新車試乗レポート
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2018.10.04
RENAULT MEGANE Renault Sport 試乗インプレッション
ルノー・メガーヌのトップパフォーマンスモデル、R.S.=ルノー・スポール。モータースポーツ直系の名を冠した、ルノー最新のスポーツモデルの走りを箱根で試した。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
RENAULT MEGANE Renault Sport [モデルチェンジ]
RENAULT メガーヌ ルノー・スポール
●発売日:’18年8月30日
●価格:440万円
●輸入元:ルノー・ジャポン
●問い合わせ先:0120-676-365
●エコカー減税:なし
主要諸元(ルノー・スポール)
●全長×全幅×全高(mm):4410×1875×1435●ホイールベース(mm):2670●車両重量(kg):1480●駆動方式:FF●パワートレーン:1798cc直列4気筒DOHC直噴ターボ(279PS/39.8kg・m)●トランスミッション:6速DCT●JC08モード燃費(km/L):13.3●燃料タンク(L):47(プレミアム)●最小回転半径(m):5.2●タイヤサイズ:245/35R19
※オプションを含まず
4輪操舵の制御が見事で、自然に走りを楽しめる
先代まではマニアックなホットハッチという印象が強かったが、新型はとても洗練されたスポーツモデルとなった。また、3ドアだった従来車に対して新型は5ドアを採用。ゴルフシリーズのゴルフGTIを筆頭にした主なライバル車たちに対して、キャビンユーティリティでのハンデも解消されている。
前後のフェンダーを専用設計にするなど、デコレーションを抑えながら特別仕立ての外観も好印象。さり気なく主張される高性能感が新型車の特質を象徴している。
日産のMR系をベースに開発された1・8Lターボは高性能型とダウンサイジング型の特徴を併せ持ち、回転を抑えた悠々巡航にも高回転を使ったスポーツドライビングにも適している。歯切れのいい変速感覚のATも、低回転と高回転双方のドライブの楽しさを2ペダルでうまく演出。パドルシフトでリズムを刻むのも心地よい。
構造も含めて専用に開発された足回りには先代同様に4輪操舵システムが採用されるが、この特性も秀逸である。ストロークの全域においてしなやかな接地性を維持するサス設計の良さもあるが、タイトターンの切り増しなど、ライン修正時の追従が見事。後輪操舵は違和感なく制御するのが難しいシステムだが、不自然な挙動や反応はない。これには良い意味で予想を裏切られた。
自動操舵の駐車支援は採用したがACCはなし。先進運転支援装備の遅れがちょっと気になるが、ホットハッチの高揚感に懐深さと洗練を加えた大人っぽいスポーツテイストが大いに魅力的である。
4代目メガーヌに加わった、R.S.としては3代目となるホットハッチ。フェンダーはGT比で前60mm/後45mmワイドになってルックスの迫力も増しているが、注目はその中身だ。4輪操舵の「4コントロール」、強化された1.8L直噴ターボ、カスタマイズ可能な走行モード、専用ブレーキ、特許保有の電子制御デフなど、性能向上アイテムが満載だ。
カーボン調の素材と赤いステッチが特徴的なコックピット。ホールド性の高いアルカンタラシートやアルミペダル、RENAULT SPORTエンブレムなど、レーシーな仕立てだ。
セッティングに3年を掛けた4輪操舵は、低速域は逆位相で小回りを、高速域は同位相で安定性向上を狙い、車種ごとの剛性の違い等を考慮して最適に制御される。ちなみにR.S.の切り換え速度はGTより20km/h高い(ノーマルモード80km/h、スポーツモード100km/h)。
新設計ヘッドの採用や吸気系&ターボの改良などを実施。ローンチコントロールも搭載。
反力や振動を生むラバーの代わりにセカンダリーダンパーを設けた4輪HCCは、フルストローク付近の接地状態を適正に保つ。
タイヤは専用のポテンザS001。Fブレーキはブレンボ製キャリパー+355mmローター。
後席は6:4分割可倒式。トノカバーやラゲッジフックを備え、使い勝手は標準車と同じ。
提供元:月刊自家用車