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更新日:2020.04.21 / 掲載日:2017.12.20
ベントレー コンチネンタル GTがフルモデルチェンジでラグジュアリーGTの新基準を示す
文●ユニット・コンパス 写真●川崎泰輝
ベントレーのラグジュアリーグランドツアラー「コンチネンタル GT」がフルモデルチェンジされた。ベントレーブランドの中核モデルとなる「コンチネンタル GT」は、ラグジュアリーグランドツアラーというジャンルを確立したモデルともいえ、今回の新型で3世代目となる。9月のフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされ、W型12気筒6L直噴ツインターボエンジンと進化したテクノロジーで大きな話題を集めていたが、いよいよ日本でお披露目された。ここでは、伝統を引き継ぎながら進化するラグジュアリーGTの注目点をご紹介する。
ベントレーモーターズジャパン 代表 ティム・マッキンレイ氏は「未来に向けた新しいラグジュアリーグランドツーリングカーの基準」と強い自信を見せる。
デザインもボディ構造も大きく変わった新型の魅力を説明するベントレーモーターズジャパン マーケティング・PR・アカデミー マネージャー 横倉典氏。
ワイド & ローになって増すスポーティエレガンス
短いフロントオーバーハングと長く伸びたボンネットによって、先代よりも「古典的」なグランドツアラーらしいフォルムに仕上げられている。ヘッドランプから続く大胆で流れるような伝統のパワーラインは、スピード感と力強さを強調し、またフロントグリルの位置を下げ、ボンネットを長くみせることで数値以上に「ワイド & ロー」な印象を与えている。これは、ベントレーのデザインにとってはじめてとなる大胆な挑戦で、鋭いエッジが加えられて印象的なスタイリングを創り上げている。
フロントアクスルを前方に135mm移動したことで、ホイールベースが長くなった新型。それにより居住性や乗り心地も向上し、またエンジンをより後ろにマウントすることで、前後重量バランスを「55 対 45」として、よりスポーティなパフォーマンスを獲得しているという。
LEDマトリクステクノロジーが採用されたヘッドランプとテールランプ。点灯すると、クリスタルカットグラスが反射して宝石のような煌めきを放つ。
「地面に這いつくよう」と形容されるフロント。
伝統と格式が交差する英国調インテリア
新型コンチネンタルGTの目玉はやはりその贅沢なインテリアだ。これまでのベントレーにはない新しいテクノロジーも積極的に採用されているが、長年にわたり培われてきたクラフツマンシップも健在で、比類なき上質な空間を作り上げている。キャビン全体を取り囲むようにウッドパネルを途切れなくあしらわれ、センターパネルは美しい同一木目のウッドパネルにすることも、ピアノブラックのツートーンによるデュアルヴェニアを選ぶこともできる。ベントレーらしい格式高い贅沢な趣は失われていない。
一方、「ウィングド B」のエンブレムを中心に構築されたインパネまわりでは、大胆な進化も見せている。メーターパネルにはベントレー初となるフルデジタルメーターパネルが使用されたのも注目に値する。ただしデジタルながらもアナログ的な落ち着いた雰囲気となっているのだ。オプション設定で「ナイトビジョン」を表示することも可能になった。また目立っていたのは、センターパネル装備された12.3インチの高解像度タッチスクリーン「ローテーションディスプレイ」だ。ユーザーが自由に、ナビゲーション表示のディスプレイ、スポーティなアナログメーターをボタン操作で変更でき、アクセサリー電源をオフにすると周囲に溶け込むウッドパネルとなるのだ。パネルが回転するのを見るにつけ、洗練されたハイテクぶりが強く印象に刻まれた。
インテリアは15色から選べ、4パターンあるデュオトーンのカラースプリットと組み合わせることが可能になった。
ライバルを凌駕する圧倒的な走りと効率性
12気筒の6Lエンジンというパワーユニットは、今日、単に希少価値があるだけでなく、ほかでは味わうことのできない体感できる「ゆとり」を生み出す。635馬力、91.8kgmという異次元の力強さを発揮するが、メイントピックは「エコ」への対応。低回転時や低負荷時には気筒休止やアイドルストップを行うようになり、またベントレーとしてはじめてとなる8速デュアルクラッチトランスミッションが組み合わされ、V8エンジン並みの燃費となっている。さらに、ボディパネルに「スーパーフォーミング」という技法を使い、アルミパネルを積極的に用いることで軽量化され、パフォーマンスの向上にも貢献している。0→100km/h加速は3.7秒と、先代の4.1秒から大幅に向上、最高速度は333km/hと、こちらも先代(332km/h)をわずかながら上回っている。
8速デュアルクラッチトランスミッションは素早い変速を実現し、さらにアクティブオールホイールドライブシステムと組み合わさり、ハイパワーを効率よく路面に伝える。トランスミッションは6速ギアで最高速度に達するように設定され、7速、8速はクルージング走行に使用される。
先進のセーフティにもしっかりと対応し、超音波センサーとカメラによって、アダプティブクルーズコントロールやレーンアシスト、トラフィックアシスト、さらにはナイトビジョンといった運転支援システムを備える。
こだわりのラグジュアリーにも対応する
ベントレーということで、パーソナライズが可能なオプションも多数用意されている。ホイールはダイナミックな外観の22インチホイールをはじめ多彩なデザインが用意され、フィニッシュもいくつかの種類から選ぶことができる。さらにフロントのロワーグリルも好みに合わせて、ラグジュアリー感のあるクローム仕上げか控えめなブラック仕上げを選べる。
20通りに調整が可能なオプションのコンフォートシートにはベンチレーションと各種マッサージモードも備わる。また新型コンチネンタルGTには3種類のオーディオシステムが用意されている。標準装備のベントレーによるチューニングのオーディオとオプションとして、高度なサウンドコントロールが搭載された「Bang & Olufsen for Bentley(1615W)」、さらに音にこだわるユーザーにはアクティブバス搭載の「Naim for Bentley(1715W)」が用意されている。
さらなるラグジュアリー性を高めて登場したグランドツアラー「新型コンチネンタル GT」。日本でのデリバリーは2018年第3四半期と予定されている。価格は2530万円だ。
ベントレー コンチネンタル GT(8速AT)
全長×全幅×全高 4850×1954×1405mm
ホイールベース 2851mm
トレッド前/後 1672/1664mm
車両重量 2244kg
エンジン W型12気筒DOHCターボ
総排気量 5950cc
最高出力 635ps/6000rpm
最大トルク 91.8kgm/1350-4500rpm
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前・後 265/40ZR21・305/35ZR21
販売価格 2530万円
クリスタルガラスのカットにインスピレーションを受けたというフルLEDヘッドライト。
テールランプもフルLEDだ。
1955年式のベントレー Rタイプ コンチネンタルも展示。