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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

日本車を脅かすか?! 日本のコンパクトカー市場にドイツからの刺客up!  日本襲来!! 149万円の衝撃

VWの新世代スモールカー、up! 上陸

VW up!日本襲来!!149万円の衝撃

VW up!日本襲来!!149万円の衝撃

【本記事は2012年10月にベストカーに掲載された記事となります。】VWの新世代スモールカー、up! (アップ!)がついに日本上陸をはたした。up! は今や品質において世界最強ともいわれるVWが本気で作った世界戦略車。強豪ひしめくコンパクトカー激戦区の日本市場だけに日本車の脅威となるのか?注目の価格は2ドアのmoveup! の149万円からと、VWグループジャパンは思い切った価格設定をしてきた。

4ドア

■ラインアップは3グレード high up! 4ドア=183万円:クルーズコントロール、パークディスタンスコントロール、フォグランプ、185/55R16タイヤ(アルミホイール)、専用トリムを装備 ■up!のセールスポイント ■輸入車で一番安い149万円からという価格 ■追突回避・軽減ブレーキ、サイドエアバッグ、 ESPなど安全装備を標準装備 ■VW品質の高いクオリティ ■静粛性の高い新開発1L、3気筒エンジン ■ASGと呼ばれるMTベースの5速セミAT ■JC08モード燃費23.1km/L、エコカー減税75%対象車 ■大人4人がしっかり座れる居住スペース

■ラインアップは3グレード high up! 4ドア=183万円:クルーズコントロール、パークディスタンスコントロール、フォグランプ、185/55R16タイヤ(アルミホイール)、専用トリムを装備 ■up!のセールスポイント ■輸入車で一番安い149万円からという価格 ■追突回避・軽減ブレーキ、サイドエアバッグ、 ESPなど安全装備を標準装備 ■VW品質の高いクオリティ ■静粛性の高い新開発1L、3気筒エンジン ■ASGと呼ばれるMTベースの5速セミAT ■JC08モード燃費23.1km/L、エコカー減税75%対象車 ■大人4人がしっかり座れる居住スペース

4ドアはmoveup! の168万円、そして装備が充実したhighup! が183万円と、3グレード構成となる。2ドアの149万円という価格は現在日本で販売されている輸入車のなかで最も安い価格。この149万~183万円という価格帯はタントカスタムやNBOXのカスタム系など軽トールワゴンの上級グレードやフィットHVなどと競合する価格帯だから輸入車に乗ったことがなかった人や国産車から乗り換えるユーザーがVWディーラーに大挙押し寄せてくる、なんていうことも想像するに難くない。

エクステリア&ボディサイズ

全長3.54mのミニマムなサイズに1クラス上のVW品質ボディサイズ&エンジンは2ドア&4ドアともに共通

全長3.54mのミニマムなサイズに1クラス上のVW品質ボディサイズ&エンジンは2ドア&4ドアともに共通

■エクステリア&ボディサイズup! の全長3545×全幅1650×全高1495mmというボディサイズは、全長3400mm以下、全幅1480mmという軽自動車規格に比べ、わずかに全長が14.5cm長く、全幅が17cm幅広い。国産コンパクトのデミオ、フィットは全長3900mm、全幅1695mmだから、ふた回りほど小さいサイズとなる。up! のデザインはVWグループのデザイン責任者、ワルター・デ・シルヴァ氏(イタリア人)が手がけたもの。up! のデザインについてデ・シルヴァ氏は「親近感がわき、より共感を覚えるデザインとしました。また私のホームタウンでもあり、美しい街として知られるミラノの街になじむようにデザインした」と語っている。

2ドアと4ドアのサイズは同じ。デザインは微妙に違う ボディサイズは全長3545×全幅1650×全高1495mmで2ドアと4ドアのサイズは同一。クオーターウィンドウのデザインが異なる

2ドアと4ドアのサイズは同じ。デザインは微妙に違う ボディサイズは全長3545×全幅1650×全高1495mmで2ドアと4ドアのサイズは同一。クオーターウィンドウのデザインが異なる

一見、2ドアと4ドアのデザインは同じに見えるが、リアクォーターウィンドウのデザインが異なっている(ボディサイズは同一)。実際に見た印象は実にシンプルでクリーン。口を開けて笑っているようなフロントバンパーや全面ガラス張りバンパーや全面ガラス張りのリアハッチはiPhoneのようなデザインで親しみやすい。今や日本であまり見かけなくなった2ドアのほうが新鮮でカッコよかった。近くてじっくり見ても、実にしっかり作られているのがよくわかる。価格が安いからといって手抜きを感じさせない質感の高さに驚くほどだった。

走りはどうか?

エンジンは75psの1L 3気筒

エンジンは75psの1L 3気筒

■走りはどうか?搭載されるエンジンはup! に合わせて新たに開発されたアルミ合金製の1L 3気筒で75ps/9.7kgmを発生。JC08モード燃費は23.1km/Lとエコカー減税75%減税対象車となる。国産車の3気筒の場合、振動が大きくなるためバランサーシャフトが組み込まれるが、なんとこの1L 3気筒はバランサーシャフトなし!

トランスミッション・乗り心地

ASGのシフトパターンは右側の手前側がR、奥がNでPポジションはない。Nの位置からシフトノブを左にずらせばDレンジ、Dレンジから少し下にずらせばマニュアルモードに切り替わる

ASGのシフトパターンは右側の手前側がR、奥がNでPポジションはない。Nの位置からシフトノブを左にずらせばDレンジ、Dレンジから少し下にずらせばマニュアルモードに切り替わる

トランスミッションは全グレード、ASGと呼ばれるシングルクラッチのMTをベースにした2ペダルのセミAT。さっそく、キーを捻りエンジンをかける。「お~国産3気筒より静か」と感じた。Dレンジに入れ、アクセルを踏んでいくと、シフトアップ時にワンテンポ遅れて加速していく。つながりがスムーズなCVTやATに乗り慣れた(担)にとってはビックリ。これはシングルクラッチのMTベースだから仕方ないのかもしれない。しかし、マニュアルモードにすると一変。「これは楽しい!」。6000rpmのレッドゾーンまでフラットに回り、エンジン音も心地よかった。静粛性も合格点を与えたい。エンジン開発責任者のDr.ハッケンベルグ氏はバランサーシャフトなしでも各部位の精度を高めることでNVHを抑制したとコメンとしているが、バランサーシャフトなしでよくぞここまで騒音や振動を抑えたものだ。街中での乗り心地は突き上げ感や跳ねるといった不快な動きがなく、しなやか。1クラス上の乗り心地といっていいだろう。ステアリングフィールは軽めだが国産車ほどではなく確かな手応えと安心感がある。コーナーではしっかりストロークしてロールはあるものの、リアサスが予想以上に踏ん張ってくれる。

コクピット&居住性

high up!:high up!のインパネ。中央のダッシュパッドはボディ同色(一部)となる。パネルやスイッチ類は隙間のない作りで質感も高い。 high up!のダッシュパッドはボディカラー(全6色)がトルネードレッド、ライトブルーがボディ同色。ディープブラックパールエフェクト、リフレックスシルバーがブラックパール。キャンディホワイト、ナイトブルーメタリックがダークシルバー。ナビセットは5万8800円のオプション(カロッツェリアAVIC-MP33取り付けキット込み)。ボディと同じ色が選べるオリジナルシリコンカバーは3150円

high up!:high up!のインパネ。中央のダッシュパッドはボディ同色(一部)となる。パネルやスイッチ類は隙間のない作りで質感も高い。 high up!のダッシュパッドはボディカラー(全6色)がトルネードレッド、ライトブルーがボディ同色。ディープブラックパールエフェクト、リフレックスシルバーがブラックパール。キャンディホワイト、ナイトブルーメタリックがダークシルバー。ナビセットは5万8800円のオプション(カロッツェリアAVIC-MP33取り付けキット込み)。ボディと同じ色が選べるオリジナルシリコンカバーは3150円

■コクピット&居住性4ドアhigh up! のドアを開け運転席に座ってみる。ダッシュボードやドアトリム上部はボディ同色パネルになっており、ポップでオシャレ! ただボディーカラーがライトブルーとトルネードレッドのhighup! 以外、ダッシュパッドがボディ同色ではなく、ブラックやシルバーになること、またmoveup! ではベージュのシボまたはブラックのパネルになるのが残念。

後席の居住性は写真の168cmの女性なら頭上空間はこぶし2つぶん、膝元空間はこぶしひとつのスペースがあり余裕を感じる。後席は6対4分割式で通常時は251L、後席折りたたみ時で最大951L。荷室はフロア高を2段階に調整可能

後席の居住性は写真の168cmの女性なら頭上空間はこぶし2つぶん、膝元空間はこぶしひとつのスペースがあり余裕を感じる。後席は6対4分割式で通常時は251L、後席折りたたみ時で最大951L。荷室はフロア高を2段階に調整可能

居住性はホイールベースが1クラス上のポロに近い2420mm(ポロは2470mm)のため、後席は身長178cmの(担)が乗り込んでも頭上空間、膝元空間ともにこぶしひとつぶんの余裕がある。コンパクトなサイズの割には大人4人がしっかり座れる、必要充分なスペースを確保。

装備類

ポップでオシャレなインテリアが魅力 運転席側のパワーウィンドウスイッチ。ここに助手席側のパワーウィンドウスイッチがない

ポップでオシャレなインテリアが魅力 運転席側のパワーウィンドウスイッチ。ここに助手席側のパワーウィンドウスイッチがない

■装備類細かいところを指摘すると、2ドア、4ドアともに運転席側に、助手席のパワーウィンドウスイッチがないことと、5ドアのリアウィンドウが上下開閉式ではなく、ヒンジ式(三角窓のような開き方)になっていることが気になった点。もともとup! は1万ユーロカー。開発段階の事前調査で、このあたりの装備はそうだ。

追突回避・軽減ブレーキを全車標準装備

追突回避・軽減ブレーキを全車標準装備 時速約5~30km未満でフロントウィンドウ上部に設置されたレーザーセンサーにより10m前方までの車両などの障害物を検知し、ドライバーが減速しなかった場合に自動的にブレーキをかけ、追突を回避、もしくは追突時の衝撃を軽減

追突回避・軽減ブレーキを全車標準装備 時速約5~30km未満でフロントウィンドウ上部に設置されたレーザーセンサーにより10m前方までの車両などの障害物を検知し、ドライバーが減速しなかった場合に自動的にブレーキをかけ、追突を回避、もしくは追突時の衝撃を軽減

これを除けば運転席&助手席エアバッグ&サイドエアバッグ、ESPやABS&EBD&ブレーキアシストなどの安全装備に加え、時速5~30km未満でドライバーが減速しなかった場合に自動的にブレーキをかける追突回避・軽減ブレーキ(シティエマージェンシーブレーキ)を全車標準装備としていることが特筆すべき点。全体を通してみると、クオリティ、安全装備、ハンドリングや乗り心地を含めた走りの確かさ、楽しさ(ASGのギクシャク感は除く)において、「国産車を脅かす存在」と言って過言ではないだろう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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