中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.01

威風堂々!レクサスGS

新型GSの乗り心地にモンクを言う人はいない

現行型の登場から6年半ついに「レクサスの本気」が動き出す

現行型の登場から6年半ついに「レクサスの本気」が動き出す

【本記事は2011年12月にベストカーに掲載された記事となります。】最近のトヨタ製後輪駆動車の仕上がりのよさを考えれば「新しいGSもいいでしょうね!」と予想できる。しかし! Dレンジをセレクトして走り出すや「ここまでいいとは!」。もはやベンツもBMWもGSも、目隠しテストしたらわからないと思えるレベルに達してます。むしろ当たりの柔らかさなんか優れているほど。走り出して20m走ればわかる。というか、ドアを開けて座った時のクルマの沈み込みの感覚からしてドイツのライバルと同じ質感を持つ。今までのKYBのショックアブソーバー、この時点からフリクション出ちゃってます。アクセル踏んで走り出す時の姿勢変化(リアが沈む)でもクルマの動きの滑らかさを感じる。人間って敏感だ。いいクルマに乗ると機嫌もよくなるから不思議だ。現行クラウン以後、トヨタの後輪駆動車は急速に質感が高くなった。おそらく「いいクルマ作り」の方向性をやっと見つけたんだろう。答えを出した時のトヨタの突進力の凄さに驚く。初期型現行GSと乗り比べたら、同じメーカーのクルマだと思えないほど(現行GSも最終スペックで大きく進化した)。新型GSの乗り心地にモンクを言う人はいないと思う。

新型GSの「狙い」は?

個性的なフロントに対しリアはすっきりとまとめた。HVはマフラーがディフューザーに隠れる

個性的なフロントに対しリアはすっきりとまとめた。HVはマフラーがディフューザーに隠れる

◆新型GSの「狙い」は?さて。すばらしいクルマに仕上がったGSのセールスポイントはどこだろうか? 開発責任者に聞いてみた。すると「新しいデザインと走りの質感です」。クルマとしてのコンセプトについちゃ先代を引き継いだという。ここで少し突っ込みたくなる。はたして先代(現行型)、成功したのだろうかと。ご存じのとおりGSの価格的な競合車はベンツEクラス。BMWだと5シリーズ。アウディA6となる。いずれも実用性を前面に押し出したトラッドなセダンと言ってよかろう。このクラス、ヨーロッパじゃ幹部社員のカンパニーカー(会社から貸与されるクルマ。ヨーロッパでは非常に多い)やタクシーとしても使われるためだ。しかしGSはアメリカでニーズのあった「スポーティなセダン」という初代アリストのコンセプトを引っ張っている。実需が期待できない、と言い替えたらわかりやすい?また、ここにきてライバルたちはダウンサイジングで新しさを演出している。Eクラスを見ると1.8L直噴ターボ。5シリーズも2L直噴ターボ。A6だって2Lディーゼルターボが売れ筋になっているそうな。つまり「トラッド&ECO」がGSの競合車の方向性だったりする。それでいて「腰が抜けるほど超スポーティなモデル」までラインアップしてます。好意的に解釈すると「GSはそれらのライバルとガチで当たらないようなコンセプト」にした?

「スピンドルグリル」(糸巻きの形状)が自信作

全長4850mm×全幅1840mm×全高1455mm、ホイールベース2850mm。現行型と比べると全長とホイールベースはかわらないが全幅で20mm、全高で30mm拡大した

全長4850mm×全幅1840mm×全高1455mm、ホイールベース2850mm。現行型と比べると全長とホイールベースはかわらないが全幅で20mm、全高で30mm拡大した

そして新型GSの大きなセールスポイントだというデザイン。特に「スピンドルグリル」(糸巻きの形状)は自信作とのこと。アウディのワッペングリルの大成功を意識し、レクサスに共通する「顔つき」を今までのシンプルな台形グリルからスピンドルグリルにしていくという。このあたり、好みかと。個人的にはヨーロッパ車特有の「ナンでもカンでも共通のグリル」に魅力を感じず。そもそもヨーロッパのレクサス販売台数なんて多くない。だったら中国に代表される新興国で評価されるべく「ボディデザインに似合った純粋にカッコいいグリル」にすればいいと思うが。ヨーロッパ車になりたいのか、それとも日本オリジナルでいきたいのか、そろそろレクサスは決めたほうがいいかもしれない。

グレード展開とメカニズム

◆グレード展開とメカニズムラインアップは2.5L、215馬力のV6エンジンを搭載するベーシックグレードと、パワフルな3.5L、318馬力V6エンジンの中級グレード、そして動力性能と燃費の両立を目指すハイブリッドの3タイプ。絶対的な動力性能からすれば2.5Lでなんの不満もなし! むしろ充分パワフル。速度リミッターがつかない輸出仕様なら210km/h以上出るという。3.5Lは意外にも軽快かつスポーティな走りを楽しめる。絶対的な動力性能ときたら文句なし! 助走距離が短くなった富士スピードウェイの直線ですら210km/hに達するほど。ハイブリッドのハンドルを握ると瞬発力のよさに驚く。アクセルレスポンスのよさは正しく4.5L級に匹敵します。車重があるためか乗り心地もドッシリした感じ。お金持ちならコイツか。スポーツグレードの「Fスポーツ」はサーキットで試してみた。基本的には奥行きのあるハンドリングを持っており、大いに楽しめた。攻めるとアンダー傾向になるけれど、反面、高速域のスタビリティよし。驚いたのがブレーキ性能。標準スペックのブレーキだというのに、高速域からのフルブレーキを繰り返してもフェードしない。日本のブレーキもよくなったもんだと感心しきり。

乗り心地や使い勝手、装備内容まで含め、高い評価

最後にインテリアの評価など。ドライバーズシートに座ると、目の前に世界最大の12.3インチ液晶がど~ん。高さ方向がないため迫力こそ感じないものの、さすがにいろんな情報を表示できる。今や液晶も安くなってきた。思いきっていちだんと大きくして(複数使用したっていい)PC画面のように使えるようしたら未来的だ。乗り心地や使い勝手、装備内容まで含め、GSを買った人は高い評価を与えると思う。これで訴求力(突出した魅力、といい換えてもいい魅力)を与えてやればいいクルマです。富士スピードウェイの外周路を普通のペースで走って燃費チェックしてみたら、2.5Lが11.6km/L。3.5Lだと8.2km/L。ハイブリッドで12.4km/Lといったイメージ。意外にも2.5Lの燃費がいい。実際の交通モードだと信号待ちもあるため、2.5Lの燃費がもう少し悪くなると思う。ただこのクラス、思い切って1.6L級のターボでもラインアップしたら面白いのでは?

レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム

レクサスGSプロト(来年1月デビュー)試乗

レクサスGSプロト(来年1月デビュー)試乗

レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム新型GSは『ダイナミックハンドリングシステム』という装備が選べる。簡単に言えば4WSと横滑り防止装置VSCを統合制御したものです。4WSでタイヤの横方向のパフォーマンスを引き出したり限界特性を変化させた上、ブレーキで前後方向のコントロールしようという理想のシステム。効果絶大! 通常の状態から稼働させてしまうとレスポンスよすぎてしまうという。そらそうだ。ポテンシャルをフルに引き出したら、横Gだってハンパない。そこで緊急回避操作や、クランク通過などクルマの性能をフルに引き出す時のみ稼働するようになっているという。とりあえず「ダブルレーンチェンジを試してみてください」という。まず標準状態で走ってみたら、もはやギリギリというイメージ。テールスライドもしている。ソコソコのテクニックを持っているドライバーじゃないとパイロンに当てないで通過するの、難しいかもしれません。機能をオンにして通過すると、普通に操作して大きな横Gを出す。後輪操舵の方向はケースバイケースとのこと。同相に切って後輪のグリップを高めることもあれば、逆相にしてフロントを切れ込むようにしたりこともあるそうな。速度域やドライバーのハンドルの切り方などをセンシングしているのだという。なるほどクランクを通過してみたらハンドル操作量が明らかに少なくなった。この場合、逆相にしてるということ。やはり後輪を操舵できるといろんなコトが出来るのだろう。やがてコースアウトしないクルマも出来る?

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ