中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02
価格据え置きでバリュー大幅アップ!! スズキ アルトに納得!!
フルモデルチェンジで生まれ変わったNEWアルト 価値の高さに納得
新型アルトは旧型に比べて圧倒的に乗り心地が改善されているのが嬉しい。旧型ではややバタバタした乗り心地だったが、新型ではグンと洗練されている。また、電動パワステのチューニングが進化したためか、操舵フィールがカッチリして、接地感も掴みやすくなった
【本記事は2010年2月にベストカーに掲載された記事となります。】アルトのようなクルマのインプレッションをどう伝えるか!? これはとても難しい。ミニバンだったら室内空間やシートの座り心地、広いのか、狭いのかをキッチリと確認する。スポーティカーだったら走りのパフォーマンスがやっぱり気になる。さて、アルトの場合、読者の皆さんは、どんな部分を知りたいのか!? 興味を持っているのか!? 全車エコカー減税対象となった新型アルト。その魅力に迫る。
流れるようなフォルムのためか、全高が低いような印象を受けるが、実際には旧型よりも35mm高い1535mmある。ホイールベースは旧型よりも40mm延長され2400mmとなる
パッと見、新型アルトは背が低くてずいぶんとスタイリッシュに見えた。昨秋の東京モーターショーですでに出展されていたが、その時から背が低い印象だったのだが、後席に座ってみると、思いのほか頭上に余裕があるのでビックリ。身長176cm(しかも胴長)の編集部ウメキが座っても、頭上には縦にしたコブシひとつぶん以上の余裕がある。
「あれ、こんなに広いんだ……!?」
シンプルなインテリアだが、インパネ表皮の質感など、チープな感じではない。インパネ周囲には、収納スペースが豊富で、使い勝手を徹底的に追求している
カタログを確認すると、全高は1535mm(オデッセイより10mm低いだけ!!)あり、旧型よりも35mmも高くなっている。室内高は1240mmで同じくプラス10mm。なるほど、広く感じるわけだ。
リアシートは足元スペースも頭上スペースも充分に余裕があり、リアシートの居住性は充分だ
新型アルトは、ワゴンRやラパンなどに使われる新型プラットフォームを採用。ホイールベースは旧型よりも40mm延長された2400mmとなっている。この長いホイールベースとツルリとした流れるようなラインで構成されたフォルムのため、背が低く感じるのだ。この、ホイールベースの延長により、リアシートとフロントシートの距離は15mm長くなっており、足元スペースも余裕が生まれている。パレットやタントのような、超ハイト軽のような、圧倒的な開放感こそ感じないが、窮屈な感じを受けることもない。ほどよい空間が心地よいと感じるユーザーも多いだろう。
お値段実質値下げ!!
CVT仕様は、約2時間の一般市街地の走行で45km走って、燃費計の示した数字は16.3km/Lだった。4AT車は15.0km/Lだったので、やはり好燃費
新型アルトのボトム価格は73万2900円(Eグレード)。この価格だけを見ると、旧型よりも2万9400円高くなっているのだが、新型は5MTと4ATの価格が同じ設定となっている。旧型のAT仕様のボトム価格は75万6000円なので、AT車同士で比較すれば2万3100円の値下げということになるのだ。しかも、旧型のATは3速だったが、新型は4速ATに進化している。実質的な値下げ幅はもっと大きくなっているともいえるだろう。やっぱりATは3速と4速の差は大きい。新型の4ATは変速ショックも小さく、スムーズなドライブフィールは、旧型の3ATとはまったく違った洗練されたものだった。
実質的な値下げとはいえ、もちろん、装備や品質が旧型よりも低下しているなどということはない。インパネ表面の材質や、ドアトリムなど、ドライバーが触れる部分の質感は、むしろ旧型よりも向上しているし、装備類のレベルも旧型と同等。一部グレードではABSが標準装備とされていないが、これもスズキの伝統で、旧型アルトでも廉価グレードを中心に一部グレードではABSが標準装備とされていなかった。
今の時代、全グレードでABSを標準装備にすればいいと思うのだが、「そういった声があることは重々承知しています。しかし、アルトのお客様には、ABSは不必要だから、そのぶん価格は引き下げてほしいとおっしゃる方が少なくないのです。基本的には全車に付けたいのですが、そういう声がある以上、お客様のニーズにも応えなくてはなりません」と開発を担当した大明篤史四輪商品企画部係長はいう。最も安いEグレードのFF車ではABSを装着できないが、オプション装着が可能となるFグレードのFF車、Gグレードの4AT車ではプラス2万6250円でABSを装着できる。これがスズキのポリシーなのだ。
軽快でスムーズな走り。乗り心地もグンと改善!!
走り出してビックリするのが乗り心地のよさ。ワゴンRやラパンでも乗り心地の大幅な改善が感じられたが、新型プラットフォームのできがいいのだろうな、と感じる。大きめのギャップではちょっと強めの衝撃を感じるが、通常レベルの路面の荒れや小さめのギャップだったらトトン、と小気味よくショックをいなして不快な振動を発生することはない。旧型と比べたら格段の進化である。また、タイヤからの“シャー”という高周波のノイズも大幅に低減され、室内が静かになった印象。こうした小さい改善で、クルマ全体の質感の印象が大きく変わってくるものだ。
CVTの燃費のよさが光る
上級グレードにはCVTが採用されているが、これはパレットに先に搭載された副変速機付きのCVT。通常のプーリータイプのCVTにハイ/ロー2段切り替えの副変速機を組み合わせたもので、超ワイドレンジの変速比を実現しているのがポイント。発進時のスーパーローのような低速ギアから巡航時のスーパートップのようなハイギアー(ちなみに0.550)までをリニアに使いこなすのだから、エンジンの負荷も小さくなり、スムーズなドライブフィールが得られるとともに、燃費向上にも大きく寄与する。10・15モード燃費は24.5km/L(ミラのCVT車は25.5km/L、アイドリングストップ仕様は27.0km/L)で、4AT仕様に対して約8.8%の燃費向上。旧型の3ATと比べると実に16%程度も燃費が向上しているのだから嬉しい。ちなみに約2時間の試乗時間で45kmほど街中を走ったが、この間の実燃費は16.3km/L。4ATモデルは15.0km/Lだったので、やはりCVTの燃費のよさが光っている。
アルトは価格の安さをアピール
アルトといえばダイハツミラがライバルとなる。最近セダンタイプの軽が売れていないとはいうものの、昨年12月の販売台数はモデル末期の旧型アルトが7207台(ラパンも含む)、ミラ(ココアも含む)が7385台と充分多く、まだまだ販売の主流をしりぞいてはいない。価格面ではミラの最廉価グレード「L」は88万5000円でアルトよりも約15万円高い。しかしミラLは3ATで、4ATを採用する「Xスペシャル」は89万5000円とさらに高価。全体的にアルトよりミラのほうが上級傾向となっている。ミラのアイドリングストップモデルは113万5000円となり、ちょっと高価。アルトは価格の安さをアピールして、バリューの高さでミラに対抗する。