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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

タントエクゼをパレットと比較する!! 大人タントは価値観タップリ!

「エグゼよぉ~」

写真右は奥が標準タイプのエグゼで手前がエグゼカスタムである

写真右は奥が標準タイプのエグゼで手前がエグゼカスタムである

【本記事は2010年3月にベストカーに掲載された記事となります。】なんともベタなダジャレCMが妙に頭から離れないが、ま、昨年12月24日に登場したタントエグゼは興味深いクルマである。その名が示すとおり、タントをベースに生まれた派生車なのだが、エグゼは「大人タント」と開発陣が言うように、子育て世代に向けたタントに対し、エグゼはリアシートの居住性を高めたり、全体的に高級感を感じさせる内外装の仕立てで、熟年層や男性ユーザーなどをターゲットにしている。タント最大のセールスポイントともいえる、Bピラーごとガバリとスライドドアが開く、左側大開口スライドドアを廃止し、左右ともに一般的なヒンジドアとしていることが特徴的。ダイハツ軽自動車のラインアップの恒例にしたがって、タントエグゼにも標準タイプと、ちょっと豪華にスポーティな内外装とした「カスタム」がラインアップされている。NAエンジンが基本だが、カスタムにはターボエンジンを搭載した「RS」が用意されている。

タントもエコカー減税50%の対象車となった

タントもエコカー減税50%の対象車となった

ところでエグゼ(EXE)という車名だが、「EXEはE×E、つまり、“もっといい”という意味を表わしています。エグゼクティブといった意味も含めてはいますが、最もアピールしたいのは、もっといい、という意味です」と開発を担当した中島雅之チーフエンジニア。

ゆったりしたリアシートで快適室内空間!!

写真左が大開口ドアがアピールポイントのオリジナルタント。

写真左が大開口ドアがアピールポイントのオリジナルタント。

エグゼのボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1730mm。タントに対して全高は20mm低くなっている。また、室内寸法は、室内長2070mm、室内幅1340mm、室内高1385mmとなっており、室内長が90mm短くなり、室内幅が10mm狭くなっているいっぽうで、室内高は1385mmとタントよりも30mmも高くなっている。室内長に関しては、リアシートのスライド量によって大きく変わってくるので、より後方までスライドするタントが大きな数値となる。

タントエグゼのアピールポイントとなるのがこのリアシート。グラマラスコンフォートシートと名づけられたこの座席は、左右独立タイプのセミバケットとなっていて、シートクッションも肉厚で座り心地がいい!!

タントエグゼのアピールポイントとなるのがこのリアシート。グラマラスコンフォートシートと名づけられたこの座席は、左右独立タイプのセミバケットとなっていて、シートクッションも肉厚で座り心地がいい!!

ちょっと意外だったのが室内高。背の高さがウリのタントよりもエグゼのほうが全高は5mm低いのに室内高は30mm高くなっている。理由は、タントの左側大開口スライドドアをエグゼでは思いきって廃止したため、スライドドアを動かすためのスライドレールが必要なくなったぶん、フロアを低くすることができたため。これにより、前席座面とフロアの距離は385mmでタントよりも20mm高く、後席は370mmで15mm高くなっている。座面とフロアの距離が大きくなったことで、着座時の姿勢がより自然なものとなる。

全高はエグゼよりも20mm高い

全高はエグゼよりも20mm高い

エグゼの自慢がゆったりしたリアシート。“グラマラスコンフォートシート”と名づけられたリアシートは、写真を見てのとおり、左右独立したバケットタイプとなっており、シートバックのサイドサポートが大きく、体を包み込んでくれる。シートバックの高さも充分あり、パッセンジャーの肩よりも高いため、ゆったり座れる。タントのリアシートは実用一辺倒で、ダイブダウン収納を可能にするためもあって、シートバックの高さは肩口ギリギリと低く、座面はほぼフラット、クッションも最低限だが、エグゼのリアシートはクッションも肉厚で座り心地は快適。座面のクッションはソファのようにシート下まで回り込んでおり、ふくらはぎを支えてくれる形状。オットマンとまではいかないけど、後席でリラックスできる。

タントよりも軽くてキビキビ軽快な走り!!

全高1730mmと背の高いタントエグゼだが、思いのほか重心の低さを実感する

全高1730mmと背の高いタントエグゼだが、思いのほか重心の低さを実感する

タントだからして車高は高いんだけど、ベースとなった標準タントと比べると、エグゼは圧倒的に重心の低さを感じるのであった。タントは正直、けっこう上が重たいぞ、と感じるし、車重そのものの重たさも感じる。車線変更や交差点の右左折などでも、タントに比べてフットワークの軽さを実感できる。ロール量も少ないし、ハンドルを切ってからクルマが反応するまでのタイムラグも小さくなっている。キビキビした印象だ。乗り心地に関しては、ドア開口部が小さくなっていることでボディ剛性に余裕が出ているのだろう。タントよりもカッチリしたボディとなっており、サスペンションの動きもスムーズ。段差の乗り越えやうねりのある路面を走った時の車体の動きも安定感のあるものとなっている。

車重はタントに比べて60kg軽くなっているが、その大部分は大開口スライドドアに関係する部分の重量だという。スライドドア自体も重たいが、ドアを支えるスライドレールやアーム類、また、大開口スライドドアを実現するためのボディの補強など。また、タントではリアシートがダイブダウンする機構を採用しているが、この機構による重量増もあるという。

CVTポジション表示の上に「ECO」ランプが点灯する

CVTポジション表示の上に「ECO」ランプが点灯する

エグゼ、カスタムともにFFモデルは全車CVTを採用する。音量は小さいものの、CVTが高周波の「キーン」という音を発するのと、ゆっくりと速度を落として停車する時に15km/hを下回ったあたりで発生する減速感が抜けるような軽いショック(CVTベルトのたわみが原因か!?)がちょっと気になるといえば気になるが、多段AT車と比べると圧倒的にピックアップに優れており、特にトルクの小さい軽自動車のNAエンジン車では動力性能面でCVTのメリットを実感。10・15モード燃費=21.5km/LというのもCVTだからこそ実現した。

ハイト系軽自動車といえば、スズキのパレットがある。タントとガチンコ対抗車だが、パレットは両側スライドドアで個性をアピールする。スライドドア派ならパレットが魅力的だろうが、タントエグゼは、あえてヒンジドアを採用することで車重を軽くし、さらに重心を低くしたことで乗り心地や走行安定性を高めている。パレットは標準タントよりもしっかりした操安性をもっているが、乗り心地や快適性まで含めた“走りの質感”という意味では、タントエグゼが一歩リードしている。ただ、副変速機付きCVTのドライバビリティと省燃費性能ではパレットがリードする。

価格はベーシックな「Xスペシャル」が113万円、売れ筋となる中間グレードの「X」が121万円、ターボの「カスタムRS」が157万円となっている。豪華な雰囲気のシートや、上質なインパネなど、タントよりも上級志向にもかかわらず、価格は3万~4万円程度安くなっているのは、やっぱりスライドドアなどが高くつくのだな、ということ。NAエンジンのFF車は50%エコカー減税の対象となっている。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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