗り換えでも違和感が少ない。

日本流スポーティセダンか、ドイツ流「小さな高級車」か

(左)Cクラス セダン、(右)クラウン

 「プログレがあったらいいライバルになったのに」と、Cクラスを乗る度に思う。プログレをひと言でまとめれば、クラウンをプレミオ(1.5〜2L/5ナンバー)サイズにダウンサイジングしたモデルで、小さな本格高級セダンとして開発された。残念ながらプログレは一代で消滅し、コンセプトを引き継いだ後継車もない。

 ミニバンやハイト系の台頭もあり、実用性重視でセダンを選ぶユーザーも減少し、セダンの魅力として走りが大きなウエイトを占めるようになった。今やスポーティはプレミアムセダンの重要な訴求点である。そういったトレンドを汲み取っているのが現行クラウンである。スタイルも伝統的なノッチバックからファストバック的になり、新たなプラットフォームがもたらしたフットワークによって歴代で最も高速安定性に優れたモデルとなった。言い方を換えるなら現在のセダンユーザーの多くに適した魅力を備えている。

 Cクラスは小さな高級車である。突出した高性能を誇るAMG車を除けば、ことさらなスポーツ性はない。最近のセダンにしては珍しくリヤピラー周りがもっこりしているのもセダンに対するこだわり。トレンドに乗せるよりも、FRベンツの味や質をコンパクトサイズでまとめる方向性である。排気量やサイズの車格感あるいはスポーティなキャラを魅力と考えるユーザーにとってCクラスは投資効果の低いクルマである。それはプログレの不遇ともよく似ている。しかし、そこにある高級感は本物だ。刺激的な性能ではなく良質な性能、身を委ねられる信頼感、そういった感覚を重視するユーザーには価格以上の価値がある。

Cクラスセダン、クラウンのおすすめグレード
Cクラス セダン【C180アバンギャルド】

Cクラスの乗り味と安心感をお手頃価格で
C200が標準的な選択だが、エアサスが含まれるAMGライン(OP)が高価。動力性能より乗り味と安心感に投資したほうがCクラスのよさをより深く感じられる。

クラウン【2.0ターボRS】

カジュアルなスポーティセダンならコレ
高級感や先進感を求めるなら2.5ハイブリッド車を勧めるが、スポーティ&カジュアルな雰囲気と走りを楽しむならターボ車がいい。大人のスポーツセダンというタイプだ。

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