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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

ロードスター降臨!!

ND型のモデルバリエーション

【本記事は2015年4月にベストカーに掲載された記事となります。】ついにND型ロードスターに乗れる!! ベストカーをはじめとするいろいろな媒体がすでにクローズドコースでのファーストインプレッションを終えているが、オレは今回が初試乗。ちょっと出遅れている感じがするが、今回のクルマはナンバー付き。ということは、6月からデリバリーされる市販状態。このクルマにプロトタイプを走らせたイメージなしのフレッシュな気持ちで乗れるということはプラスだと考えることにしよう。今回明らかになったND型のモデルバリエーションは、簡単にいうと「S」のみ。素のSがベースグレードとなっていて、オートエアコン、レインセンサーワイパー、自動防眩ルームミラー、6スピーカーなどの装備が加えられた「Sスペシャルパッケージ」、そしてインパネデコレーションパネルやセンターコンソールボックスが樹脂から合成皮革に変更され、9スピーカーのBOSEサウンドシステムやシートヒーターなど高級装備が満載された「Sレザーパッケージ」という3種類。NB型、NC型ではスポーツモデルとして設定されていたRSは今のところ? ラインアップされていない。素のSは6MTのみ。スペシャルパッケージとレザーパッケージには6MTと6EC-ATが選択可能。価格は一番安い素のSで249万4800円。一番高いレザーパッケージのATは314万2800円。装備の違いはあるものの、トヨタ86とほぼ同じ価格設定。もちろんこれは偶然の一致ではないだろう。

1.5Lエンジンは必要にして充分なのか!?

最軽量990kgのSにはLSDが非装着。リアスタビやフロント補強バーが装着されないなどにより切り始めの動きにやや不安定な部分を感じた

最軽量990kgのSにはLSDが非装着。リアスタビやフロント補強バーが装着されないなどにより切り始めの動きにやや不安定な部分を感じた

■1.5Lエンジンは必要にして充分なのか!?さて、ライバルのハードルが上がったところで、まずはエンジンの話。新しく登場したND型は今までのNC型ロードスターに対し約100kg軽量だが、エンジンは1.5LのNAにサイズダウンされ131ps/15.3kgm。2LだったNC型の最高出力170psに対しマイナス39ps。軽くなったといってもパワーウェイトレシオはNC型の6.41kg/psに対し7.56kg/ps。トルクウェイトレシオを比較しても同様で、NC型の56.48kg/kgmに対し、ND型は64.71kg/kgm。速さのバロメーターとなる2つの数字を見てしまうとちょっと心配になるが、実際に走らせてみると、ちっとも遅くないというか、意外なほどに速かった。市街地での試乗なのでエンジンを使い切っての話ではなく、あくまで実用域でのフィーリングだが、3000回転以下の低回転域は排気量の小ささを感じるものの、3000回転以上ではスイスイ加速!! 軽さを活かしてスピードが乗っていく、軽やかで気持ちいい加速感。程よくスポーティな排気音も心地よく、いい意味でNAっぽい。

高回転の気持ちよさはNo.1!!

さっそく首都高に乗り、合流で全開加速を試してみたが、レッドゾーンが始まる7500回転まで気持ちよく伸びていく。歴代のロードスターのなかでも高回転の気持ちよさはNo.1!! 気になったポイントはひとつ。回転落ちがイマイチ遅いのだが、そのへんはチューニングで解消できそうなレベルだ。1.5Lでこれだけ走るということは、アメリカ仕様の2Lエンジン搭載車って凄いんじゃないの? と、素直な気持ちで質問をしてみたところ、アメリカ仕様に搭載される2Lエンジンはアクセラのエンジンそのもの。1.5Lのようなロードスター専用チューニングは施されていないので、走り味は圧倒的に日本仕様の1.5Lが勝る!! という回答。フィーリングがどうあろうとプラス5kgmのトルクは大きいが、言わんとしていることは理解できる。

軽量化の効果を実感できるハンドリング

シンプルながら質感高くまとめ上げられたインテリア。写真は最廉価、最軽量のSモデルのもので、カーナビモニター画面がなく、かわりにオーディオ操作パネルが装着される。インパネ表皮の質感は高く、安っぽさは感じない

シンプルながら質感高くまとめ上げられたインテリア。写真は最廉価、最軽量のSモデルのもので、カーナビモニター画面がなく、かわりにオーディオ操作パネルが装着される。インパネ表皮の質感は高く、安っぽさは感じない

■軽量化の効果を実感できるハンドリング第2のチェックポイントはハンドリング。これも市街地走行なので、せいぜい0.2~0.3Gといった実用領域での話。最初に乗ったスペシャルパッケージのATでは、若干ではあるが足の硬さを感じたものの、それはおろしたての新車が持つ硬さだったようで、素のSはもっとしなやか。ただ、足がよく動くぶん、初期ロールの早さが気になった。しかし、最後にLSD付きでフロントの補強バーとリアスタビが装備されたスペシャルパッケージのMTにも試乗させてもらったが、これはバッチリ!! いかにもロードスターらしいバランスのよさを感じた。素のSは車重1トンを切るためにリアスタビと補強バーを取っちゃったんじゃないの? と勘ぐってしまったほど。スペシャルパッケージ車はステアリングの応答性もリアの安定感も素のSよりも明らかによく、まとまりのよさを感じた。

空力がよさそう

あと、このクルマは空力がよさそうだね。エンジン特性のチェックがてら首都高に乗り湾岸線を走ったが、直進、レーンチェンジ、高速コーナーの安定性は抜群!! ちなみに高速巡航は、6速100km/hで2500回転。3000回転以下は排気量の小ささを感じるといったものの、巡航には支障がないレベル。ただ、常に強風が吹き荒れる湾岸線だったことも影響していると思うが、80km/hを超えたあたりからホロを叩く風の音が気になった。その辺が気になるなら追って発売されるに違いないメタルトップを選べばいいだろう。実際、オレ自身もルーフ開閉はボタンひとつで済ませたいなぁと思っていた。いちいちクルマを降りるのはしんどいからね。ところが、NDのルーフ開閉はクルマを降りる必要なし!! 開けるのも閉めるのも3秒で完了。これはポイントが高い!!やり遂げた感溢れる開発陣の説明を聴き、その成果に乗り、あっという間に終わってしまった横浜の一日を過ごし、ボディカラーの選択に悩んでいるオレ。まんまとND欲しい軍団の一員となってしまった。ATも悪くないけど、やっぱりMTだな!!

ND型ロードスターは歴代ロードスターで第何位の楽しさなのか!?

ND型ロードスターは歴代ロードスターで第何位の楽しさなのか!?最新のND型ロードスターは初代NA型の「美化された素敵な思い出」を現代流に高い完成度で仕上げている点がすばらしいワケ。歴代ロードスターはどのモデルもけっして“ジャジャ馬”ではないのだが、でも、クルマってちょっと“ジャジャ馬”だったほうが面白い。最新ロードスターは計算されたジャジャ馬感があると思うんだ。人馬一体とマツダは言うけれど、ちょっとくらい言うこと聞かない馬のほうがよかったりする。結局のところ、ロードスターというクルマは’89年に登場した初代NA型の初期型に尽きるんだよね。もの凄いインパクトだったからね。2代目NB型は衝突安全性を高めるためにボディが重くなってしまい、それを補うためにエンジンを1.8Lに拡大したでしょ!? NA型でみんなが「これは楽しい!!」と感じたヒラリヒラリとした軽快感がなくなっちゃった。そして3代目のNC型はスタイルこそ初代を思い起こさせるイメージを取り込んできたけれど、ボディサイズや2Lエンジンのパワー感がライトウェイトスポーツという感じではなくなってしまった。いいクルマで乗れば楽しいし、とても速いんだけど、『ロードスター』のイメージではない。いま改めて初代NA型に乗ると、たぶんショボイんだよね。エンジンだってそんなに気持ちよく吹け上がるわけではないし、たいして速いわけでもない。ヒラリヒラリと軽快なフットワークなんだけど、スタビリティは高くなくて案外簡単に姿勢を崩してしまう。でも、そんな部分も含めて楽しいクルマだったんだよ。で、最新のND型はそんなNA型の「よかった部分」をしっかりと演出しながら、すべてを上質にまとめ上げている。エンジンの伸びが気持ちよくて、実際のパワー以上に速く感じさせてくれたり、ヒラリヒラリとしたフットワークなんだけど、最後のスタビリティはキッチリ確保されていたり、NA型でみんなが感じた「ライトウェイトスポーツカーって楽しい!!」という部分を磨き上げている。だから、順位を付けろと言われたら迷うことなく歴代1位!! 2位は初代NA型で2代目3代目は同率3位ですね。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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