車のエンタメ
更新日:2018.11.05 / 掲載日:2018.02.06
アウディの自動運転ドライブを女性型ロボットと体験
この数年で、AI(人工知能)は急速に発達しています。すでにチェスや将棋、囲碁では人間に勝利を収めて「世界最強」となり、会話ができるロボットやスピーカーなども登場しました。そしてクルマの世界では、自動運転に不可欠な技術として大きな注目を集めています。
昨年、先進的なコラボレーションとして話題になったのが、アウディの自動運転実験車「ジャック」と人工知能ロボット「ソフィア」との近未来感たっぷりのドライブ動画です。
ジャックは、アウディ「A7 スポーツバック」をベースに2013年に開発されたレベル3の自動運転実験車です。現在日本で普及しているレベル2の自動運転は、運転の主体はあくまでもドライバーで、システムはアシストを行うものですが、自動運転レベル3の自動運転は、一定条件の下でシステムが主体となってクルマをコントロールします。アクセルやブレーキの操作はシステム任せですし、車線変更時なども含めてドライバーは完全にステアリングから手を離すこともできるのです。
ジャックの助手席に乗り込むソフィアは、香港のロボットメーカー「ハンソン・ロボティクス」が開発した女性型のヒューマノイドロボットです。会話をしたり、感情を顔の表情で表現したり、コミュニケーション力に長けていて、相手の顔の表情を読むこともできるのだとか……。一方で、後頭部が半透明でシステムが見えるあたりに、強烈な「アンドロイドらしさ」も漂っています。
ちなみにソフィアは、サウジアラビアから認められ、世界で初めて市民権を持つロボットとしても有名です。さまざまなメディアのインタビューを受け、イベントに参加するソフィアは、会話や経験などをメモリに保存し、自身の発言や行動に生かすという優れた学習能力を持っています。喜びや怒り、悲しみなどの感情を顔の表情で表すという「人間的」な面で大きな注目を集めるソフィアですが、開発者のデイビット・ハンソン氏は「愛、共感、怒り、嫉妬といった人間が持つ資質や生きているという感覚をロボットで実現したい」と抱負を語ります。
ハンソン氏はまた、「将来的には人間のすべての経験をロボットの内部に構築し、ロボットが本当に我々を理解し、ケアできるようにしたい」と、さらなるAIの進化に大きな希望を抱いています。
アンドロイドとおしゃべりしながら自動運転のクルマでドライブする動画を見られる日がくるなんて、思ってもいませんでした! 今の段階ではまだ、ナビゲーションに目的地をセットすれば目的地まで自動運転で行ける……というわけにはいきませんが、AIの進化、自動運転技術やアンドロイドの進化が楽しみになりますね。