新車値引き情報
更新日:2021.02.09 / 掲載日:2018.02.26

【新車値引き購入事例】夫婦で交渉しソリオを20万円以上値引き?

FROM埼玉県
SUZUKI ソリオ
ハイブリッドMZ
26.2万円引き


【プロローグ】 1歳半になった孫を乗せる機会が増えてきて、やはり「後ろはスライドドアのほうが使い勝手が良さそう」と感じ始めていました。ただし、私には1BOXカーは大きすぎる……かといって、軽自動車では小さすぎる……。
 そんな折、妹から「後部スライドドアのコンパクトカーがあるよ」とのラインが入りました。私には今乗っているノートくらいの大きさがちょうどいい。その上、後部スライドドアなら希望にぴったり。そんなクルマを各メーカーさんが販売していると知って、買い替えることにしました。
 本命はルーミー。名前が可愛いし、メッキが綺麗なフロントマスクにひと目惚れです。似た者同士ということでトールも有力候補。そして「後部スライドドアのコンパクトカー」の先駆け的存在のソリオも外せません。OEMのデリカD:2も加えます。どうやら、今回の交渉はダイハツ軍団vsスズキ軍団という構図になったようです。いや、本家と分家(OEM)のガチ勝負もありますね。
 それにしても、こんなに候補があると迷いますね。どのクルマも甲乙付け難く、どれにも乗ってみたい。も~目移りして目がまわりそう(笑)。でも、選べるのは1台だけ。果たして、私のハートを射止めるのはどのクルマか!?

 年末に作戦会議を開きました。松本「どこのディーラーもお正月に初売りキャンペーンを賑々しく仕掛けてきます。お正月はなにかご予定がありますか?」
X「取り立てて予定はありませんが、主婦って、お正月はけっこう忙しいんで、商談は1月中旬から始めようと思っていました」松「初売りでは値引きを緩めてくるし、下取り額も上乗せしてくる傾向があります。だから、この初売りをきっかけに商談をスタートするといいと思いますが……」
X「えっ、そうなんですか。だったら、やります!」 かくして、私はお正月から次期愛車を求めて東へ西へと奔走することになったのです。

トヨタに決まり! と思いきや スズキが「奥様に恩返しします」 明るく楽しく、強したたかに大逆転!

【1月3日(水)】 お正月、息子や娘、孫に囲まれ、賑やかに過ごしました。私が「X氏にチャレンジすることになった!」と伝えると、予想以上に盛り上がりました。みんなの声援を受けて、いざ初売り大商談会へ! クルマ好きの夫も同行してくれました。
 最初はスズキ。はためくのぼり旗竿に吸い寄せられるように駐車場へ入ると、若いイケメンさんが「Xさん、お待ちしておりました!」と、元気良くお出迎え!
 10時前という早い時間なのにすでに2組のお客様が商談中。私も頑張らなくちゃ!
 聞けば、イケメンさんは27歳。息子と同い年です。
X「お正月からご苦労さまです。のんびりできなくて大変ですね」
 まずはねぎらいの言葉をかけます。これから火花散る熱い戦いが始まりますが、戦闘開始前は友好的な印象が大事でしょう。
 年末に商談の予約を入れておいたので、ソリオの試乗車が用意されていました。ワンプッシュで開閉できるスライドドアは思っていた通り使い勝手が良く気に入りました。後部座席の足元は余裕があり、身長152cmの私には頭上のクリアランスも十分過ぎるほどあります。さらにインパネセンターに位置するメーター類には先進さを感じました。ハンドル越しに見るメーターよりむしろ見やすい。通常はメーター類があるところは物入れになっていて、これは便利! 出足も快調。加速もいい。乗り心地も柔らか過ぎず、硬過ぎず不満はありません。思っていた以上に気に入りました。
 営業所に戻って、コーヒーを啜りながら、いよいよ商談へ。
X「初売りはたくさん値引いてくれると聞いて来たので期待していますよ!」
セ「それはもうド~ンとやらせていただきます!」
X「ナビはないと困るのでこれを付けてください。フロアマットも必要ね。あっ、そうだ、ETCは下取り車のノートに付いているのを付け替えて欲しいのですが、そのくらいはサービスでやってもらえますよね」
セ「えっ、たぶん……何とか……」
 セオリー通り、こちらでやることにして車庫証明と納車費用をカットしてもらいました。
 提示してきた見積書にはボディコーティング(3万780円)とメンテナンスパック(3万8800円)、それに延長保証(1万1934円)の3点がちゃっかり計上されていました。
夫「頼んでもいないものが3点も見積書に入っていますね」
セ「あっ、これは会社の決まりで、今からご説明しようと思っていたのですが……」
夫(厳しい口調で)「先に説明するのが筋でしょう。ともかく、この3点を除いた見積書を作成してください。説明を聞くのはその後です」
X「そんなきつい言い方したら可愛そうじゃない。うちの息子と同い年なのだから、もう少し優しく言ってあげてよ」
セ「いえ、ご主人様のおっしゃる通りです。今まで言われたことがなく気が付きませんでした。これからは注意します」
 このセールスさん、とても素直で好感が持てます。
 提示してきたソリオの値引きは車両本体と付属品( 20万9196円)から20万4036円。ノートの下取り額は35万円。
X「えっ、あのノートはそんなに安いんですか?」
セ「そうですね。査定ではこの金額となっております。ほかで査定をされましたでしょうか?」
X「いえ、スズキさんが初めてですが、これからトヨタさんでも見ていただこうと思っています。値引きは20万円ですか……初売りだから期待していたのですが、それほどでもないですね」
セ「いえ、通常はこんなに値引きしてないですよ。初売り初日の最初のお客様ですので、特別にやらせていただいております」
X「ノートの車検が11月まで残っているので今すぐに買い替えなくてもいいと思っていたのです。でも、初売りは安くしてくれるからと聞いて、それならと期待して来たので、もう少しお買い得感が欲しいですね~」
セ「そういうことでしたら、もう少し頑張らせていただきます。ご参考までにいかほどでしたら、ご希望に沿いますでしょうか?」
X「安ければ安いほどいいですね。こちらがドン引きするくらい気前良くお願いしますよ!」
 次はホンダへ。こちらも予約を入れておいたので、段取り良く進みます。フリードシリーズのフリード+の室内は思ったより広々。シートの作りはゆったりしていて座り心地もいい。
 商談開始。今回もイケメンさんです。こちらが例のごとく車庫証明/納車費用のカットを申し出ると、言い終わるか終わらないかのタイミングで、
セ「私、基本もらわないので!」
 なんとドクターXで米倉涼子演ずる大門未知子の「私、失敗しないので」を彷彿させるセリフが飛び出しました! しかも手のひらを私に向け待ったをする仕草付き! これには夫も私も大うけ! 理屈抜きでこの人から買いたい!と思った瞬間でした(笑)。
 値引きは車両本体と付属品(16万5132円)から21万6942円。下取りは28万円でした。
 続いてダイハツへ。トールに試乗すると、夫「ターボだけに力強いね。でも、加速中2000回転くらいでエンジン音がちょっとうるさく感じるね」
 戻ってセールスさんにこのことを訊ねたら「エンジンが温まっていないせいでしょう」。
 それって本当???(笑)
 値引きは車両本体と付属品( 20万1895円)から22万8475円。下取り額は25万円(どんどん下がっていくじゃないですか)。
 帰宅後、お酒を飲みながら作戦会議。夫から「どこも下取りが渋いね。明日、買い取り専門店で見てもらおう」との提案が出た。

イケメン君は息子と同い年♪ 夫よ、叱っちゃかわいそう!

【1月4日(木)】 商談前に夫と買取り店をまわってみました。すると、そのなかの1店が「今月半ばくらいまでに引き渡してくれれば45万円で買い取ります。納車になるまで代車を出しますよ」とのこと。これで下取りにこだわらなくてもよくなりました。
 三菱へ。狙いはソリオのOEM、デリカD:2を試乗した後、商談開始。店長さんが自ら出陣!
 値引きは車両本体と付属品(17万7767円)から24万8067円。さすが、店長さん。いきなり初売りらしい条件を出してきました。ちなみに、下取り額は38万円でした。

【1月5日(金)】 トヨタA店へ。いよいよ本命のルーミー。夫は用事があったため単騎突撃! 応対してくれたのは30代半ばと思われるバリバリのセールスさん。
セ「下取りは34万円です」
X「下取りは出さないことになる可能性が高いので、その分、値引きを頑張ってください」
セ「えっ!? 下取りなしですか?下取りで調整しようと思っていたのですが……」
X「買取り店が45万円の値を付けてくれていますけど」
セ「……」
 45万円と聞いて、黙ってしまいました(笑)
 ルーミーの値引きは車両本体と付属品(23万3172円)から19万7392円。セールスさんとの相性は今ひとつだし、値引きも期待に遠い。本命のルーミーに暗雲が立ちこめてきました。
 用事をすませた夫と合流。気を取り直してトヨタB店へ。さっきのA店とは経営の違うお店で、ここでもルーミーを扱っています。
 40代半ばと思われる人当たりのいいセールスさん。優しそうな微笑みに丸め込まれそうです。
X「3日からまわっています。でも、一番期待しているのはこちらのお店です。だから最後に来ました。初売りらしい条件をド~ンと、お願いしますね!」
セ「ご期待に沿えるよう頑張らせていただきます!」
X「納車費用と車庫証明費用はカットしてもらえますか?」
セ「この際、余計な費用は全部カットしましょう!」
X「わ~、凄いですね~」
セ(ニコッと微笑んで)「初売りですからね」
 セールスさんの好感度が急上昇! 先ほどしぼんだルーミーへの期待感も再び急上昇!
 提示してきた条件は車両本体と付属品(19万2240円)から値引き27万9700円。おおっ、素晴らしい! ただし、下取り額を聞いてびっくり仰天! たったの20万円だそうです。
X「え~、下取りはこんなに安いんですか~」
セ「私もこれはひどいと思いましたので再検討します。おそらく30万円まではいけると思います」
X「実は、買取り店で45万円の提示が出ているんで下取りの上乗せに力を注がなくてけっこうです。その分、思い切った値引きをお願いします!」
セ「45ら売却したほうがいいですよ。では、上司と相談して値引きをもう少し頑張らせていただきます」
 ニコッと微笑んで奥へ。しばらくして戻ってきて、提示してきた値引きは29万9700円!
X「あと300円で大台の30万円ですね! この際だから(30万円)やっちゃいませんか?」
セ「いえ、もう無理です。儲けはほとんどありませんから」
 私の耳には(本命のルーミーからこんな条件が出たら……もう契約するしかないでしょう♪ セールスさんは優しいし、悩む理由はないでしょう♪)との囁きが聞こえてきました。でも、先日、試乗したときから、ソリオがとても気になり出しています。そこで、揺らぐ気持ちを抑えながら、
X「ビックリするほどの条件を出してくれてありがとうございます! でも今すぐは決められないんで少しだけ待ってください」
 帰宅し、夫と作戦会議。これまでの経過を整理してみました。
 まずノートは買い取り専門店に売却することに決定。
 さらに、候補車の特徴と値引き条件、そしてセールスさんの相性を総合的に検討した結果、本命のルーミー(トヨタB店)と対抗のソリオが残りました。ここで、夫がルーミーとソリオの違いをわかりやすく説明してくれました。
◎ソリオの車重はルーミーより150kg軽い950kgで、そのために重量税はルーミーの1万6800円に対して7500円と割安。◎車重の軽さは燃費に影響する。◎シートは若干ルーミーのほうが小さく、座り心地に難点あり(ただし、これは夫が感じたことで、小柄な私にはちょうど良かった)。◎ソリオは8インチナビがディーラーオプションで、しかも割安価格で用意されている。ルーミーは7インチか9インチで希望の8インチがない。9インチにすると7万円のアップになってしまう。社外品を付ける選択肢もあるが、故障した場合の修理が面倒なのでディーラーオプションがベター。◎ソリオはシートヒーターが標準装備。ルーミーは2万2680円のオプション扱い。◎インパネはソリオのセンターに位置するメーターが見やすく、インパネの収納も便利。
 じっくりと比較すると、私の心は徐々にソリオに傾く。夫もしきりにソリオを勧める。そうは言ってもルーミーは値引き条件が凄い! 今のソリオの条件( 20万4036円引き)ではとても購入する気になれません。

ニコッと微笑んで30 万円引き! 殺し文句は「あなたから買いたい」

【1月6日(土)】 私ひとりでスズキへ。揺らぐ気持ちをセールスさんにぶつけてみます。
X「トヨタさんがとてもいい条件を出してくださっているんですよ。でも、私はセールスさんからソリオを買いたいとも思っています。ただし、前回の条件のままでは負けてしまいます。もう少し何とかなりませんでしょうか?」
セ「ありがとうございます。奥様には私がご主人様に叱られている時、助けてもらいました。あの時は本当に嬉しかったです。店長に相談してきますので、少しお待ちください」
 戻ってきて車両本体と付属品( 20万9196円)から23万4036円引きを提示。
X「頑張ってくれましたね。ありがとうございます! でもね~、もう一息なのですよね……だけど、もう店長さんには言いづらいでしょう? 私が直接言うので店長さんを呼んでくださる?」
セ「わかりました」
 現れたのは40代前半くらいのイケメン店長さん。
店長「こいつから購入したいとおっしゃっていただいているそうで、ありがとうございます。でもですね~、うちとしてはもうギリギリなのですよ」
X「トヨタは30万円引きなんです。夫はここまで出たら買わなきゃ損!くらいに言っているんです。私のクルマなんですが、でもやはり夫の賛同がないと……そうそうドアバイザーが欲しいなと思っています」
店長「ドアバイザーは2万円近くもするんですけど…… う~……わかりました。もうここまで来たらグダグダ言ってもしょうがないのでいいですよ。あと1万円、値引きを上乗せするのと、ドアバイザーをサービスでお付けするのと、どちらがいいですか?」
X「帰って夫と相談してみます」
 帰宅し、夫と作戦会議。
夫「ルーミーに近づいてきてはいるけど、もう少し欲しいよね~
X「そう言えば、松本さんが『現金値引きが限界にきたら、奥の手としてメンテナンスパックを要求するといい』って言っていたわね。無料サービスにするのは無理かもしれないけれど、ある程度の割引には応じてくれるかも。明日はそれをやってみようかな。

【1月7日(日)】 ギリギリの金額を出してくださったトヨタB店のセールスさんをこれ以上待たせられない。今日はどちらかに決めると決心しました。
 スズキに出向いて、再び店長さんを呼んでもらいました。X「昨日のお話ですが、ドアバイザーを付けていただくということで、お願いします」
店長「かしこまりました」
X「それとですね、メンテナンスパックなのですが、2万円負担するので追加してください」
店「あれは3万8800円なので、2万円近く値引きを上乗せすることになってしまいます。本当にもう無理なんです」
X「わかりました。では、3万円出します。それでお願いします」
店「……もう、しょうがないですね。やらせていただきます!」
 最後にガソリン満タンにも了承をいただき、めでたく契約。注文書には車両本体値引き21万2222円、付属品26万7382円(メンテナンスパックを含む)から5万円引き。ETCの移設はサービスでやってくれました。

ベテラン顔負けの交渉劇、夫婦協力の賜物です

値引き採点 4

 初めての値引き交渉とのことでしたが、クルマ好きのご主人のサポートもあってベテラン顔負けのテクニックを随所に見せてくれました。 なによりも評価したいのはX氏のモットー、明るく楽しく、したたかにをしっかり実践していることです。「プロを相手に値引き交渉をする」といっても、厳しく数字を追求するだけではうまくいきません。今回のミセスXのように「セールスマンを味方に引き込むようなやり方をする」のが遠回りのようで、実は一番効果的です。とくに、ご主人の存在を上手に使って攻めている点に注目してください。また、要所で見せた殺し文句(たとえば「あなたから買いたい!」)も大いに有効でした。





提供元:月刊自家用車


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ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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