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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02

新型エルグランドはよいのか?

フルモデルチェンジ。新型エルグランドの魅力を探る

新型は走っても凄い! 3.5Lは回した時の気持ちよさが倍加され、2.5Lはトルクアップにより走りに余裕ができた。

新型は走っても凄い! 3.5Lは回した時の気持ちよさが倍加され、2.5Lはトルクアップにより走りに余裕ができた。

【本記事は2010年8月にベストカーに掲載された記事となります。】正式デビューは8月4日だが、プロトタイプ撮影&試乗もすませ、価格を含めすべてが判明した新型エルグランド。初代エルグランドの代名詞であったキング・オブ・ミニバンの称号は、現在ではアルファードヴェルファイアのものとなっている。そんな煮え湯を飲まされたエルグランドがキング・オブ・ミニバンの称号奪還のため、起死回生のフルモデルチェンジ。新型エルグランドの魅力を探るため、アルファード/ヴェルファイアとの直接対決の前に、10日足らずで旧型になる現行エルグランドと比較。

エクステリアデザイン

5 ライダー:さらに個性を主張 エルグランドにあってアルファードにないのが個性派モデル。エルグランドには現行、新型ともオーテック製のライダーが設定される。

5 ライダー:さらに個性を主張 エルグランドにあってアルファードにないのが個性派モデル。エルグランドには現行、新型ともオーテック製のライダーが設定される。

ひと目でエルグランドとわかるデザインを採用しながらも、新型を前にすると現行は明らかに厚ぼったく、古くさく見える。「いちだんと高級になった、というのが第一印象。面などはこれがミニバンかよ、という感じで驚かされた。新型エルグランドは従来のミニバンとは明らかに違う。トヨタのミニバンのように表面上の豪華さ、迫力ではなく、面の質にこだわり、その結果、全体の質を高めることに成功しているのは評価できる」と、前澤義雄氏はコメント。悪そうなフロントマスクに目を奪われがちだが、実車を見ると、前澤氏のコメントどおり、ボンネット、フロントバンパーからフロントフェンダーにかけてのライン、ボディサイド、リアエンドなどなど、その造形美に圧倒される。見た目だけの迫力ではなく、トータルの存在感では、現行、アルファード/ヴェルファイアもかすんでしまう。

ボディサイズ

新型エルグランド:新型エルグランドの魅力は、ミニバンとしてのスペースユーティリティ、快適性、利便性などを徹底的に追求している点にある。これでキング・オブ・ミニバン奪還は確実?

新型エルグランド:新型エルグランドの魅力は、ミニバンとしてのスペースユーティリティ、快適性、利便性などを徹底的に追求している点にある。これでキング・オブ・ミニバン奪還は確実?

新型エルグランドのボディサイズは、全長4915×全幅1850×全高1815mmで、現行と比べると、全長が80mm、全幅が35mm大きくなっているのに対し、全高は95mmもダウン。大幅に低くなった全高により、ワイド感が強調されている。詳細は室内スペースのところで述べるが、新型エルグランドは現行のFRからFFへの変更で低床フロアを採用したことにより、背を低くしながらも室内スペースの確保に成功したわけだ。もちろん、背が低くなったことにより、走りのスタビリティが大幅にアップしているのはいうまでもない。

エンジン

2エンジン性能:大きいだけに余裕が大事 3.5Lはようやく新型でアルファードに肩を並べることになったので動力性能の直接対決が楽しみ。いっぽう2.5Lはパワーは同じながら、新型がトルクで圧倒!

2エンジン性能:大きいだけに余裕が大事 3.5Lはようやく新型でアルファードに肩を並べることになったので動力性能の直接対決が楽しみ。いっぽう2.5Lはパワーは同じながら、新型がトルクで圧倒!

先述のとおり、新型エルグランドはFFレイアウトを採用。現行がFRのため縦置きの3.5L、2.5Lの2種類のV6を搭載していたのに対し、新型では3.5L、V6(280ps/35.1kgm)と2.5L、直4(170ps/25.0kgm)。3.5L同士で比べると、実に40psもパワーアップ(トルクは0.9kgmダウン)、2.5L同士なら、16パワーダウンしているが、逆にトルクは1.3kgmアップさせるなど、エンジンによりキャラクターを差別化。もともと充分なトルクのある3.5Lはパワー感、高回転での気持ちよさを追求。逆に2.5Lは、軽快感はもともとあるので、トルクアップにより走りに余裕を持たせたということ。現行モデルで指摘されていたネガ潰しをしてきている。そのいっぽうで現行ではエコカー減税の対象グレードは皆無だったが、新型では、3.5Lは一部グレードを除き50%減税、2.5Lは全車75%減税と、燃費性能は劇的進化。

インテリア

新型のインパネの基本デザイン、コンセプトは現行を踏襲しているが、デザインが大きく洗練されているのがポイント。現行がどことなく無骨に見えてしまう。新型の色遣いもすばらしい

新型のインパネの基本デザイン、コンセプトは現行を踏襲しているが、デザインが大きく洗練されているのがポイント。現行がどことなく無骨に見えてしまう。新型の色遣いもすばらしい

インテリアのデザインもエクステリアに負けず劣らず気合いが入っていて、現在日産のフラッグシップセダンとなったフーガよりも質感が高い。現行エルグランドも質感が高く、デザインにこだわったインテリアを採用していたが、悲しいかな、新型を前にすると無骨さと古くささが目立ってしまう。ここ数年、日産は日本の自動車メーカーで最もインテリアにこだわり、いろいろ具現化しているが、新型エルグランドでも素材、色遣いなどキング・オブ・ミニバンにふさわしい仕上げ。

パッケージング

FF化による低床フロアの採用により、室内スペースは大幅に改善された。座った時のアイポイントも低く自然なポジションで座れる。シートは素材、色遣い、形状などこだわりの産物で新型の魅力

FF化による低床フロアの採用により、室内スペースは大幅に改善された。座った時のアイポイントも低く自然なポジションで座れる。シートは素材、色遣い、形状などこだわりの産物で新型の魅力

ミニバンを超えたような存在となっている新型エルグランドだが、スペースユーティリティ、使い勝手、快適性といったミニバン本来の機能面も抜かりなく大幅に進化させている。前述のとおり、FF化による低床フロアの採用により、全高を95mmも低くしながらも、現行エルグランドの1273mmを凌駕する1293mmの室内高を確保している。フロア高は現行の528mmから399mmとなり、乗降性も格段にアップ。さらに特筆は、Lクラスミニバン最長の3000mmのホイールベースを採用し、現行よりも長い室内長を確保。それから注目はサードシートの収納方法。基本的にボックスタイプミニバンの場合、左右に跳ね上げるタイプが主流だが、新型エルグランドはダイブダウンタイプを初採用(下のクラスではステップワゴンが採用ずみ)。シート自体が軽く、操作性も抜群にいい。3列目収納時に左右の張り出しがなくなったぶん、ラゲッジの自由度も増した。乗車定員は7人乗り/8人乗りの2タイプあるが(250XGのみ8人乗りのみ)、豪華さ、快適性を謳歌するなら7人乗りがお薦め。世界初となるクッション一体式のトリプルオットマン(助手席&2列目)を採用。しかも2列目のシートバックは中折れ機能付きだから快適性は現行、アルファード/ヴェルファイアを凌駕。3列目は座面も大きく窮屈感はまったくない。

グレード

似て非なる新型と現行のリアビュー

似て非なる新型と現行のリアビュー

現行に比べて大幅に整理され、3.5Lはハイウェイスターのみで、最上級がプレミアム。2.5LはハイウェイスターとXGで、全グレードにFFと4WDが設定される。

価格

価格はベストカーが独自調査したものだが、307万6500~464万1000円。現行と比較する場合、まったく同条件ではないが、装備などの充実を考えると10万円程度割安。アルファードに対しても価格的競争力はかなり高い!

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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