待望のクリーンディーゼル追加！BMW 3シリーズ最大のヒット作となりそうな予感

【本記事は2012年12月にベストカーに掲載された記事となります。】新型3シリーズ最大のヒットになりそうなのが2L 4気筒ターボディーゼルを搭載した320d。出力こそ184psで320iと同じながら、最大トルク38.7kgmは4lエンジンに匹敵する。当然のごとく燃費も抜群によく、JC08モードで19.4km／L。こいつを日本では320iより実質的に12万円しか高くない価格でラインアップ（プライスリストだと20万円高ながら8万円のディーゼル補助金を使える）。ベースモデルの320dブルーパフォーマンスが470万円、スポーツ、モダグがいい。普通、タイムラグ大きいターボディーゼルをトルコンATと組み合わせると、ドライバビリティが極端に悪化する傾向。しかしBMWは新世代の8速ATを、ほぼロックアップ状態で使っているようだ。参考までに書いておくと、マツダも『Sン、ラグジュアリーの3つのデザインラインが490万円、最もスポーティなMスポーツが514万円である。

期待を膨らませながらドライバーズシートに座り、エンジンを始動するとイマドキのクリーンディーゼルの平均的な騒音レベル。「すばらしくいい」というわけでもない、かといってディーゼル特有のカリカリというノック音もなし。ガソリン車よりは賑やかながら、だからといってウルサさを感じず。Dレンジをセレクトしてアクセル踏むと、ほとんどレスポンスの遅れなく走り出す。快適でございます。何より8速ATとのマッチンKYACTIV』と称し、6速ATをほぼ全域でロックアップ制御しています。320dの場合、8速ATなので一段とマッチングがよい。全域ロックアップは『スポーツ＋』という変速時間短いモードを選ぶとはっきりわかる。パドル操作により、競技用のシーケンシャルミッションのような「ガツ！」という小気味よい変速ショックを出す。もちろん演出なのだけれど、ワインディングロードでパドルシフトして走ってると、グループNのラリーカーに乗っている気分を味わえます。高回転まで回らないディーゼルと、グループNのエンジン特性って似ているのだ。

ディーゼルでもスポーティに走れる！すなわちディーゼルエンジンであってもスポーティドライブを楽しめる、ということ。ガソリンの320iも4気筒ターボなので、高回転域のエンジンフィールを楽しむようなエンジンじゃない。私なら迷うことなく鬼のようなトルクを出すディーゼルを選ぶ。実利面でも魅力大。現在のハイオク相場は151円。いっぽう、ディーゼルの燃料である軽油相場を調べたら115円。ディーゼルのほうが燃費いいうえ、燃料まで安い！ 走行1万kmあたりの燃料コストは4万2000円も違う。車両価格の差など3万km走ったらペイしちゃう。何より320iよりパワフルな走りが魅力である。

アテンザディーゼルと比べてどうか？アテンザに搭載される2.2Lディーゼルは、320dの2Lディーゼルより若干低回転型のエンジン特性を持つ。出力も175psで184psの320dに届かない。ただ試乗するとアテンザのディーゼルもまったく不満なし！ むしろ低い回転域から太いトルクが立ち上がってくるなど、優位点だってあります。エンジン振動や騒音レベルでもイーブン。じゃアテンザと引き分けかと聞かれたら「同じモデルのガソリン車との比較という点じゃBMWに軍配を挙げたい」となる。車両価格差がBMWの20万円対しアテンザは40万円。本来ならNoX触媒のないマツダ方式のほうが安価なのに。せっかくの6速マニュアルも高い。価格もクルマの大切なスペック。せめて30万円くらいの価格差なら引き分けにしてもよかった。

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