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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29

BMW EVで本領発揮i3衝撃のパフォーマンスを見た!

なんといっても新しいのはピュアEV

【本記事は2013年12月にベストカーに掲載された記事となります。】本誌の発売から4日後の11月13日には日本で正式に発表となるBMWi3。同時にスポーツモデルのi8も発表されることになるが、BMWは将来に向けて、新しい「i」でブランドを立ち上げ、持続可能な次世代モビリティを提案する。その量産市販車第1号がこのi3で、ヨーロッパでも11月から受注がスタートし、日本でも13日のアナウンスの後、来年春から正式に市販が開始される予定だ。このi3、なんといっても新しいのはリーフやi-MiEVと同じピュアEV。日本に比べ1日の走行距離が多いヨーロッパメーカーが本気でEVを開発することにも驚かされたが、EVのどんなところにBMWらしさを表現していくのか楽しみなところではある。

強烈な加速はスポーツカー並み

来たるべき低炭素社会に向けて、BMWもこれまでのクルマ作りから新しいステップを踏み出さざるを得ないわけだが、それを「i」というブランドを通して、生産から商品、そしてそのマテリアルのリサイクル性まで、一貫した取り組みも新しいチャレンジに満ちている。すでに7月のニューヨーク、ロンドン、北京と同時発表された時点でレポートしているが、アルミフレームの上に軽量なカーボン(CFRP)のインナーボディ、プラスチック製のボディパネルにより、重いリチウム電池(約230kg)を積みながら1195kgの重量に抑えられるからその走りは当然期待できるわけだ。今回の国際試乗会で最も知りたかったのはズバリそこ。なにしろモーターのパワーはリーフの109psよりも強力で170psを誇る。公表されている数値を見てもわかるように、0~100km/h加速が7.2秒、最高速150km/hというのも凄い。そんなことを思いながらアムステルダム空港に降りたった。強烈な加速はスポーツカー並みベストカーの熱心な読者ならご存じのように、社用車にはi-MiEVがある。’10年のデビュー時に購入し、すでに4万km近く走っているが、その動力性能は相当いい。重いバッテリーを床下に収納している関係でハンドリングも高いレベルにある。リーフも仕事で何度も乗る機会があり、動力性能、ハンドリングともにi-MiEV同様、ガソリン車の同サイズのモデルに比べると上回る部分がある。そうした性能をBMWi3よりも出力の小さい、そして車重のあるEVで感じられるのだから、このi3の実力がどれほどのものなのか知りたいのは当然だ。スタートとなる空港には20台ほどのi3が用意されていて、2日間で200kmほどのコースを回る設定。1日100km以内のコースなので、EVで最も心配な航続距離は問題ない。i3もリーフやi-MiEVと同じ程度の満充電で160kmを走れるものだ。

とにかく速く楽しい走り

テスト車は4種類ある内装の違いのうち、下から2番目の“ロフト”と呼ばれる仕様で、シート素材はシート面左右が合成皮革で、シート面やドアパネにはポリウレタンのセンサテック材を加工したファブリックで、リサイクル性の高い素材を採用している。シート自体のフレームも室内をより広く使うために薄型の専用設計になる。ちょっと高めのシート面に座るポジションは、まったく違和感はなく、ホールド感もある。ステアリングポスト右側にあるスタートボタンを押し、ウイング状のシフトダイヤルをDにすればいとも簡単にスルスルと動き出す。ドライブモードはコンフォート、エコプロ、エコプロプラスの3種が選べ、エコプロではモーター出力やエアコンなどの電力を絞ることで20km程度マイレージを伸ばすことができ、エコプロプラスではさらに20km稼げるという。そのため、エコプロプラスでは最高速度90km/hまでに抑えられるという。もちろん危険回避のため、アクセルペダルの開閉状況に応じ、速度は上げることができるということだ。コースには市街地だけでなく、高速道路も含まれていたが、このi3をドライブしてまず驚かされたのはパフォーマンスだった。たまたま4人乗車の時テストしてみたところ、約8秒で100km/hに達した。1名なら公開されている7.2秒も問題なく出せそうだ。この痛快な加速はまさにEVのそれで、音もなくスルスルとしかも強力な加速感は内燃機関とは違った気持ちよさがある。テーマパークにある乗り物の楽しさとでもいったらいいのだろうが、とにかく速く楽しい。ちょっと病みつきになりそうな走行フィールで、日本のEVと大きく違うのは、アクセルオフ時の回生による減速の強さ。アクセルから足を離すとブレーキをかけているかのように減速する。0.16Gを感知するとブレーキランプが点灯するから、後続車の追突の心配はないが、通常の走行ではほとんど停止する直前までブレーキペダルを踏む必要がない。場合によってはまったく踏まなくても止まる。

しっとりとした落ち着きのある操舵感

ハンドリングはステアリングが日本車ほど軽くないため、キビキビと小気味いい走りを感じる、というわけではない。しかし、しっとりとした落ち着きのある操舵感はほかのBMWのシリーズと共通のテイストで、直進安定性、それにコーナリング性能も洗練されていた。これは低重心でリアタイヤを駆動することにもよるだろう。乗り心地も社用車i-MiEVではピョコピョコしがちだが、これもしっとりした感じで好ましいものだった。

価格では日本車有利だが走りでは圧倒

全長3999mm、全幅1775mm、全高1578mmのボディという比較的コンパクトなサイズの室内は、それでも充分な広さがあり、大きな不満はない。ラゲッジ容量は260L~1100Lとノーマルの状態ではやや狭いと思えるが、2分割のリアシートバックを倒せば大きなスペースも作り出せる。価格では日本車有利だが走りでは圧倒ヨーロッパでの価格は約450万円ほどだが、日本でもおそらく同程度が予想される。あと4日後には明らかになっていると思うが、日本の補助金、減税を使うと、相当お得になるハズだ。今回の試乗で何より驚いたのは、電池が持つことだ。EVでの心配事の第一は航続距離で、みるみる針が落ちていくと、不安を感じるが、i3は1日90~100kmの試乗が終わっても相当量の電気が残っていた。充電はリーフなどと同じで200Vで8時間で満充電、急速充電機では30分で80%まで充電できる。EVでは先行している日本だが、走りの性能と、プレミアム性を重視するi3は強力なライバルになりえる。日本車に価格面の有利さはあるが、このパワフルなBMWらしいi3に期待するBMWファンは相当多いに違いない。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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