【トヨタ】「SRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグ」の効果について

「SRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグ」の冠として付けられているSRSとは、「Supplemental Restraint System」の略で、直訳すると「乗員保護補助装置」となります。
これは、あくまでリヤウインドウカーテンシールドエアバッグが、主たる乗員保護装置であるシートベルトの補助装置であることを示すものです。

2008年にトヨタが世界に先駆けて開発をした装置であり、同年11月から全国のネッツ店で販売開始された超小型車種、「iQ」に初めて採用されました。

SRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグは、リヤバックドア取り付け部分内に搭載されており、後面からの衝突時に作動します。

後部からの強い衝撃を受けると、内蔵されたバッグにガスがインフレーターから注入され、まるで居間の窓に付けられている「カーテン」が広がるように、頭部の上部と側面に渡りヘッドレストを包み込む形で、バックが展開します。

前方からの衝突では、人間の体は急な停車によって前へと投げ出されますが、シートベルトをしっかりと着用することで、かなりダメージを軽減することができます。

ただ、後ろからの衝突については後方へ投げ出される体と、後部からの強い衝撃に対して、ヘッドレストぐらいしか保護できるものが無く、ときに生命の危機を左右しかねない、頭部へのダメージを軽減する装備はありませんでした。

しかし、このSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグの採用により、追突してきた車両そのもの、破損した後部ボディ、割れたリヤガラスなどによる頭部への衝撃とダメージを、緩和することが可能となったのです。

開発をしたトヨタは、効果について非常に強い自信を開発当初から覗かせ、「頭部へのダメージを最大2分の1にまで減らすことが可能である」という、安全効果への見込みを発表しました。

現時点で、このSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグを採用している車種は、超小型で後部にスペースが無く、後部座席の乗員に事故での直接的なダメージが加わりやすい、前述したiQのみです。

ただし、発展形であるSRSカーテンシールドエアバッグ（前後座席の双方をカバー）は、プリウス、アクア、シエンタなどといった主力車種はじめ、多くの現行トヨタ車に採用されています。

このようにトヨタは、自動車業界共通の課題であり、最大の願いでもある「交通事故死傷者ゼロ」の実現のため、このSRSリヤウインドウカーテンシールドエアバッグをはじめとした、さらなる安全装備の開発を強化しています。

2002年には、シートベルトの働きと合わせ、膝などの下半身に加わる衝撃を緩和・ダメ―ジを軽減させる、「SRSニ―エアバッグ」を開発し、併せて新型車種に採用をするなど、日々その願いを実現するための努力を続けています。