スバル レガシィ大改革！！　新ターボ搭載で加速！！

【本記事は2012年6月にベストカーに掲載された記事となります。】（1）300psの新2Lターボ搭載（2）新2.5L NA採用で燃費向上（3）アイドリングストップ採用（4）フロントイメージ一新5代目となる現行スバルレガシィがデビューしたのは’09年だが、それから4年が経ち、5月8日より大がかりな改良を行なって、生まれ変わった新型レガシィが発売された。その改良の内容は多岐にわたり、レガシィの心臓部である水平対向エンジンを大きく一新し、それに連なるCVTや4WDシステム、さらにはシャシーや足回りを改良し、走りは大きく進化した。エクステリアやインテリアもリフレッシュされたレガシィが、この改良によってどれほど進化したかをお伝えしよう！

新たに2LDITエンジン採用5代目レガシィは、2Lターボエンジンを廃止し、全域トルクフルな285psのEJ型2.5Lターボのみとなった。それまでのインプレッサと共通の、パンチのある2Lターボがなくなったのは、ファンにはやや物足りなさを感じさせていた。しかし、この今回の改良で2Lターボが復活！ しかも、新世代の直噴ターボエンジンとなってである。この2Lエンジンはボア×ストロークが86×86mmのスクエアエンジン、つまりスバルBRZに搭載されるFA型エンジンをターボ化したものなのだ。昨年の東京モーターショーでは、FB型の1.6Lエンジンをターボ化したエンジンが展示されていたが、まさか最新のFA型ターボが登場するとは、驚きである。搭載グレードは、2.0GT DITとなっているが、このDITはダイレクト・インジェクション・ツインスクロールターボの略。つまり、FA型直噴エンジンにツインスクロールターボが組み合わされているのだが、低回転からの応答性に優れ、高回転までもカバーできるツインスクロールターボによって、出力に加えて環境性能まで高めているのである。最高出力は300ps、最大トルクは40.8kgmであるが、JC08モード燃費で12.4km／Lを達成している。EJ25ターボのJC08モード燃費は10.2km／Lなので、約2割の燃費向上を果たしているのである。この2Lターボに組み合わされるミッションは、初採用となった高トルク対応リニアトロニックと呼ばれる新型CVTだ。トルコンやチェーンを直噴ターボにあわせて強化し、エンジン効率のいい回転数を維持することで環境性能を高めている。さらにスポーツ走行時には8段ステップ変速が可能で、擬似的にMT車のようなダイレクトな変速感を演出している。このリニアトロニックには、今回初めてVTD-AWD（不等＆可変トルク配分電子制御AWD）も組み合わされ、あらゆる走行状況や路面状況で最適のトルク配分を行ない、高いトラクション性能と優れた車両安定性を実現している。

2.5L FB型エンジンを初採用改良前の2.5Lは旧世代のEJ型だったが、改良型の2.5L NAエンジンは、新たにFB型を採用。FB型は、’10年にフォレスターで初採用されたが、当初はエンジンノイズが大きいなどの欠点があったが、昨年発売のインプレッサに搭載される頃にはかなり熟成が進んでいた。レガシィには、このFB型の2.5L版を初採用。充分な熟成を遂げて、フラッグシップのレガシィに採用されたことになるのだ。排気量が大きくなったことで、FB型の特徴である中低回転域のトルクがさらに向上し、ドライバーの操作にレスポンスよく応える、ドライビングしやすいエンジンに仕上がっている。2.5Lエンジンには、新リニアトロニックを採用。従来型のCVTに比べて、パーツやレイアウトを最適化することで、軽量でコンパクトなミッションに仕上がっている。変速レスポンスも向上し、ドライバビリティや環境性能の向上に寄与している。

アイドリングストップを搭載新型インプレッサで採用したアイドリングストップが、レガシィの2.5L NAエンジンモデルに採用（ベースモデルの2.5i除く）された。ドライバーの運転の妨げにならないような改良が施され、エンジンが完全に停止する前に再始動が可能な機構を搭載するなどの熟成が施されている。これによって、2.5L NAモデルのJC08モード燃費は、13.2～14.4km／Lを達成している。燃費が13.6km／L以上のモデルは、エコカー減税50％、エコカー補助金対象車となっている。2Lターボモデルもエコカー補助金対象車で、新型レガシィは、新エンジンによって環境性能を大きく向上された。トルクの太い、ゆったりした走りを好むユーザーのために、EJ型の2.5Lターボ搭載グレードをB4とツーリングワゴンに設定、アウトバックには3.6L、水平対向6気筒エンジン搭載グレードがある。

エクステリア＆シャシーも魅力向上スバルのアイデンティティであるヘキサゴングリルだが、六連星のエンブレムを挟むように、太いラインが入った、力強いデザインへと生まれ変わった。ヘッドライトもコの字型のポジションランプを内蔵してイメージをリフレッシュ。ボディやサスは剛性の向上が図られ、走り味や操安性は大きく進化した。

2Lターボは、2.5Lターボより高額……だが待て！！ 2Lターボエンジンは、2.5Lエンジンを上回る高出力と20％も優れた低燃費を両立するすばらしいエンジンなのだが、難点がある。まずは、価格が2.5Lターボよりも10万円以上も高いこと。BRZと同じFA型を使った最新のエンジンではあるのだが、普通に考えると2Lターボのほうが、2.5Lターボよりも安くて当然だと思うのだが。そして、もうひとつは安全装備として人気の高い、アイサイトが取り付けられないことだ。現在では装着率9割なのだから、オプションでもいいから、設定可能にしてほしかった。しかも、2.5Lターボにはアイサイトが装着されていて、アイサイトは約10万円高といわれているので、実質この2グレードの差は20万円ということになる。これは大いに不満だ。ぜひ追加設定してもらいたい！

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